表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強賢者のドラゴン転生  作者: 聖座
第一章 覚醒魔王編
1/4

第一話 転生

俺の名はギウス。

前世は魔法を極めた賢者だった。


己の限界を感じ、転生魔法を使ったのだが何と竜に転生してしまった。

だが、種族の壁を越えた事で更なる成長が見込めると考えると成功したとも言える。


竜は生まれた頃から一人で生きていかなければならない。

そのため俺は先ず自分が生まれた卵の殻を食し、寝床を探しに行く。


寝床は案外すぐに見つかり生まれた所から北へ真っ直ぐ向かった山脈の洞窟だ。

俺が生まれた森は食料が豊富にあり、麓に下りれば食料に困る事はまずないだろう。


それに魔力感知、生命探知を使っても今の俺以上に強いものはいない。

そもそもこの体の魔力量は前世の俺の約半分以上のものなのだ。


そうそう俺より強い魔物は出てこないだろう。

少し休む前に自分の体の構造などを理解する必要がある。


まず、自分の外見だが、色は黒で体長1メートルくらいだ。

体の構造は基本的には他の竜と同じで四本の手と足があり背中には翼が生えている。


しかし、他の竜と違うのは体の構造が人間に似ている。

どう言うことかと言うと、二足歩行ができ、空中でホバリングする時他の竜は体が地面と並行になるのに対し俺は空中に立っているような姿勢になる。


そのため、翼の可動範囲も広い。

これは人間から竜に転生した影響だと俺は考えた。


この体は戦闘に特化している。

これなら前世では敵わなかった宇宙にいる聖座にも届くかもしれない。


俺はまず前世の力を取り戻すべく、修行を開始した。

自己流の修行方法で魔力量と魔力操作を伸ばす方法として瞑想をする。


その間に魔力を身体中に巡らせ、血管とは別の魔力回路に負担をかけていく。

そうすると魔力量も魔力操作も伸びていく。


そうして修行を始めてから五年がたった。

俺は体長15メートルまで成長し、いわゆる成竜と呼ばれるまでになった。


力も前世の俺を遥かに凌ぐレベルに達している。

そのため俺が住んでいる洞窟のある山脈と付近の森は全て俺の領域となった。


しかし、ある日俺の魔力感知に膨大な魔力を有した魔物がひかかった。

それは俺の元へ真っ直ぐに向かってくる。


その魔物は竜だった。

俺よりも更に大きく強そうに見えるが実際戦うと、俺の方が強いだろう。


「竜王様がお呼びだ、ついて来い」


竜王か、名前の通り王なのだろう。

是非とも会ってみたいな、そしてどの程度の強さなのか確かめる必要がある。


「うむ」


俺は案内されるがまま飛んでいく。

因みに飛んで移動するときは他の竜と同じく体を地面と並行に飛んでいる。


しばらく飛んでいると急に前の竜が上昇し始めた。

そして雲の上にいくと、浮遊島があった。


周りには竜が沢山おり、まさに竜の王国だった。

そして、俺はその中でも一際大きい建物に通された。


竜が入れる大きさなだけあって相当でかい。

しばらく歩くと更に大きい場所に着いた。


そして、目の前には竜王と思われる竜がいた。

これは今の俺では敵わないだろう。


「皆、一度席を外してもらえぬか」


「しかし、竜王様…」


「頼む」


「了解しました」


そしていきなり2人きりにされた。

勿論俺には何がなんだかわからない。


「お久しぶりです。お師匠様」


「…?」


「覚えてらっしゃらないのですか?私は大賢者ギウス様に稽古をつけてもらった子竜ですよ」


「…その目の傷は…あぁ!ギデオンか!懐かしいな、ここまで大きくなっていたとは。して、何故俺だとわかった?」


「今はそのようなお姿をされていますが、魂そのものは何も変わっておりません故、お師匠様だとわかりました」


「そこまで成長していたとはな。しかし、お前もだいぶ出世したようだな。こんな大層な身分に就いて」


「えぇ、毎日とても忙しく、皆に助けてもらってばかりですよ」


「そうか、呼び出した理由は俺に会うためか?」


「それもあるんですが、自分の領域を持った成竜は竜王に挨拶をするという決まりがあるのです。しかし、それがお師匠様なら必要ないですね」


「じゃあ特に用は無いんだな?」


「まぁそうなりますね」


「じゃあちょっと手合わせ願いたいな」


「手合わせですか…?よろしいのですか?」


「あぁ、と言っても今の俺じゃ敵わないがな」


「そんな…お師匠様はとてもお強い方です」


「まぁいい、どこか手合わせできる場所はないのか?」


「でしたら、こちらに。案内します」


「おいおい、お前が案内するのは不味いだろう。お前の部下に何言われるかわからんからな」


「そうですね、エラルド」


「はっここに」


「あの者を闘技場に案内せよ」


「かしこまりました。では着いてきてください」


そう言われ、大人しく着いていく。


そうすると、王城ほどでは無いが相当でかい建物の中に通され、向かい側からギデオンが歩いてくる。

いつの間に広まっていたのか観客がいる。


そして、色々聴こえてくる。

何故俺ではなくあのガキが竜王様と戦えるのか、あいつは身の程を弁えていない竜族の恥だとか。


だが、それも戦闘が始まってからは聞こえなくなった。

それほど俺とギデオンの戦いは白熱したものだった。


昔はギデオンから始めていたが今はそうはいかないので俺から行く。

俺は後ろ足で立ち上がり翼と魔法を使って距離を詰め、顔面に一発殴る。


しかし、あまり効いていないようで反撃をしてくる。

それは予想の範囲内なので普通に避ける。


俺は距離をとり得意な魔法で体を強化する。

雷魔法で強化したため帯電している。


ギデオンは炎魔法で強化し、炎を纏っている。

その姿は竜王に相応しく、立派なものだった。


ここからが本番というもの、俺達は観客には見えない速さで移動し、戦っていた。

そのため観客達は様子が分からずただ静寂に見守っていた。


そして、数十分後、結果から言うと決着はつかなかった。

2人ともかなり体力を消耗し2人同時に降参したのだ。


観客達は竜王と引き分けた俺に歓声を送る。

そして竜王には労いのような優しい歓声だった。


そして、俺はギデオンにまた会おうと言い、家に帰った。

今日はギデオンと戦うことができ、良かったと思う。


これからもどんどん強くなるためにはこう言った経験が必要になるだろう。

俺もそろそろ旅でもしようかな。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ