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第8話_カイトの傷跡

旅館の作業着を借りたシルフィーは、カイトの背中を流そうと、先にお風呂で待つことにした。


これは恩返しよ。何も邪なことなんて考えてないんですから。

「カイト、こちらにいらしてくださる?」


浴場のイスに座ったカイトの背中をみると、そこには大きな傷跡があった。既にふさがっているが、刃物で抉られたような痛ましい傷であった。


あまり詮索してはいけれないことかもしれないですわね。誰にも聞かれたくない事の1つや2つありますものね。


カイトの背中を流しながら、そんなことを考えていると、お昼に話していた隷属の魔法薬のことが頭をよぎった。


「ねぇ、カイト、お昼にゲンタさんがお話をしていた隣国フェアリナイト事件の話なのですけれども、教えていただいてもよろしくて?」


「少し込み入った話になるでしょうからお互いに入浴を済ませた後にお話ししますね。お嬢様もお疲れでしょうから、私が体をきれいにして差し上げますね」


カイトは妖艶で色気たっぷりな顔で笑ってシルフィーに手を差し伸べた。


「え、え、それは恥ずかしすぎて困りますわ。」


「大丈夫、さぁお手を」


シルフィーが手を握ると、カイトは目を瞑り呪文を唱えた。

「クリーンナップ!私とお嬢様の体を清潔にしたまえ!

これで大丈夫。一緒に入浴しましょう!」


「ま、まほう??え??」

この世界で魔法はとても貴重なもので、王族のみが使えると言われている。


「きちんとお伝えしたいこともありますから、まずはゆっくり体を温めましょうか。」


カイトはシルフィーに浴衣を着替えるように促すと、自分も浴衣に着替えた。


「作業着も良かったですが浴衣も似合っていますね。では一緒に入りましょうか。」


カイトはひょいとシルフィーを抱き上げ、広い温泉につかると、自分の膝にシルフィーを座らせ、後ろからぎゅっと抱きしめたのであった。


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