後悔と未来:孤独と困窮
マヤには友人がたくさんいるが、今の現状をちゃんと相談できる相手は居なかったし、相談しようとも思っていなかった。
それはどうせ誰にも理解できないし自分自身でもなぜこんな状態になっているのかわかっていなかったからというのが大きな理由になる。
物みたいに扱われて、身体も精神もボロボロになっていきお金も自由に使えない状況で、もう自分で何かを考えて行動するという事はできない状態になっていた。
ある意味洗脳状態にあるというのは、僕にとってはすごく都合が良かったので、何かにつけて高いものを買ってもらいそれをすぐに売ってお金にしていた。
お金をそのまま貰うだけでも良かったが、プレゼントという形の方がマヤの気持ち的には少しポジティブになるし、僕もそれをもらってすぐに売っていたという事実を後々話せると思うと面白そうだった。
その頃のマヤは様々なところからお金を借りるようになっていたので、生活は困窮し考える事ができないので、益々目の前の僕に依存するようになっていたので後はより高単価な仕事とかもさせようと思ったが、その楽しみはまだもう少し先にしておく事にした。
親友であるナツミにもそんな状態になっている事は言えず、段々とナツミへの相談も少なくなっていき、孤独になっていく姿が見れた。
マヤの1日は僕に何をするのか聞く所から始まるようになっていた。
マヤ:「今日は何したらいい?」
僕:「部屋の掃除とご飯作って」
マヤ:「わかった。空いてる時間は何しててもいいの?」
僕:「好きに使ってもいいし、俺の言う事聞いてもいいよ」
マヤ:「なにするの?」
僕:「マヤみたいに使える人探してよ、そしたらマヤも少し楽になるでしょ、身体も使える人ね」
マヤ:「そうだね、ありがとうね、色々考えてくれて。がんばるね。身体は私だけがいいんだけどダメ?」
僕:「マヤの頑張り次第だね」
あの頃の綺麗で凛としたマヤはもう見る事はなく、常に何かに怯えながら何も考える事ができずその日を暮らすだけで精一杯の精神不安定な人間が完成した。
ここまでくると本当にただの動物なんじゃないかと思っていた。
ナツミからは「マヤが心配」「彼氏のせいで人生がおかしくなっちゃう」といった話を聞いていたので、当初の作戦は少しずつ実現していた。