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最強賢者のドラゴン転生  作者: 聖座
第一章 覚醒魔王編
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第二話 冒険者の街ダイス

旅をすると言っても人間の姿になるのは今の段階では不可能だ。

まずは人間にこちらに来てもらうことにする。


どう言うことかと言うと、幸いな事に近くには冒険者の街と呼ばれるダイスがあるので、今まで隠れて生活してきたが、討伐依頼が出されるように表に出ようと思う。

早速実行する。


森の浅いところに薬草採取に来ていた新人冒険者三人組に狙いを定め竜の咆哮で場所を知らせた。

すると、一目散に逃げていく。


これで大丈夫だろう。

これから冒険者達が来るだろうからそこで情報収集をし、限界が来たら別の街に向かう。


数分後すぐに上級冒険者と思われるグループがやってきた。


「おいおい、マジかよ。本当にいたのかよ、成竜(エルダードラゴン)


「ほ、本当にこれ成竜なの…?」


「どうした?アイン」


「いや、体は成竜なんだろうけど、闘気が古竜(エンシェントドラゴン)級…いや、それ以上かも」


「っ!?本当なのか!?」


「ええ、これは不味いわね」


俺の事を警戒しつつ撤退しようと後ろに下がっていく。

だが、ここで俺が声をかける。


「待て、話がしたい」


「な!?おい!アイン、成竜は喋れるのか!?」


「い、いや少なくとも古竜になってからだと…」


「じゃあ古竜なのか!?こいつは!?」


「わ、わからないわ」


「落ち着け、我に戦う意志はない」


「ほ、本当ですか?」


「うむ、話がしたいだけだ」


三人がヒソヒソと何かを話し始める。

そして、覚悟を決めたようで、自己紹介を始める。


「俺はアルっていうんだ。一応このパーティーのリーダーだ」


「俺はギル」


「わ、私はアインです」


「うむ、我はギウス、見ての通り竜だ。ただ、まだ数年前に

生まれたばかりの赤ん坊なのだがな」


「う、うそ…この強さで赤ん坊なの?」


「まぁ、我は少し特殊なのだ。で、本題に入るのだが何か最近気になる事とかあるか?」


「気になる事…ですか」


「それなら、最近魔族が復活したって言う噂を聞いたぜ。なんせ魔物が活発化してきているからな」


「ふむ、魔族か…奴らは非道な殺戮者達だからの」


「でも、下級魔族らしいぞ」


「魔族なら下級でも今の人間を蹴散らすことなど造作もないだろう」


昔ならば逆に袋叩きにされているだろうな。

生活が豊かになっていくにつれ争いが減り、魔法技術も衰退してきているらしいな。


「げっ、そんなに強いのかよ」


「そ、その…ギウス様は何が特殊なのでしょうか?どうやって強くなられたのか是非、聞かせてはくれませんか?」


「うむ、いいだろう」


俺は前世にやっていたトレーニング方法を教えた。

前世は賢者と言っても格闘術や剣術も心得ていた。


今の魔法技術なのだか、魔法使いは全て杖を持っている。

これは誰でも詠唱なしで魔法を発動出来るが、魔力変換効率が悪すぎる。


ただ無駄に魔力を消費するだけだ。

それなら自分で無詠唱魔法を覚えた方がいい。


なので俺はアインには無詠唱魔法を教えた。

次にアルとギルだが、剣術や格闘術はそこまで衰退しているようには思わなかった。


しかし、問題は人間の方で戦闘技術がど素人なのだ。

言い方を変えれば経験さえ積めれば強くなるということだ。


早速俺が2人まとめて相手をした。

これは俺にとっても有意義な時間となった。


日が暮れ始めアイン達はダイスへ帰っていった。

俺も洞窟へ帰る。


俺が洞窟の入り口に着いたとき魔物の気配がした。

その気配はただの魔物ではなく上位の存在の気配だった。


俺は警戒しながらその姿を確認する。

するとそこにはフードを被った髪の長い赤毛の女性が立っていた。


「あら、本当にいたのね。竜が」


「お前は誰だ?」


「ふふ、私はリア。エルダーリッチよ」


「ほう、エルダーリッチか。で我に何の用だ」


「ただ魔王誕生の予感がしたの」


「魔王だと…?」


「人間達は魔族の王が魔王だと勘違いしているみたいだけど魔物であれば誰だって魔王になれるの、でもその道のりは険しいけどね」


「魔王誕生とはどう言う事だ」


「さぁ、私にも分からないわ。ただそんな感じがするだけ」


「我の所に来る理由はなんだ」


「私の勘では貴方こそが魔王になる存在なんじゃないかって言ってるの」


「我が魔王だと…?」


「えぇ、貴方竜だけど竜じゃないでしょ?」


「…どう言う事だ」


「いえ、何でもないわ。それよりしばらくこの辺に居ることにするわ」


俺は突然言われたことに戸惑っていた。


「(この俺が魔王になる存在…?)」









* * *


「(あぁ〜…あの逞しい体、やっぱり竜はいいわね…いつかあの竜を私の物に)」


エルダーリッチはフードを深く被り紅潮した顔を隠した。

一方その頃俺は身震いをしていた。


「(な、何だ…さっきの悪寒は…?)」


俺は少し警戒しながら体を丸めて眠りについた。

それから数年が経ち、アイン達三人は毎日俺の元へ通っていた。


この三人は今の人間の中ではトップクラスの強さになっているだろう。

そして、アインに聞いたのだが俺は冒険者達の間で魔王竜と呼ばれているらしい。


なんでも、エルダーリッチのリアが俺の事を魔王様と言っていたのを聞いた冒険者がいたらしい。


「(本当、何やってんだあいつは…)」


リアとは数年過ごしただけあってそれなりに仲良くはしている。

最初会った時はクール系かと思ったが一歩踏み込めばとんだど変態でポンコツだった。


最近は俺が寝ている間に体を擦り付けてくる。

もう俺は彼女の変態具合に呆れさせられるばかりだ。


だが、物事のメリハリが良く出来ており、まさに王の側近のような存在だった。

俺はもうこの街で得られる情報も全て得たのでまた違う街に行こうと思う。


アイン達はこの街にとどまるそうなのでここでお別れだ。

リアはもちろん着いてくる。


次に行く街は王都だ。

アイン達によればこのカース大陸には三つの国があり俺がいる国はアース王国でその北側にベテル帝国があり、東側には神聖国家オリオンがある。


そしてカース大陸の外には魔大陸があり、両大陸の間に竜の都があるとされている。

魔大陸には国は存在しておらずただ強力な魔物達が蔓延っているらしい。


そして、俺が次に目指す街はこの国の王都、王都グラムである。

俺はこの数年の中で人化する事ができるようになった。


これでやっと街の中に入る事が出来る。

街の中が昔とどう変わっているのか楽しみで仕方がない。




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