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それじゃあまた、五分後に  作者: ツナ缶
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1 女子高生

 思い付きと勢いと若い頃からの持て余してきた衝動で書き切りました。全3編で構成された短編集です。

 


 最後に聞こえたのは、誰かの悲鳴、だったと思う。

 思う、だなんて、我ながら曖昧だ。でも、わたしが一番、自分の身に何が起こっているのかさっぱり把握できていなかった。


「……あれ?」


 声を出して、声が出せることに、疑問を持つ。わたしは自分の二本の足で立って、自分の二つの掌を見つめて、首を傾げる。

 五体揃っていなければできない一連の動作に、どうしたって、疑問が生まれる。


「今……わたし、死んだよね」

「ええ、死んだわ」


 呆然と口にした呟きに、そんな断言を返す人がいるなんて思っていなかった。驚き、顔を上げる。

 視界には、見慣れた光景が映っている。駅の、見慣れたホーム。見慣れた電車。見慣れた、人の波。いつも通りの、見慣れた光景だ。

 そのたくさんの人たちが、みんなで一斉に()()()()()()()()()をしているみたいに、一つの方向を見たまま、身動きすらしないで固まったままじゃなければ。


「何……これ」

「ちょっと、下を向いてもらえるかな」


 混乱した頭にもしっかりと入ってくる可愛らしい声に釣られて、視線を下げる。

 黒い、丸々とした瞳を持つ女の子が、わたしを見つめていた。


「ごめんなさい。唐突過ぎて何を言っても理解に時問がかかりそうだから、要点と結論だけパパッと言わせてもらうね」


 次に目に飛び込んできたのは、朝焼けの眩い白すらも跳ね除ける、漆黒の長い髪。その髪は、彼女の小さい体よりも、少しだけ短い。

 足首まで伸ばした黒髪を携えた見覚えのない女の子が、私を見上げている。

 黒い髪とは対照的な、真っ白な長袖のワンピース。胸元に添えられた水色の紐飾りだけの質素な服を着た女の子。

 ……おかしい。変だ。今のこの状況も、目の前の女の子も。髪を胸の辺りまでしか伸ばしてないわたしですら……もちろんわたし自身が物臭なせいもあるけれど、髪の管理を億劫に感じてしまうのに。

 ここまでの長さは、現実ではありえない。伸ばすだけならまだしも、こうまで美しく維持などできるのだろうか。

 現実的では、ない。目を疑うような光景ばかりが広がっていて、眩暈がしてきた。


「あなたは死んだ。今は止まってるからわかり辛いかもしれないけど、大騒ぎになっているあそこ、電車の先頭部分に、バラバラになったあなたの肉体がある。ああ、見に行かない方がいいよ。私も、見るんじゃなかったって思ってる」


 そう、本当に気分を害したかのように、げんなりとした様子で口にする女の子。見た目に似つかわしくない整然とした口調のせいで、より一層現実味のなさを覚える。

 でもたとえ。誰が口にしたところで、その言葉の内容には、一つだって納得はできない。


「わたしが、死んだ……?」


 オウムのように繰り返す私に、女の子は、微笑んだ。

 ……微笑まれるような質問なんて、していないのに。


「人にはね、死ぬべき瞬間というものが予め決められている。あなたたちの認識では神様って表現が一番わかりやすいだろうから、神様って呼ぶけど。その神様が決めた瞬間に、人は死ななければいけない」


 その微笑を携えたまま、女の子が近づいてくる。


「でもたまに。そういった、神様の決めた瞬間じゃない、()()()()タイミングで死んでしまう時があるの。あなたは、そういった間違いで、死んでしまった」


 ごめんなさいね、なんて。軽い調子で、口にされる。


「だから、私が来たの。そんな間違いで死んでしまったあなたへのせめてもの償いとして、五分間だけ、あなたの願いを叶えてあげる。五分間だけ、あなたが見たかった光景を見せてあげる」


 女の子はわたしの手を取り、自身の両手で握り締める。

 まるで、神様に折りを捧げるかのような。そんな、清廉な動作。


「だからどうか、それで納得して……死んでいってくれないかしら?」



 いつも、朝は食欲がない。何かを食べる暇を作るぐらいなら、一分でも長く寝るか、一分でも好きな音楽や動画を見てから、家を出たいからだ。

 いつものように、顔を洗って身だしなみを整え、制服に着替えたのが二十分ぐらい前。わたしは家を出るギリギリの時間までパソコンの前に座り、音楽を聴いていた。手には「いいから何かは食べなさい」と毎朝渡される菓子パンを持ち、パソコンの画面を見ている。


「……やば、電車に遅れちゃう」


 画面の右下に表示された時刻を見て、わたしは慌てて菓子パンをロの中に放り込んだ。もぐもぐと咀嚼しながら、鞄を肩にかけ部屋を出る。


「もう。またそうやってだらしなく食べて」


 玄関までやってきて尚、ローファ一を履きながらもロを動かすわたしの姿を見て、お母さんがムスッとした顔を浮かべながら声をかけてきた。

 だからわたしも、似たような顔でムスッとして返す。


「いいじゃん。ちゃんとご飯は食べてるでしょ」

「せっかくお父さんとお兄ちゃんの分の朝ごはんも用意してるんだから、一緒に食べて行けばいいのに」

「二人ともわたしよりずっとゆっくり出ていけるから、時間的余裕あるもん。いってきまーす」


 何度目かもうわからない小言をいつもの調子で聞き流し、わたしは玄関の扉を開け、家を出る。

 別に、みんなで一緒に朝ごはんを食べるのが嫌なわけではない。年が離れたお兄ちゃんとも仲は悪くないし、お父さんも尊敬している。ただ、朝は脳にも時間にも余裕がない。

 わたしが通う学校は、お父さんやお兄ちゃんの職場よりもずっと遠い駅だ。二人は地元の会社に就職しているから、家を出る時間はわたしよりも余裕がある。一緒に朝ごはんを同じテーブルに並んで食べていたら遅刻確定だし。

 それに今日は、心情的にも、誰かと円満に話す余裕はなかったのだ。


「見て、くれてるよね……」


 早足で駅へと向かう道すがら、不安がロから漏れてしまう。小声でも、ロから出た言葉が周囲の誰かに聞こえてやしないかとヒヤリとしたが、わたしと同じように早足で向かう人たちの誰にも間こえていなかったようだ。

 安堵と気疲れからのため息を吐いて、わたしは足を運ぶスピードを速めていく。逸る気持ちは、早く電車に乗りたいからでもない。


 告白を、する。好きな人に、好きだ、と言う。


 その覚悟を決めたのは昨日のお昼頃で、行動を起こしたのは昨日の放課後だ。

 中学からの先輩で、関わったのは数える程度。中学の頃は体育祭の応援団で、高校では、一緒の図書委員として活動している。先輩と後輩の間柄を超えるようなことはなくて、一緒に遊んだことも、校外で会ったこともない。

 でも、会えばそれなりに楽しく会話できていると思うし、悪い印象は持たれてはいないはずだ。

 同じ委員会に所属しているのだから、これからもっと交流を深めていければいいなと思っていたら……いつのまにか、先輩に彼女ができていた。

 落ち込んだし、悲しかった。一晩中涙を流した、なんて物語染みた悲しみ方はしなかったけど、一時間ぐらいは泣きもしたし三日は落ち込んだ。もう諦めるべき恋だと思っていたし、希望なんて持たないようにしていた。

 それからしばらく時間が経って。昨日のお昼、先輩が恋人と別れた、という情報を耳にするまでは。

 何もしてこなかったから、後悔する羽目になった。もっと早く、先輩が誰かと付き合う前に想いを告げていれば、結果はどうあれ、そんな後悔をすることはなかった。

 その自責がずっと胸の底にあったからだろう。昨日のわたしの行動は、勢いだけの考えなしのものでもあったけど、今になっても後悔は湧いてこない。

 もうすでに校舎を離れている先輩の靴箱の中に、手紙を置いて帰ったことを、後悔はしていない。

 明日の放課後、答えを聞かせてください。なんて書いた手紙を置いたことに、後悔はないんだ。

 ……ない、つもりなんだけど。足を動かす気持ちは重い。このまま電車に乗り遅れて、そもそも電車にすら乗らず、学校もズル休みしてしまおうか、なんて気持ちがないわけでもない。

 でもそのたびに、告白すらせずに先輩に恋人ができて悲しんだときの自分が、足を後ろから蹴り上げてるような気がして。

 結局わたしの足は、電車に間に合うように前に繰り出されていく。

 このままのペースでいけば、電車に乗り遅れることはない。問題なく乗車して、学校に着いて、落ち着かない気持ちのまま授業を受けて、放課後を迎えるのだろう。そして、先輩に告白する。結果はどうあれ、わたしの気持ちには正しく決着が着く。


 ―――そう思っていたし、そうなるはずだった。そうなる以外に、ないと思っていた。


 電車がやってくるホームに、どうしてか人だかりができていた。立ち止まる人と後ろからやってくる人がもみくちゃになって、足が引っかかって、バランスを崩した。なんとか堪えて片足で踏ん張って。その踏ん張った足も、別の誰かの足に引っかかって。


 一瞬の浮遊感の後に、誰かの叫び声のようなものが聞こえて―――


 足首に届くほど伸ばした長い黒髪を持つ、現実味のない女の子に、()()()()()()()なんて、もっと現実味のないことを言われるまでは。

 なんてことのない、いつもの朝のはずだったのに。


「……何、言ってるの?」


 目に映るもの全てが動きを止めている。たくさんの人がいるのに、誰一人として瞬き一つしないし、踏み出した足を下ろすこともない。

 女の子が搔き上げた漆黒の髪が揺れる軌跡だけが、目に残った。


「……やっぱり、わかってもらえないよね」

「理解できるわけがないんだよ。人間は、自分が死にました、なんて突然言われて納得できるほど出来た動物じゃないんだから」


 小さくため息を吐いて落胆する少女の足元から、男の子のような、女の子のような、どっちにも間こえるような声が間こえてきて。


「……猫?」


 視線を下げれば、そこには、猫がいた。

 真っ黒な、女の子の髪の色にも負けないぐらい、漆黒の毛で全身を覆い、瞳は金色に煌めいている。尻尾を振り、こちらを見上げる姿はどこからどう見ても何ら変哲もない猫、だけど。


「ほら見てよ、この何も理解できていませんって言わんばかりの表情。無理もないことだけど、こうまで緊張感のない顔をされるとこっちも張り合いが持てないってもんだJ


 しっかりと小さなロを動かし、わたしを見て……喋っている。発音がすごく滑らかで、言葉も達者だから、違和感ばかりが先走ってうまく現実を認識できない。


「失礼なことばっか言わないの」


 もう、と。悪戯好きの弟を叱るお姉さんのような口調。女の子はまた小さくため息を吐いて、足元に寄り添っていた猫に手を伸ばす。

 真っ黒の髪の毛に覆われた女の子が、真っ黒な黒猫を抱きかかえている。

 見慣れた色でしか構成されていない光景なのに、まるで現実味がなかった。


「ごめんなさい。この子、悪気はないの。思ってることをそのまま言っちゃうというか……」

「……いいよ、別に」


 申し訳なさそうに頭を下げようとする女の子を、片手を上げて制する。

 ……そう、上げることができるのだ。死んだ、なんて突然言われても、わたしの体は今まで通り自分の意志で動かせるし、どこも怪我なんてしていない。だから、どれだけ丁寧に説明を受けたところで、理解なんてできそうにない。

 でも、だからといって。誰もがある一定の方向に視線を向けて身動きを止めているその先を、確認しに行くこともできなかった。


「わたしは、本当に……死んだの?」

「ええ」


 女の子が、それどころか、抱きかかえている猫までもが一緒に頷いて、肯定した。


「紛れもなく、嘘偽りなく。あなたは、死んだ。体は飛散し、あなたの魂が戻る場所ない」


 淡々と、冷徹に。それでも、黒い瞳はわたしをしっかりと見つめている。


「元より予定のない死だからこそ、あなたは恨みや不満をいくらでも言ってもらえて構わないわ。むしろ、あなたにはその権利がある」

「生き返らせろ、なんて言われても無理なんだけどね」


 おどけるように口にした小さな額を黒猫を、女の子は指先でトンと突いて黙らせる。


「だからせめてもの……本当にささやかなものだけど。五分間だけ、あなたのどんなお願いも叶えてあげる」

「五分間だけ……どんなお願いでも?」


 聞いた言葉そのままに返すようなわたしの質問に、女の子は微笑んで頷いた。


「ええ。たった五分間だけ……短いでしょうけど、それが限界なの。でもその代わり、どんなことだって叶えてあげるわ」


 どう? と、女の子は依然としてその微笑を崩さないまま、問いかけてくる。


「だから、教えて。たったの五分間だけれど、せめて、あなたの最後を彩るために、どうか」


 そう言って差し出される、女の子の小さな手のひら。わたしは、その伸ばされた五指を、じっと見つめる。

 ……正直に言えば、全然頭は追いついていない。そもそも追いつけるわけがない。突然、あなたは死んで、その代わりに五分間だけどんな願いを叶えてあげる、なんて言われても理解が追いつけるわけがない。

 でも、なんだろう。受け入れるわけでは決してないんだけど。

 ……この手は、取ってあげないといけない気がした。

 この手は、私が取ってあげなければ、きっと力なく下ろされて、終わる。ただそれだけのことなのだろうけど。

 ……救いの手を系し出してるはずの女の子の方が、誰よりも助けを求めているようにも見えて。

 わたしは右手をゆっくりと動かして、女の子の手のひらを載せる。ふにっとして、同じ女の手のはずなのに、ずっと柔らかい。


「……告白、しようと思ってたの」


 わたしの言葉の突拍子のなさに驚いたのか、女の子の体が一瞬だけ強張る。


「放課後の屋上に呼び出して……そこで、告白するつもりだ った」


 つもり、だった。結果じゃない。わたしの中にしかない意志の話だ。

 このホームにやってきたわたしの中には、その決意は確かにあった。


「五分間だけだって言うなら、先輩に、ちゃんと告白させて」


 五分という時間がどれだけ長いのか。どれだけ短いのか。意識して計ったことがないから あんまりピンとこないけれど。

 すでに覚悟は胸にあるのだから、想いを伝えることぐらいは、できるんじゃないだろうか。


「……それが、あなたの願いなのね」


 瞼を閉じて、女の子が呟く。小さなロから漏れたその言葉は、確認というよりも思わず零れたかのような、驚きが混じっているようにも聞こえて。


「いいわ。それがあなたの願いなら、私は全力でそれを叶えましょう」


 彼女の小さな指先が、わたしの手を一度だけぎゅっと握り、離される。

 手のひらが向けられて、軽く、じゃあね、なんて言うかのように手を振って。


「―――それじゃあまた、五分後に」


 その言葉が耳に届いた瞬間に、わたしは、オレンジ色の光に目を細めた。


「……え」


 驚いた、というより意味がわからなくて呆けるわたしの口から、そんな間の抜けた声が漏れる。

 瞼を閉じても突き抜けてくる夕日の眩しい光。制服を超えて感じる暖かさは、陽の光そのもので。


「……屋上、だよね、ここ」


 思わず口から零れた言葉。信じられない、というより、ついていけない展開だ。さっきまでわたしは駅のホームにいたはずなのに。今はこうして、しっかりと学校の屋上に立ち、夕日の光を浴びている。


「五分だけ、願いを叶えてくれるって言ってたけど……」


 先輩に告白したいと、わたしは願ってみせた。そして今、屋上に立っている。

 今日の放課後、先輩を呼び出そうと思っていた、夕焼けでオレンジ色に染まった屋上に。


 ―――なら、この後は、きっと。


「……ごめん、待たせちゃったかな」


 屋上と校舎内を繫げる扉が開き、優しい声色が聞こえてくる。本人は気にしているけれど、年の割には低めの声は、わたしの耳に届いて、一瞬で緊張が胸の中で暴れ回る。


「時間指定がなかったから急いで来たつもりだったんだけど、今日は日直で……待たせてしまっていたら、本当にごめんね」


 夕日のオレンジ色が彼を、先輩を照らす。苦笑いを浮かべる先輩の姿は、これまで何度も話したことのある先輩そのままの姿で。


「……いえ、少しも待ってないです」


 本当のことだから、わたしの口は緊張しながらも滑らかに動いた。わたしの返答を聞いて、先輩はホッとしたように口元を綻ばせる。

 悪く言えば、なよっとした。良く言えば、人懐っこさを感じる柔らかい笑顔を浮かべる先輩の姿は、わたしが幾度となく脳裏に描き、この瞳に捉えてきた姿そのものだ。

 物腰が柔らかくて、向かい合うとホッとして。だからこそ、安心して、一緒にいると気持ちが安らいだ。

 その安堵の気持ちが、いつのまにか、好きになっていたのだ。


「……こちらこそ、わざわざこんなところまで呼んで、すみません」


 言葉と共に頭を下げて、その間に、大きく息を吸う。大丈夫だ。気持ちはもう、とっくに固まっている。

 あとは、この固まった気持ちを、そのまま口に出していくだけ。


「好きです」


 いくらなんでもそのまま出し過ぎだろうと、後悔が全身を駆け巡ってしまう。でも、口にしてしまった言葉に、一欠片だって嘘はない。


「ずっと、先輩が好きでした」


 全然、まるで、少しもスマートにはできない。こんな短い言葉でも、簡潔に言っても、声は上擦っているし。スカートごと太ももを押さえこんでも、足だってみっともなく震えている。

 でも、目だけは、視線だけは逸らさないで、もう一度口を開けた。


「いつからとか……そういう、具体的な時期って全然わからなくて。たぶん、最初から。ずっと先輩のことを目で追っていて……好き、でした」


 わたしの告白に驚いてくれている先輩の目を見ながら、言葉を吐く。


「先輩に彼女ができて、ショックだったけど、でも……今も、変わらず、ずっと、好きで……」


 気持ちをそのままロにしていっても、わたしが持ち合わせている気持ちなんてたった一つで。これじゃあ、ただの繰り返しだ。


「……ずっと、好きでした」


 何度も繰り返した好きという言葉を最後に、わたしは口を閉じる。

 あまりにも不恰好で、少しもスマ一トじゃない告白に今更羞恥心が全身を駆け巡って、思わず、目も閉じてしまう。

 それでも瞼を貫いて差し込んでくるオレンジ色の光を眩しく思いながら、先輩が返してくれる言葉を持つ。


「……ごめん」


 短い、たった三文字の言葉。その言葉が聞こえた瞬間に、足元から崩れ落ちそうになる。


「君の気持ちは本当に、本当に嬉しいんだけど。でも、君がさっき言ったとおり……ついこないだ彼女と別れたばかりで」


 苦笑いを浮かべることもなく、ただ本当に、申し訳なさが滲んだ表情を浮かべて、先輩は口を開く。


「気持ちが嬉しいからって、だからって、君の気持ちをそのまま受け入れようとするなんて、それは とても浅はかなことだって思うから」


 崩れ落ちてしまいそうな足を、今にも涙を溢れさせてしまいそうな目を、わたしは、必死に堪える。


「だから―――」

「───その気持ちは、そのままでいいです」


 断りの言葉を吐かせないよう、肯定で覆う。


「でも、それでも……それでも、わたしは好きなんです」


 まだ、わたしはそれしか言ってない。言えていない。好きです。()()()()()()()()()()()()なんて、まだ一言だって言えてやしない。


「ずっと好きで、ずっと見てきました。だから、先輩がそんな簡単に気持ちを切り替えられなくて、わたしと今すぐ付き合うなんて器用な真似は無理だって最初からわかっています」


 ずっと見てきた。ずっと、想ってきたんだ。先輩がそんな融通の利く心を持ってないことぐらいわかっている。

 先輩だって長い間、別れてしまった彼女のことを想い続けてきたってことも、わかっている。


「そんな先輩に、今すぐ付き合って、なんて言っても受け入れてもらえないことはわかっています」


 涙を堪えて、口角を上げて、笑ってみせる。


「言いたかったんです。伝えておきたかったんです。わたしが、先輩のことを好きだって、今度は手遅れにならないように。先輩が、また誰かと付き合ってしまわないうちに」


 今までのわたしは、その場所にすら立っていなかった。先輩の持つライトが届く場所に、立ってすらいなかったのだ。


「ちゃんと、先輩に見てもらいたかったから。だから、好きですって、言いたかったんです」


 今日この日この時から、先輩の彼女になりたかったわけじゃない。なれるなら、なりたかったけど、先輩に気持ちの整理がついてないことなんてわかっていたし。

 伝えなきゃ、意識なんてしてもらえないから。


「……そっか。うん、ありがとう」


 そうして先輩は、いつもの、ささやかにはにかむような笑顔を浮かべる。


「すぐ答えを出せなくて……自分でも、浅ましいなって思うけど」


 夕焼けのオレンジ色が、先輩とわたしを照らす。その暖かな色の中でもわかるぐらいに、先輩の顔は真っ赤で。


「必ず、返事をするから、待っていて欲しい」


 告白してるのはわたしの方なのに、きっとわたし以上に顔を真っ赤にしている先輩の姿が、夕日よりも眩しく感じて、目を細める。

 聞きたかった返事が、もらいたかった返事が、わたしの声を弾ませて。


「はい。待って───」



「五分よ。これで、お終い」


 言葉にし終わる前に、何もかもが目の前から消えた。


 夕焼けに染まったオレンジ色の屋上も。真っ赤になった先輩の照れたような笑顔も。わたしの、返事も。何もかも、箒で掃き捨てるかのように消えて。

 残ったのは、薄暗い駅のホームの光景だけ。

 何も考えられないまま、首を動かして辺りを見渡す。誰もが動きを止め、一定の方向を見ている。電車も人も、ホームの端で羽を休める鳩ですら、止まったまま。


「……短く感じたでしよう。きっと、もっと伝えたかった言葉もあったと思う」


 手を伸ばして、さっきまで目の前にあったはずの先輩の、照れた笑顔に触れようとする。何も掴めない。見えていないことがわかっていても、そこにあるんじゃないかって。

 確かに、さっきまで、ここに。笑って、くれて。待っていて欲しいなんて、言ってくれて。

 一番欲しかったはずの、先輩が返してくれる最大級の望んだはずの言葉だったのに。

 今はもう、どこにもない。触れない。触れることはない。耳に届くことも、返事をすることだって、できない。


「でも、ごめんなさい。五分だけ……もうこれで、おしまいなの」


 ずっとわたしの背後で、申し訳なさそうに俯いた女の子に向けて。


「―――どうして!?」


 振り返り、叫ぶ。


「どうしてもなにも、さっきも説明したじゃないか」


 呆れたような物言いを返してくる、真っ黒な猫。

 その愛らしく円らな金色の瞳が、今はとても憎たらしく映る。


「説明した!? したからなんだって言うのよ! それで納得なんてできるわけないじゃない! 急に死んだって言われて、代わりに五分間だけ願いを叶えたって言われて、それで……はいそうですかなんて受け入れられるわけがないじゃない!」


 声を張り上げ、荒げれば荒げるほど、視界が涙で滲む。おかしい。意味がわからない。不条理だ。不公平だ。ありとあらゆる不満が、心の底から湧き出て、止まらない。


「あなただって見てたでしょう!? わたしは、わたしはっ……これからだったんだよ!?」


 あの五分間が、夢のような五分間が本当に、わたしが今日、先輩に想いを告げたその瞬間そのものなのだとしたら。先輩は、わたしの告白を受け止めてくれた。受け止めて、嚙み締めて、頭の中にわたしの想いをどう捉えるか、考えようとしてくれた。

 そこからだ。そこから、始まるはずだったのに。

 受け入れてもらうにせよ、跳ね除けられるにせよ、全ては、これからだったのに。


「先輩のことだって、家族のことだってそう! 全部、これから、いっぱい、やりたいこと だってあって!」


 突然わたしが死んで、家族は、クラスメイトは、どう思うだろうか。お母さんには反発しながら憎まれ口を叩いて、目も合わせていない。お父さんやお兄ちゃんに至っては、顔を合わせてすらいない。友達と交わした約束はどうなるんだ。先輩に告白することを知っている友達とは、週末に遊びに行こうと約束している。結果次第では慰めてやるし、うまくいったら先輩を優先しなよと笑いながら言ってくれた約束は、宙に浮いたままで。

 約束も、願いも、未来も、全部、置き去りにしたまま。

 たったの五分間で、これからをなかったことになんて、できるわけがない。


「ふざけないでよ! わたしは何も悪くないじゃない! 神様のミス? そんなので死ぬなんて嫌っ! 返して! わたしのこれからを返してよっ!」


 わたしがこれだけ叫んでも、女の子は俯いたまま顔を上げようとすらしない。わたしを負けじと睨みつけてくる黒猫を抱いたまま、身動き一つ取らない。


「おい、いい加減にしろよ、人間」


 金色の瞳が、感情を乗せていないかのような声が、わたしを黙らせようとする。


「君の人生の責任まで僕らに押し付けるなよ。ここで死ぬことは仮に僕らのせいだとしても、後悔を生み出してしまうような、後先を考えない人生を送ってきたのは君自身だろう」

「───そんなの誰だって同じでしょう!?」


 自分の喉からこんな声が出るなんて、知らなかった。

 こんな、喉が張り裂けても構わないと思えるぐらい、汚く怒りに満ちた声が出るなんて。


「みんな、誰だって、そんな高尚なことをずっと考えて生きてるわけないじゃん! 後悔のない人生を送りましょう、なんて綺麗事に決まってるでしょ! 明日も明後日も一年先も ずっと続くものなんだってみんな思って生きてるよ! わたしだけじゃないみんな! そこの男の人だって、自分が階段を駆け上がったその先でバラバラになって死ぬなんて思ってるわけないじゃない!」


 日々を生きていれば、期待は募っていくに決まっている。明日はこうしよう。明後日は何が待っているだろう。一年後は、きっとこんな未来が待っているだろうなって、突然終わりを迎えることなんて想像もしてないはずだ。頭を過ぎることはあっても、常にそんな考えを頭に置いて生きている人なんて、どうかしている。

 一秒先の死を常に予感して生きていられるほど、わたしは頭が良くないし、そんな余裕はない。いつだって、目の前のことで手一杯で。後悔をしないで生きていくなんて、できるわけがないのに。


「どうしてっ! どうしてわたしだけがあんたに責められないといけないのよ! わたし、 そんなに悪いことをした!? 普通に生きて、これから楽しいこと、やりたいこと、やらなきゃって思ってることがたくさんあって、そんなのが全部、()()()()って思って! そういう、誰でもやってる生き方をしてただけだよ!」


 もし、そんな生き方が正しくないと、間違っていると言うなら。

 正しく、間違いのない人生を送れる人なんて、いるわけないじゃないか。


「黙ってないで答えてよ! どうして、わたしだけ、こんな目に合わなきやいけないの……!?」


 震えて、嗚咽すらも混じりそうになるわたしの声に、女の子は答えない。俯いたまま、未だにわたしを睨む黒猫を抱いたまま。


「ねぇ! 何か言って───」

「───あなたの」


 沈黙に耐え切れず急かそうとする言葉を、予想していたよりもずっと力強く、鋭い声が遮る。


「あなたの、言葉を聴きたかったの」


 顔を上げた女の子の黒い瞳。吸い込まれそうになるほど、綺麗な、漆黒の瞳。

 その、まるでガラス球をはめ込んだ彼女の目元に、透明な雫が溜まる。


「私はあなたに何もできない。何も与えられない。告げるだけ。たった五分間という……ああ、本当に、本当に短い時間だけ、せめてもの慰めのように施して。それすらもきっと、あなたにとっては毒だったのかもしれないけど」


 一歩踏み出した。その振動で涙が零れ、彼女の頬を濡らしている。


「もう誰も知ることもできない。あなたのその()()を連れて行くためには、これしかないの」

「なに、を……」


 女の子の小さな手のひらが、わたしにそっと伸ばされる。

 叫び、嘆いて、いつのまにか私の瞳からも零れた涙を、彼女のしなやかで柔らかな指先が拭う。


「もっと叫んでくれていい。嘆いて欲しい。心のままに不満を吐き出して、思うがままに私を罵倒してくれたって構わない。手を上げたって受け入れるわ。一つだって聞き逃さないし、一つだって取り零さない。何一つだって、忘れない」


 真っ黒な瞳が、涙で潤ませた瞳が、わたしを見ている。絶対に逸らしてやるもんか、なんて、強い意志を滲ませてるかのような、真っ黒の瞳。


「だから思うがまま、あなたの心を、叫んで」


 わたしよりもずっと年下の姿をした女の子に、優しく微笑まれて、優しく、涙を拭ってもらって。


「───ふざけないでよ!」


 わたしの喉から出たのは、罵倒だった。

 ふざけないでと。もっと生きたかったと。もっとたくさんやりたいことがあったんだと。

 先輩と付き合ってみたかったと。フラれてみたかったと。友達に慰めてもらったり、祝ったりしてもらいたかったと。まだ将来の夢なんて確定したものを持っていなかったから、大学でそれを見つけたかったと。素敵なキャンパスライフを送りたかったと。まだまだ遊びたかったと。

 結婚だってしてみたかったと。お母さんに、お父さんにありがとうと言いたかったと。先に結婚されて悔しがるお兄ちゃんの顔を見たかったと。子どもを産んでみたかったと。立派なお母さんになってみたかったと。

 最後は好きな人と、大事な誰かと手を繫いで、迎えたかったと。

 ああ、もう、いくらだって出てくる。止まってくれない。いつだって思い描いていたわけでもないのに、今になって、鮮明になって頭の中を埋め尽くす。

 喉が痛くなるほど、胸が苦しくなるほどに、叫んで、叫んで、叫んで。

 最後の最後に、考えるよりも早く、口に出たのは。


「もっと、生きたかったよぉ……」






 そんな、涙交じりの言葉を最後に、彼女は私の前から消えていった。


「……お疲れ様」


 私の腕の中で、黒猫が労ってくれる。抱いたままでなければ、今にも飛びかかってしまいそうになってくれていた私の黒猫。彼を地面に置き、私は駅のホームの隅っこに移動して、壁に寄りかかった。


「お疲れ様、なんて言われても。別に疲れてなんていないんだけどね」


 努めてそう平然を装いながら、私は目元を擦る。また、目の周りが真っ赤になっているのだろう。いつものことだから、もう恥ずかしさなんで湧いてこない。

 さっきまでの静けさが嘘のように、駅のホームは悲鳴と怒号が飛び交っている。女子高生がー人、電車に轢かれてしまった。その情報が次々に伝播して、混乱と恐怖と好奇心を周囲へと撒き散らしている。


「まったく、人間ってのはつくづく勝手な生き物だよね。ほら見てよ。あの男、自分で見に行ったくせに、モノを見た瞬間その場で吐き出してるよ。そんな脆い心なら、最初から見に行かなければいいのにね」

「……うん、そうだね。私もそう思うよ」


 離れた位置で繰り広げられる人間の卑しい光景を遠巻きに眺め、私も自分のした行動を恥じて、後悔していた。

 彼女の最後まで叫び続けた、涙交じりの切なる願いと。今もきっと、あの電車の先にある無残な姿の落差。

 ───やめよう。これは、彼女には関係ない。彼女の残した想いに、この落差は必要ないものだ。


「……ねぇ。もう、やめたら?」


 額を押さえ、平静を装おうと髪を撫でる私を、黒猫の金色の瞳が見据えていた。


「何を?」

「何もかも。強いて順位を立てるとしたら、嘘を吐くのをさ」


 前足を舐め、毛づくろいをしながら黒猫は私を責めるような目つきで見てくる。


「神様のミス。なんてもっともらしい理由をつけて。悪者を作って、その責任を、怒りを君自身に向けさせる。やめなよ、これ。最初から、彼女が悪いのに」

「あの人が悪いことなんて、一つもないわ」

「ごめんごめん、間違えたよ。最初から、()()()()が悪いのに」


 神様なんていない。いや、どこかにいるのかもしれないけど、私は見たことがないし、これからも見ることなんてないだろう。だから、一番都合が良くて、名前を使わせてもらっている。


「人が死ぬことに必然はない。何かがどこかで決めたりもしていない。全てが全て、純然たる偶然だ。あの子が死んだのは、ただひたすらに、あの子の運が悪かった。それだけだ。君が責任を感じることでも、君が罵られることで解決する問題でもない」

「でも、私は……」

「わかってる。やめるつもりはないんだろう? でも、こんなことをいつまでも続けていたら、いつか君の心がパンクする。あの五分間だってそうだ。君が無理して、振り絞って振り絞って捻出した五分間は、彼らの後悔を増徴させるだけで終わるかもしれないのに」

「……わかってるよ。もしかしたら、酷なことをより酷にしてぶつけているだけかもしれないって、わかってる。でも」


 私はただ、受け止めてあげたいだけだ。全てが偶然で、突然だから。誰も知ることができない想いが宙ぶらりんになる。誰も、受け止めて、知ってあげることができなくなる。

 だからせめて、どうしてか受け止めることができる、私が。


「それでも、私はこのままでいたい」

「……はいはい。わかってますよ。どうせ僕の言うことなんか少しも聞く気はないものね」

「もう、そんな不貞腐れたフリしないで」


 しゃがみ、背を向けて去ろうとする黒猫の頭を撫でてあげる。


「ありがとう。あなたにはいつも感謝してるわ。そうやって私のために怒ってくれるあなたがいるから、私も心強いのよ」


 フン、と。尚も不貞腐れたような態度を取り続ける彼だけど、喉はゴロゴロと音を鳴らし、 私の掌に顔を押し付けてくる。

 その柔らかい毛並みから手を離し、私は立ち上がる。

 喉が震え、視界が滲む。しゃくり上げそうになる体を、必死に堪えていた。


「ごめんね。もう、我慢できそうにないから」

「……ああ、うん。そうだったね。まったく……言ったそばから、自分の言葉を撤回したくなるよ」


 そう言っても、黒猫は私を止めようとはせず、背中を向けたまま、駅のホームの階段へと歩いていく。次々とやってくる人の群れを難なく抜け、その姿は見えなくなる。


「それじゃあまた、五分後に」


 言葉だけが私の耳に届く。

 離れてください。と駅員の方々が声を上げている。電車が止まったことによる不満と、一人の人間の無残な姿を好奇心で見ようとする人の浮ついた笑顔が見える。顔を顰め、そそくさと離れていこうとする人の姿も見えた。携帯を耳に当て、頭を下げながら謝罪を口にする人も。

 ああ、すみません。電車止まっちゃって。ええ、いや、詳しくはわかりませんが、誰かが飛び込んだみたいで。ええまったく、迷惑な話ですよね。

 そんな言葉が、聞こえてくる。

 今この場に、彼女の死を悼む者はいないように見えた。けれど、この事実が耳に届けば、きっと涙を流し、悲しむ人たちがいる。彼女の死を悼み、心に痛みを覚える人が、きっと。

 誰も。彼女が叫んだ想いを、もう知ることはできない。


「もっと、生きたかったよね」


 彼女の最後も言葉を口にして、私は、堪えられずに声を上げる。






 喧騒が止まない、駅のホーム。

 その一角で、一人の少女が声を上げて泣いていた。

 長く、足首まで届くほどに長く伸ばされた黒髪は、空に叫ぶように上げられた顔のせいで地面についている。漆黒の瞳は強く閉じられ、声を上げれば上げるほどに、透明な零を溢れさせていて。

 幼い女の子が上げる泣き声とは思えない、深く、強く、重い慟哭。

 少女は泣く。喚き、叫び、嘆く。少女の中に打ち据えられた、悲しみを受け入れるように。

 もっと生きたかったという願いを叶えられなかった悲しみを、吼えるように。

 駅のホームの喧騒は止まない。その喧騒に負けないほどの少女の叫びは、それでも誰かに届くこともない。

 そもそも、その悲しみは、本来ならば誰の心にも打ち据えられなかったものだ。

 それでも、受け入れたいと、一つだって取り零さないと決めた少女がいる。

 五分間。五分間だけだ。少女はそう決めていた。どれだけ深い悲しみでも、五分間だけ、大声で泣いていい。その後は、受け止めて、嚙み締めて、受け入れろと。

 誰にも届けられることのなかった悲しみを受け止め、涙を流す少女がいる。誰に頼まれたでもなく、誰を救えるでもない、自己満足にも等しい行い。

 それでも、受け止めてあげられるのならば、受け止めていきたい。その魂が願ったこれからを想い、涙を流してあげたい。

 これは、そんな優しい天使の物語だ。


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