転機:もう無理
カナは自分の順位がレイとエミに次いで3番目と言うのに気づいていた。
カナのしたいデートをして一瞬だけ機嫌は直ったが、根本的なところの解決は何もしていない。
その後も連絡が遅かったり、事前に何をするのか伝えていない状態で連絡を返していないと狂ったように連絡をしてきていた。
元々メンヘラと呼ばれる人は好きだが、カナは段々と自分を制御できず気持ちをぶつける事がエスカレートしていった。
カナ:「一緒に暮らさない? お金は私がどんな事をしても稼ぐから」
僕:「ごめん、それは難しいかな」
カナ:「分かった。何か欲しいものは?」
どんどん身体や身の回りのもので機嫌を取ろうとするカナを可哀想に思う反面、都合の良い相手と感じていた。
お金がない学生時代で欲しいものや生活費の全てを出してもらっていた。
どうやってお金を稼いでいたのかは想像できたが、そこには敢えて触れなかった。
リアルに感じてしまった時に自分がどう思うのか、きっと他の人とは違う感情なんだろうと思い、それを感じたくなかった。
もちろん、面倒な感情を抱きたくなかったというのもあり、もしその話をしても良い方向にはいかないと思ったからだ。
そんなある日、事件が起きた。