異空間:女性の敵
水族館やスポーツ観戦などデートらしい事をしつつ夜はヒロコの家で生活する日々が続いていたが、ヒロコがオーストラリアに留学することになり、あと1ヶ月くらいで関係が終わるという中で過ごすのは少しだけ辛かった。
繋ぎ止めておきたくて色々考えた。
怪我したら少し留学を遅らせてくれるのかなとか、妊娠したらやめてくれるかなとか。
結局自分の気持ちだけで行動をしていた。
ヒロコはお酒を飲むとなんでもよくなるタイプだったので、お酒を飲んで身体を重ねるときは毎回避妊はせず中で果てる事が多かったので、終わりが近づくと回数が増えていてこのままもし妊娠したら色々大変だなと思ったが、僕の人生ではないし少し好きな気持ちがあったからこそどうなろうが、本当にどうでもよいという感情が最後には勝っていた。
自分の欲のままのプレイを強要し、身体中傷つけたり限度なく殴ったり叩いたりとアザだらけにすることも多く泣かせてばかりいたが、それでも留学の当日までは関係はあった。
ヒロコ:「身体中痛いよ。こんな事しないで欲しかった。もう会いたくなくなるよ」
僕:「まだ会う可能性はあったの?」
ヒロコ:「少しだけ。でもないってわかっていた方がお互い次に行きやすいね」
僕:「そうだね。」
ヒロコ:「これ、最後に手紙書いたよ」
僕:「おもろい。俺も実は書いた。笑」
ヒロコ:「忘れたいけど、忘れられないと思う。結構好きだった」
僕:「手紙にも書いたけど、俺もだよ。元気で。子供ができてても責任は取らないから頑張って。笑」
ヒロコ:「それだけは心配。笑 でも大丈夫。」
僕:「バイバイ」
そこで、別れてから人生でもう会う事はなかった。
連絡もたまにしていたが、オーストラリアで現地の人と結婚したみたいだ。
アメリカではたくさんの人と出会って、付き合って好き放題してきたがレイを超える感情にはならなかった。
まだ少し時間かかるかなと思ったが、もう立ち直っていたので日本に帰って新しい生活を始めようかなと思い出していた。