表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/127

第1章 師匠




ガチャ


「帰ったぞ」

「「お邪魔しまーす」」


「.....」


「留守か」


「ふぅ、、緊張したー」


「緊張しすぎだろセニカ、道中もずっとそわそわしてたし」


「仕方ないじゃない、、」


「まだ緊張しているな」


「適当に寛いでてくれ、何か飲むか?」


「お茶ありますー?」


「わたしも喉がカラカラなので」


「にしてもあんまり俺の家と変わらないな、てっきり凄い人だからもっと豪華なとこに住んでるのかと」


「わたしもそれ思ったー」


「一応妻が亡国しているからな、目立つと刺客やら送られてくるからな。お茶だ、妻は多分買い物に出かけている、もう少ししたら帰ってくる」


「ありがとうございま〜す」


「も、もうすぐ会える、、」

ソワソワ


「じゃあ俺はちょっと時間あるし、素振りでもしてよっかな〜」


「あ、私も行く、ずっと緊張しっぱなしだったし」


「それじゃあ俺が見てやろう」


「よしゃ」


そう言って3人は家を出た後、家の近くの広場で修行をしている。


「カイトもう少し腰を入れろ、力が剣に伝わりきっていないぞ」


「はい!」


「セニカ、いつもの動きのキレがないぞ?まだ緊張するか?」


「はい、、」


「それじゃあ俺と打ち合いでもするか」


「え?」


「多少緊張もほぐれる筈だ、油断すると怪我をするぞ」


「いいなぁ〜俺も打ち合いやりたい〜」


「お前はまた明日相手してやる」


「ちぇー」


「よろしくお願いします」


そう言って両者構える。まず最初に仕掛けたのはセニカだ、流派の授業が終わった後セニカはみるみる強くなっていった、最近は試合で5回に1回はアルベルトから一本取れるまでになっていて、カイトは手加減を入れたセニカからまだ一本も取れていない。


「今日こそは一本もらいます」


「甘い!」


セニカの切り上げを切り上げようとするタイミングでステップで近づき剣を振り下ろすヴァイス。力と速さの差でセニカの体勢が崩れる。


「その程度じゃいつまで経っても一本はやれんな」


「くっ!」


セニカの喉に剣先が止められる。


「おいおいセニカー、いつものキレどこ行ったんだー!今の避けられただろー」


「やっぱり本調子がでないや、でも少し緊張がほぐれました」


「そうか、よかった」


「じゃあ次は俺とやろうかセニカ、今だったら勝てそうな気がするぜ」


「えーやだよー、カイトの戦い方変わってるしー」


「まぁまぁそう言うなよ」


「はぁ、しょうがないなー」


「審判は俺がやろう」


「お願いします師匠」


両者見合う。カイトに最近たまに師匠と言われ何故かむず痒そうなヴァイス。


「始め!」


セニカが走ってくる。へたに剣での打ち合いをすると勝てないと分かっているカイト。剣も構えずにその場から動かないカイト。


(また何か変なこと企んでるわねカイト)


「タアッ」


間合いまで入るとセニカが飛びかかってきた。それを見たカイトは飛んで来たセニカの下をスライディングし、後ろに回り込み横切りを入れる。


ガキンッ


「いつものキレ少し戻ってきてるな」


「まだまだカイトには負けるわけにはいかないからね」


後ろからの横切りを見もせずにしゃがんで避けた後、カイトに斬りかかりそれを防ぐカイト。そしてセニカが少し後ろに飛び距離を取る。


「行くわよカイト!」


「こい!」


そう言ってセニカは今までのオルフォルト流の構えをやめ、刺突の構えをとった。


(新しい技か、構えを見るからに刺突ってとこか、いなせばこっちのもんだ)


セニカの刺突がくる。すぐさまいなそうと剣を当てようとした瞬間、、、


シュイン


(剣を後ろに引いた?)


ドスッ


腹にセニカの渾身のパンチが入り、体勢を崩したカイトの首に剣が突きつけられ、勝負がついた。


「勝負あり!」


「痛って〜、なんだ今のは?」


「まだまだねカイト」


*「それでは、次は私と対戦してもらえるか?」


声の方を見ると、黒に近い紺色のウェーブのかかったロングヘアーの女性が、同じ色のボブヘアーをした子供と立っていた。その女性こそまさに、かの有名なシグニカ王国元師団長シェイン・ファウスト、そして横にいるのがヴァイスとの話に出てきた娘のシエル。


「早かったな、シェイン」


「今戻った、その子たちが生徒か?」


「あぁ、こっちがカイトで、こっちがセニカだ、今日お前の話をしたらうちに来たいと言ったから連れてきた。お前の操剣術について聞きたいらしい」


「はじめまして、ヴァイス師匠の一番弟子、カイトです」


「は、はじめ、、まして、、セセセセニカで、です」


プルプルと震えるセニカ。


「セニカはお前の事を尊敬していてずっと緊張している、気にするな、そしてカイト、セニカ、この2人が俺の家族の妻のシェインと娘のシエルだ」


「お初お目にかかります、シエルと申します」


「なるほど、それでこんな辺鄙な田舎まで来たのか、しかし残念ながら教える事は出来ない」


「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


「そもそも操剣術は、異能なのだ」


「異能?」


「異能とは人智を超える力、生まれ持った才能だ」


ヴァイスが説明する。


「なるほど、そういう部類かー」


「そしてこの異能は譲渡出来るのだが、もう譲る相手は決まっていてな、、」


そう言ってシェインは娘のシエルに向かって優しく微笑み頭を撫でる。


「そうですか、、、」


「お詫びと言ってはなんだが見ていくか?」


「わ、技を見せてもらえるのですか!?」


セニカが食い気味に聞く。


「あぁここまで来てもらったのだ、それくらいは見せてやらないとな、それでなんだが誰か相手をして欲しいのだが、、、」


「はい!はい!はい!」


「お前は確かカイトと言ったな、では相手を頼もう、ルールはなんでもありだ、魔法でもなんでも使ってこい」


「っし、本気でいくぜぇ」


「あまり無茶をするなよカイト、それとシェインもちゃんと手加減してやれよ」


「あぁ分かっている」


「大丈夫っすよ」


シエルがシェインから離れ試合が始まる。


「始め!」


「ほう、その歳で闘気を纏うか」


『アクアショット』


プシュン プシュン プシュン


ザバァン


「練度がまだ低いな」


「これからっすよ!」


圧縮した火属性魔法をアクアショットと同時に放ちシェインの目の前で水蒸気爆発が起き煙が広がる。


『ウィンドスピア』


煙から風の槍が飛んでくる。


剣に風を纏わせウィンドスピアの方向を風で変えようとした途端、煙から火の玉が飛んで来て風の槍は炎の槍と化した。


「やべっ」


すぐさま身体強化をして上へ飛ぶカイト、すると煙からシェインが飛んで斬りかかってきた。


ガキィン!


力負けし、地面に叩き落されるカイト。


「いてて、力強すぎだろ、、、ん?」


上から火の玉が無数に飛んでくるのを見て避けようとするが、土魔法で地面に足が埋まって逃げられない。


『テレポート』


シュン


場所は空中にいるシェインの真上。


「どうやって浮いてんすかっ!」


「なかなかやるな」


雷を纏わせた剣を受け止めるシェイン。


「っ!!」


「貰ったぁ!」


麻痺している隙に空中で斬りかかるカイト。


キィン!


「なっ!剣が浮いている?」


シェインの手を見るとそこには先ほど持っていた剣が無くなっている。そして今まさに自分の一撃を止めたのがその剣である事を知るカイト。


「それが操剣術ってやつすか、すげぇ」


「まだ終わっていないぞ、気を抜くな」


剣はそのまま浮遊して麻痺しているシェインの足場となり宙に浮いている。


「なんだよそれ」


そのまま地面に落ちていくカイト、風魔法で衝撃を和らげ着地する。そこからは一方的だった。剣の上に乗り、魔法で作った剣を空中で操り、カイトは魔法の剣をずっといなし続けてとうとうスタミナがきれた所を狙われた。


「ゼェゼェ、便利ですね、その能力」


「あぁ我ながら時々自分を卑怯だと思う時がある、それよりなんだあの体が動かなくなる魔法は」


「雷という魔法です、本当は違う方法で当てたかったのですがね、、、」


「そんな魔法があったとはな」


「たまたま魔法を使ったら発生したので、たまたまですよ」


「新たな魔法の発見というのは殆どが偶然からできたものだ、誇りに思え」


「え、えぇ(前世の知識なんですけどねぇ)」


「全く派手にやってくれたな、刺客にでも気づかれたらどうする?」


「その時は返り討ちにすればよい」


「全く、、」


「大丈夫ー?カイトー?」


「あぁ、凄すぎて手も足も出なかったわ」


「最後のは一方的だったよね」


「俺もなんか空飛んだり浮遊できるようになりたいなー」


「どうだ?何か勉強になったか?」


「全くですよ、何がどうなって剣が浮いているのやら、最初はシェインさんと剣の間に魔法か何かで繋げて浮かしてるんじゃないかとか風魔法で浮かしてるのかと思ったんですが、それだと魔力を継続的に使うから、持久戦に持ち込んだら、見た感じ魔力もあまり消費していないみたいですし、、」


「なんて説明すればいいのか私にも分からんが、浮くように頭で念じると浮くようになっているのだ」


「強力な能力ですね、シグニカが刺客を送ってくるのも分かりますね」


「あぁ、連中は私ではなく、私のこの能力を欲しているのだ」


「それをシエルちゃんに渡すってのも結構危なくないですか?」


「まぁその辺は私と旦那で鍛えれば何も問題なかろう」


(クソっ、脳筋夫婦め!あと一歩のところだったのに!)


「カイト?」


「あ、折角だしセニカも手合わせしてもらったらどうだ?凄いぞ?」


「そうだな、折角の機会だセニカとやら、1合どうだ?」


「ぜ、ぜひ!お、お願いしても、、」


「少し長引きそうなので、父と夕食の準備をしてきます」


「お前たちはもう少し教えてもらうといい」


「悪いなヴァイ、シエル」


「行くぞシエル」


「はい」


「よし、では始めるか」


ヴァイスは娘のシエルに晩御飯の用意をしている間、カイトとセニカはシェインにしごかれ、気がつけば日はとっくに沈んでいた。


「ハァーーー」

ドサッ


「マジで疲れた〜」


「ハァハァ、わたしも限界だよ、、」


「もう終わりか?まだまだ教えられる事はたくさんあるぞ?」


「もうマジで限界っす」


「教えて欲しいですけど、、体が」


「おかーさん!ご飯できたよー!」


「あぁ、今戻る、今日はここまでのようだな」


「「ありがとうございました!」」



ガチャ

「戻ったぞ」


「ん〜いい匂い〜」


「冷めないうちに食べてくれ」


「師匠は料理も作れるんですね!」


「あぁ、傭兵時代から料理はやっていた」


「ちなみにシェインさんも料理は出来るんですか?」


「てんでダメだ」


「すげぇドヤ顔で言われても、、、」


「おなかすいたー」


「いただきまーす」


「イタダキマス?何ですかそれは?」


「何かの呪文か?」


全員に不思議そうな目で見られた。


(あ、そうだった、ここは違う文化だった)


「食前にする感謝の儀式みたいなものさ」


シエルに説明する。


「教えてもらえますか?」


「まずは手のひらを顔の前に合わせて、目を閉じるんだ」


シエルが言われた通りの動作をする。


「そして今ここの食卓に並んでいる食材全てに感謝を込めて〜」


「イ、イタダキマス、、」


「「「イタダキマス」」」



「うめぇー!」


「こらカイト、食事中に声が大きいわよ」


「セニカこれ食ってみな!」


「ほんとだ!美味しい〜」


「大袈裟だな全く」


「やっぱり師匠は凄いですね!」


「そ、その、師匠というのはやめないか?」


「何故です?先生ってよりも師匠の方が俺はしっくりくるんですが」


「いいじゃないですかお父様」


「弟子ぐらい別に減るものではなかろう」


「そうだが、、学校でそれを呼ばれるのは、少し抵抗があるのだ」


「まぁいいじゃないですか師匠で!」


「好きにしろ、、」


「てか2人のお話聞かせてくださいよ!武勇伝みたいな物とか!」


「私も聞きたいです!特にシェインさんの!」


「おい」


小さな声でツッコミを入れるヴァイス。そしてシェインから様々な武勇伝を語ってもらった。まだ無名だった頃、シグニカの反社会組織の噂を聞いて潰し回った事や、師団に入った初日にその頃の師団長を模擬試合で圧倒した事、シエルを出産した直後に弱っているところを刺客に襲われ、陣痛の痛みもありストレスの発散の意味も込めて、シグニカの町を犠牲者を出す事なく半壊させた事など、とても興味深い話をたくさんしてもらった。


「フゥ〜食った食った」


「お腹いっぱい〜」


「よしそれではもう少し練習するか」


「ちょちょちょ、シェインさん?今動いたら確実に横腹痛くなりますよ、それにもうそろそろ時間ですし、帰らなければいけないです」


「ん?泊まって行かないのか?」


「「え?」」


「流石に親も心配しますし、ね?」


「1日くらい大丈夫だろう」


「俺は大丈夫ですけど、セニカはー?」


「わたしも大丈夫だと思うわ」


「それでは決まりだな、10分休憩したら外に出るぞ」


「「えぇー」」


それからまたしごきを受けたカイトとセニカ、クタクタになってお風呂を貸してもらい、ヴァイスと同じ部屋で寝るカイト。


「カイト」


「はい」


「あまり無茶をするなよ」


「どうしたんですか急に」


「お前は昔の俺によく似ている、危なっかしくて、友や家族のためなら危険をも厭わない、色んな物を背負って、急ぎ焦ってはつまずいた時に失うものが多い」


「師匠はつまずいた事あるんですか?」


「それで一番の友を失った」


「そう、、ですか」


「お前には戦いの才能がある、自分では気づいてないかもしれないが、今のお前が何でもありで本気でアルベルトと戦えば引けを取らないほどだ」


「...」


「それほどお前には、、寝たか」


「スゥースゥー」


「色々あったからな、ゆっくり休め」



今日だけでかなりの出来事が起きたカイト、アルベルトに負け、ヴァイスから一本以上を引き出し、セニカに告白をして、ルフトが倒れ、ラゼッタという新しい友達ができて、シェインと手合わせしてもらい、シエルとも仲良くなった。そしてヴァイスからはアルベルトをも今なら同等に戦えると褒められたのは、寝落ちで聞こえていなかった。そして日が昇り朝を迎える。


「色々お世話になりました!」


「あぁ、またいつでも稽古をつけてやる」


「それじゃあねシエルちゃん」


「はいセニカさん、またお話聞かせてください」


いつのまにかかなり距離が近くなったらセニカとシエル、帰り際にお互いハグをしている。それと驚いたのはシェインに対しての緊張は無くなっていた。


「シェインさん、もし考え直すことがいつでもその能力ウェルカムですよ?」


「何を言っているのやら、万に1つもないが、あれば知らせてやる」


「よっし!」


「行ってくる」


「気を付けるのだぞ3人共」


「あぁ」

「うっす」

「はい」


そして3人は学校へと向かう。


「それにしても今朝セニカがシェインさんに緊張してなかったのは驚いたな、てっきり寝れなくて目にクマができてると思った」


「昨日一緒に寝る時に何かあったのか?」


「はい、色々お話させてもらってたら緊張しなくなりました」


「そうか」


「ガールズトークってやつだな、恋の話とかしたんだろ?」


カァー///


急に顔が赤くなるセニカ。


「図星だな」


「ハハっ、わかりやすいなセニカは」


「もうっ、バカ!」


そうこう話していると学校に着いた3人。


「では2人とも授業でな」


「はい」

「うーっす」


「ルフトんとこ行くか?」


「行こ」


ガラガラガラ


「おーいルフトー」

「大丈夫ー?」


「なんだまだ寝てんのか」


「大丈夫かな」


「一応今から2年生の校舎に行ってルフトをいじめた奴探しに行くけどセニカはここにいてくれ」


「大丈夫?喧嘩しない?」


「大丈夫だよ、話をつけるだけだからな、んじゃ行ってくるわ」


2年生の校舎まで行くと校舎の目の前に人だかりが出来ている。


「あ、カイトー!」


「うっす、何だこの人だかりは?」


「わかんない、とりあえず行ってみよ?」


人混みを掻き分けて最前列まで行くと、金髪の坊主の男性の足元に男性が倒れ込んでいた。


*「いいか!?スカーレットに手を出したらこうなる、覚えておけ」


「カイト!あいつだよ!スカーレットはルフトが口説いたカーマイン家の淑女よ」


「クソ野郎が、こっちから探す手間が省けたぞ」


*「おい、そこの坊主、お前何睨んでんだ?」


「坊主はそっちだろ、話がある、取り敢えず人のいないとこにっ!!」


ドスッ


*「生意気だなお前」


「いきなり不意打ちかよ、後輩相手に優しく出来ねーのか?」


*「お前?闘気纏ってんじゃねーか」


「そんなのどうでもいい、聞きたことがある。1年槍術科のルフトって知ってるか?枯れ色の髪をした奴だ」


*「んー、あーあのガキか!昨日俺の彼女に手を出したから教育してやっtっ!!」


ドガァ!


身体強化をフルに使い、渾身の蹴りを入れ、坊主頭を蹴り飛ばす。


「これでチャラだ、2度と俺の友達に手を出すなよ」


*「おい、どこ行こうってんだ?」


「お前を蹴ったらスッキリしたし授業に戻るだけだ」


*「行かせるわけねぇだろ?潰してやるよ」


「ラゼッタ、掴まれ」


「、、えっ?」


『テレポート』


シュン


*「クソが、絶対見つけてやる1年坊主」


スタッ


「ふぅ、スッキリした〜」


「バッカじゃないの!?!?」


「ビックリしたー!」


「あんたあれじゃあ何も解決してないじゃない!!むしろ火に油注いだもんよ!!」


「だってアイツの喋り方とか顔がなんかムカついたもん、それに先に蹴ってきたの向こうだし、、」


「はぁ、もしこれでルフトがまた狙われたらどうすんのよ」


「ああいう奴はそんなことしねーよ、絶対俺に向かってくるはずだ」


(あの坊主頭は前世でいうヤンキーみたいなもんだ、軽くおちょくればその本人にだけヘイトがくる)


「だとしても、これからどうするのよあんた」


「んー逃げまくる」


「逃げられる保証はあるの?」


「テレポートで逃げればなんとかなるって、現にアイツはっ!!」


ドゴォンッ!!


*「よう、さっきはよくもコケにしてくれたな」


「しつけーな、ラゼッタお前だけでも逃げろ」


「あんたは、、」


*「安心しなじょーちゃん、俺は女には手を出さねーよ」


「俺のことはいい、早くしろ!」


何処かへ走るラゼッタ。


*「これで邪魔はいなくなったな」


「お前が邪魔なんだけどなっ!!」


身体強化で横蹴りをする。


パシッ


*「なんだその蹴りは?」


足を掴まれるカイト。


『テレポート』


高さ30メートルの位置にテレポートする。


「離した方がいいぞ」


『エレクトロ』


掴まれた脚を帯電させる。


*「ぐっ!」


坊主頭は空中で痺れて動けなくなっている。


「オラァ!」


坊主頭の顔に渾身のパンチを入れ、坊主頭は高さ30メートルから地面に吹き飛ぶ。


グシャンッ!!


スタッ


「フゥ、」


*「ってて、なんだ今の?」


「まじかよ、、」


*「次は俺の番だな、ちゃんと防御しろよ?」


何事も無かったかのように立ち上がり、殴りかかってくる。すぐさま腕も前に出してガードしたが。パンチの速度と威力が高すぎて、両腕の間からパンチが顔に当たる。


グシャッ


鼻から大量の血を流すカイト。


ブワーン


*「回復もできんのか」


(今は血を止めるので精一杯だけどな)


*「次行くぞほらっ!!」


闘気を一点に集中させ、ワザとパンチを喰らいカウンターをする。


ドゴッ


*「いいねぇ、これはどうだ?」


*『バスターハンドレッド!!』


ダダダダダダダダッ!!!


無数の連打を全身に闘気を纏わせて威力を軽減させるが、五発に一発は重いのがくる。


「やべい、限、、界だ」


*「これで終わりだぁ!!」


腕はもうほとんど上がらなくなり、紫色に腫れ上がっている。そして両膝をつきだらんとした腕をあげようとするが上がらない。


(これが、元五星、、遠すぎる、、)


最後の剛拳が飛んでくる。


パシッ


「そこまでだ」


*「誰だ?あんたは?」


「こいつの師匠だ」


*「へっ、先生じゃなくて師匠かよ、だせぇ、邪魔すんなよ、いくら先生でも俺は簡単に止められないぜ?」


*『バスターハンドレッド!!』


ダダダダダダダダ


全てを軽く躱すヴァイス。


*『ファントムブラストォ!!』


パシッ


*「これを受け止めんのか!?」


「いい加減にしろ、ただでさえ俺の生徒がこんな目に遭っているのだ、俺とお前に今の立場がなかったら、すぐにこの場で殺している」


坊主頭の腕を片手で握り、凄まじいプレッシャーと闘気を放ち脅しをかける。


*「クソッ!わかったから離しやがれ!」


「ならいい、すぐに失せろ、そして2度とこいつに構うな、次はないぞ」


坊主頭は片腕を抑えて何処かへと歩き去った。


「大丈夫か?」


「、、、すいません」


「昨日お前が言ってた奴か?」


「は、、い」


「なら謝るな、悪い事をしたわけではないのだからな」


「強か、、、った、何にも、、できなかった」


「気にするな、俺がアイツを超えさせてやる」


「ありが、、とう、、、ししょ、、う、、でも、、、なんで、ここに?」


「オレンジの髪をしていた女の子に助けを求められた」


「そう、か、、あとで、、れいしなくちゃ」


そのまま診療所に連れて行かれた。これで3回目だ。診療所に行くとセニカはいなくなっていた。


(よかった、いなくて)


「またあんたかい、もう見飽きたよその顔」


「へへ、、すい、ませんね」


「今見てやるよ、大人しくしてな」


「それじゃあ俺は授業に行く」


「ありがとう、、ございました」


「あぁ」


こうしてカイトは3度目の診療所に搬送され、魔力切れでそのまま眠りに着いた。








































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ