表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/23

17.新キャラ

また伽奈日常に新しい人が関わる事になり…

「明日はバイトだから帰り遅いよ」

「迎えに行こうか?」

「バスで帰るから大丈夫」


夕食を食べ終え店で残ったゼリーを食べながら明日の予定を話していた。そう明日はピザ屋のバイトの日。

まだ虎谷の若様の付きまいに不安ではあるが、バイトはいかないと。それに例の地下通路を使えば遭遇しないし、隼人の家からバ先はとても近い。帰りも徒歩を止めてバスを使えば大丈夫だろう。


「明日から登校時隼人君では無く別の子が付添うからね」

「別の子?」


おばあちゃんはそう言い湯のみを持って部屋に戻って行った。それだけ?詳しく話してよ。それより


『明日は隼人来ないんだ…』


あの不機嫌な隼人を見なくていいと思うとホッする。少し気分が浮上した私は残ったゼリーを堪能。するとお店を閉めたお父さんとお母さんが戻ってきた。そして食べながら今日あった事を話していると


「静子そんな話をしたの⁈恥ずかしい」

「そんな事あったな~」


学生の頃の話を聞いたとお母さんに言うと恥ずかしがり、微笑ましい昔話にお父さんは優しい視線をお母さんに向ける。本当にウチの両親は子供がはずかしくなるくらいラブラブなのだ。ふと隼人のお父さんの事を思い出し、おばあちゃんとなにかあったのか聞くとお母さんが表情を曇らせた。そして廊下奥のおばあちゃんの部屋を見てから小声で…


「隼人君のお父さんは私の影でね、私の結婚相手の有力候補者でおばあちゃん推していた人なの」

「!」


思わず大声を上げそうになり両手で口を塞いだ。ここからお母さんが隼人の両親との関係を話してくれた。

隼人のお父さんは(かける)さんと言い同じ年で高校3年間同じクラス。おばあちゃんと違い獣人や妖の執着は薄く、影と言ってもクラスメイト以上の付き合いはなかったそうだ。そして高校卒業が近づいたある日。正式におばあちゃんからお見合い相手だと紹介される。しかし…


「駆くんは好きな人がいたし、私はお見合い結婚は嫌だったから断ったの。それにね…」


お母さんはそう言い頬を染めてお父さんを見た。どうやら高校在学中からお父さんが気になっていた様で多分お父さんも。そして卒業後に詳しくは教えてくれなかったが、おじさんが仲介し2人は付き合い結婚に至った。


「力が弱いとはいえ巫女の血を引く私に、一族の人達はそれなりの血筋の男性と結婚して欲しかったみたい。それなのにお父さんとの仲をもった駆くんを、おばあちゃんはあまりよく思っていないのよ」


そう言いお母さんは視線を落とした。そんなお母さんの手を握ったお父さん。少し顔色が良くなったお母さんが、曽祖母との確執を話してくれた。曽祖母は歴代の巫女の中でも女傑と言われ、気が強く一族で絶対的な発言力を持った人だった。

そして力が弱い上に従わないお母さんにきつく当たったそうだ。


「お母さんが守ってくれなかったら、私きっと自殺していたわ」


気のキツイ曽祖母だがおばちゃん方が巫女の力は強く、色々あったが最後はおばあちゃんが味方になってくれた事で、お父さんと結婚できたとお父さんが話す。


その話を聞き一番辛い思いをしたのがおばあちゃんだった事を知る。おばちゃんは力が強かったせいで好きな事も出来ず、結婚相手も選べなかった。その上娘は好きにして母親から叱責されるし…


『私なら全部放棄して逃げそうだ』


つくづく巫女の血を継いだ事に何とも言えない気持ちになる。そしてふと思いついた事をお母さんに聞いてみる。


「明日から隼人では無く別の子が付添うらしいけど、影って何人もいるの?」


そう言うとお母さんは首を傾げた。お母さんの時は他の役割の人は沢山いたらしいが、影は駆さんだけだったと話す。

結局明日の付添い(新キャラ)は分からず、取りあえず機嫌の悪い隼人じゃないから良しとした。

食事終えたお母さんが片付けだしたので私は部屋に戻る。

ベッドに寝転がりSNSをチェックしていたら、隼人からメッセージが入る。


『既に綾子様から聞いていると思うが、明日の登校から別の者が付く事になった。俺は獣人に目を付けられたので暫く離れる。フラフラせず周囲に気を付けろ』

「あんたは親か!」


思わず突っ込んでしまう。誰が来るのだろう…知っている人だろうか? 気になり寝付けず寝不足のまま朝を迎えた。


「伽奈。お迎えが来たよ」

「えっもう?」


洗面所で身支度をしていたらおばあちゃんが呼びに来た。お迎えって付添の子? 急いで荷物を持ち玄関に行くと…


「神田さん?」

「おはようございます。今日からお仕えします。神田茉祐(まゆ)と申します」


そこには同じクラスの神田さんが立っていた。戸惑う私におばあちゃんが神田さんとの関係を話す。

神田さんの家は雅の弟の血筋で、獣人と妖の動向を知らせる役目があり、知らなかったがウチの近所に住んでいた。1年の時も同じクラスだがまともに話した事も無い。


「神田家は数代前に妖と縁組があり、生粋の人では無いの。しかしウチの協力者で妖の特性を生かし情報収集をしてくれる家よ。信頼できる一族だから安心しなさい」

「はぁ…」


また新しい情報に戸惑う。新キャラの神田さんは悪くいえば平均的アベレージガールで目立つ事は無いが、陰キャや陽キャとも仲が良く人当たりいい子だ。殆ど接点が無くそれ位しか情報が無い。


「表舞台に立つことのない我家が、稀衣家のお役に立てる事に祖父母始め一族で喜んでおります。必ず伽奈様を…」

「ごめん。神田さん突然すぎて気持ちが付いて行かないわ。今まで通りに接して欲しいよ」


そう言うと神田さんはおばあちゃんを見る。おばあちゃんが微笑むと表情を緩めた神田さんは


「じゃぁ伽奈の希望通りいつも通りで」


そう言い微笑んだ。そして時間になり神田さんと一緒に学校に向かう。道すがら神田さんから色々話を聞くが、知らない事だらけで驚きの連続だ。どうやら神田さん以外に同じように、ウチに縁のある家の子供達が同じ高校にあと数十人弱いるそうだ。そして学校近くまで来ると


「急に仲良くなると目立ってしまうから、私が伽奈さ…伽奈と同じバイト先で働く事になって、仲良くなったといシナリオを立てました。私も今日からラッキーピザでバイトするので、宜しくお願いします」

「はぁ?マジで!」

お読みいただき、ありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


『いいねで応援』もポチしてもらえると嬉しいです。


Twitter始めました。#神月いろは です。主にアップ情報だけですがよければ覗いて下さい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ