出会い:スリル
バイト先に新しく可愛い子が入った。
名前はカナ。
カナは最初から分かりやすく好意を持ってくれていたので、すぐに仲良くなった。
そんなカナを見たレイから釘を刺された。
「浮気はだめだからね! ヤキモチ妬いてるよ、今」
「分かってる」
そんな言葉が可愛くて、分かっていないのに分かってると答えた僕はやはり天狗だった。
レイは感情表現が豊かで気持ちが凄く重い。
そこまで愛されていると感じたから大切にすれば良いものを何をしても大丈夫と勘違いをしていた。
今思うと、レイの僕を愛する気持ちはここが最高だったと思う。
ここから何年もかけてどんどん下がり続け、最後には恨まれるのだ。
それはまだ少し後の事。
天狗な僕は女の子を大切にする意味がよく分からず、
相手が求めるなら何人と付き合っても良いと思っていた。
レイとの深夜の公園、
「もっと触れたい」
「それって今だと難しいね、付き合おうか」
そんな会話があり付き合うことになった。
レイにとって2人目の恋人、初体験は深夜の公園で行われた。
「いいよ。 場所なんか気にしない。それより早く受け入れたい」
愛おしくなり、朝方まで何回も愛し合った。
そこでもスリルを求める自分から逃げられない。
エミとレイと付き合い、
カナからアプローチを受ける日々は直ぐに終わることになる。