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出会い:後ろめたい気持ち
「バイト先の人には隠しておこう」
この約束がいつまで果たされるのかがわからない。
そしてエミが知ってしまったら、エミとは終わってしまう。
レイともこの時間が終わってしまう。
どちらかを取ればどちらかを失う。このままだとどちらも失ってしまう。
そんな事はわかっていたので、頭をフル回転させ嘘ではなく、なんとかこの場をやり切ろうと思っていた。
「うーーん、恥ずかしいけど、好きな人はいるよ。」
この言葉はズルい。
嘘ではないし、レイに自分だと期待をさせる。
そこから何も聞いてこなかったので、ホッとしたし自分はやはりズルい人間だと再認識した。
そんな事もあり、その日から凄く距離が縮まり深夜の散歩はデートだった。
昼間はエミに時間を使い、夜はレイとデートする日が続いていた。
そんな頃から、エミに対して後ろめたい気持ちと何があっても対処できるといった根拠のない自信を持っていた。
「バイト先では関係を秘密にしよう」
エミとレイと僕の三角関係はこの約束だけで、薄氷の上に成り立っていた。