異世界ファンタジーはオワコン
オワコン(おわコン、終わコン、終わったコンテンツとも)とは、
主に一般ユーザーに飽きられてしまい、
一時は栄えていたが現在では見捨てられてしまったこと、
ブームが去って流行遅れになったこと、
および時代に合わなくなった漫画・アニメや商品・サービスを意味する
インターネットスラングである。
―Wikipediaより
なろうを楽しんでる読者さん、新人作者さん、そして古参さん。
異世界ファンタジー、好きですか?
神様転生、トラック転生、巻き込まれ召喚などなど、
数々の王道ともいえるテンプレが出来るまでに
なろうでは異世界ファンタジーが愛されてきました。
作者も転生スライムに心躍らせ、異世界建国にわくわくし、
のぶに飯テロを食らわされた一員です。
この世界がゲームだと、も相当楽しく読んでいた記憶があります。
だが。だがしかし。あえて言います。
『なろうで異世界ファンタジーはオワコンです』
小説家になろう(しょうせつかになろう)は、
株式会社ヒナプロジェクトが提供する小説投稿サイト。
作者登録することで、無料で小説をウェブ上に公開することができる。
―Wikipediaより
なろうと言えば異世界物、異世界物と言えばなろうと言われるぐらい
なろうの歴史は異世界ファンタジーと歩んできたといっても過言ではありません。
読者も作者も「異世界ファンタジーが王道、他はおまけ!」と言わんばかりの
異世界作品が出回りました。
沢山の作品が書籍化され、一部はアニメにまでなりました。
「異世界」「ハイファンタジー」で検索をかけると79844作品もヒットするほど
一番なろうでは書かれているジャンルです。
(作者の個人的に好物な歴史ジャンルは3946作品です)
一番書かれているんだからオワコンなんか程遠いぜ!
なろうと異世界ファンタジーは永遠に不滅だ!
……ここから話すのはいわゆる、不都合な真実です。
ここで気分良くブラウザバックしても構いません。
……では、語りましょう、
なろうで異世界ファンタジーがオワコンとなってしまった訳を。
皆さんはなろうをどうやって楽しんでますか?
お気に入りの作者さんの新作を探す?レビューを見る?
しかし、やはり大半の人が『ランキング』を見ながら作品を探す事でしょう。
この『ランキング』というシステム。評価された数から順に表示してくれるので
自然と良作が上位に上がって読まれやすくなっていくという素晴らしいシステムです。
……表面上は。
ランキングに乗るにはより沢山の人に読まれる必要があります。
なろうで沢山の人に読まれるにはランキングに乗る必要があります。
もし、偶々評価されたとしても、
1日に集中してポイントが入るというのは天文学的数字になります。
……そう、ランキングに入らない限りランキングに入れない
という矛盾が生じてるのです。
その回避方法としてなろう以外で宣伝する、という方法があります。
受賞作品や書籍化した作品などは安心して見れる分ポイントが入りやすくなっています。
そして、ランキングの枠は100個しかありません。
『100の名作が揃ってしまうと新しい作品が入る隙間がない』のです。
つまり、なろうで有名になって書籍化するではなく、
書籍化した物の宣伝のためになろうを利用されているのです。
え?そんなことない?今ランキング上位に乗っている物は連載ほやほやじゃないか?
おっしゃる通りです。しかしそれにはきちんと『訳』があります。
いえいえ、チートとか自演とかではありませんよ。純粋に作品の完成度が高く、
それが偶々レビューや有名人からのブクマ等を貰い上がった作品でしょう。
そして、なろう読者は新作に飢えています。
動かないランキングに新作が乗ったらチェックしてくれる読者さんがかなり多いのです。
そしてランキング上位まで一気に上り詰めます。
努力してれば、いい作品を書いていればランキングに乗れる!
理想的なシンデレラストーリーでしょう。
ただし、見つけてもらえれば、という但し書きが付きます。
砂漠の中からダイヤを探すようなものです。
発掘したらミイラ(更新停止してしまった作者)だったこともあります。
作者を育てるのは見てもらえるという実感と読者からの感想です。
それが貰えない状態で延々といい作品を作れ、というのは傲慢だと思います。
RPGで例えるなら、ずっと最初の村でスライム殴って60レベルぐらいまで育てろ。
そう言っているのと同じなのです。
(そういえばスライム殴って100レベルって小説もありましたね)
新人作者さんにとってそれはとてつもない苦行でしょう。
そして自分もランキングに乗れるよう、
ランキングに乗ってる作品を舐めるように見ます。そして憧れます。
あたかも英雄の冒険譚を見るように……
いつか自分の書きたかった作品ではなく、どこかにあった作品のコピーを書き始めるのでしょう。
そして他人にも強要し始めるのです。それが正義だと信じているが故に。
そうして残ったのは筆の折れた新人作者だったものとコピーテンプレ作品。
そしてその血を啜ってさらに輝くダイヤモンド(書籍化された作品)なのでしょう。
これがなろうが弱衰退している。その原因だと思います。
新人の入らない会社に未来がないように、新人作者が育たないサイトからも、人は離れていくのでしょう。
貴方はそれでもまだ、異世界ファンタジーを書きますか?
やあ (´・ω・`)
ようこそ、後書きへ。
このコーラサワーはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん。SEKKYOUなんだ。すまない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このテンプレを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐としたなろうで、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この後書きを書いたんだ。
さぁ、愚痴に付き合ってもらおうか。
そもそも異世界ファンタジーってクッソ難しい題材なんだ。
何せ異世界でファンタジーだぜ?
まずは設定を読み込み、世界観に触れ、キャラクターに感情移入して初めて楽しめるんだ。
うん、作者毎に設定は違うからね。
言うなれば一人一人別の言語で書いてるようなもんなんだ。
正直、数本読むだけでおなか一杯になるんだ。
その中で原石を探すほど空腹な人のほうがレアなんだ、すまない。
さらに言うと導入部のテンプレ。
神様転生、トラック転生、憑依。
色々あるけどそもそもの大きな問題は解決出来てないんだ。
それは『現世の設定が無駄になる』ということ。
最近は戻ってくる作品も出てきたけど、大半は行ったきり戻ってこないからね。
そう、まず読者をつかむための1話目に無駄な文章を突っ込まざるを得ないというハンデ。
作者にとっても読者にとっても現世設定なんてどうでもいいんだ。
流石に「ガシッ、ボカッ。私は死んだ。スイーツ☆」まで短縮してもそれはそれで突っ込まれるけどね。
そのあとのテンプレな流れはやりつくした感があるから違う流れを探そうとしても難しいと思う。
出来ないとは言わないけどね。
そこから主人公はファンタジー世界に旅立つわけだけど、
作者さんはそこからそのファンタジー世界の事を説明しなきゃいけないんだ。
魔法やモンスター、貴族や冒険者など現代にない設定が満載だからね。
もしかしたらその辺に生えてる薬草がカレー味かもしれない。
でも、読者にとってはその説明時間が退屈なんだ。
しかし、説明しないと伝わらないというジレンマ。このバランスが難しい。
あとこれは作者さんの力量の問題なんだろうけど、
『キャラが主人公しか動いてない』ように感じるんだ。
主人公と恋愛するヒロインも冒険に付いていったら
まるでドラクエの仲間のように主人公と一緒な考えで戦うんだ。
奴隷だって基本主人公に惚れるし、解放しようとすると嫌がるんだ。
そう、NPCのように感じてしまうんだ。
まぁ他にも色々言いたい事があるけど、その辺は千差万別だからね。
私はもう一杯だけコーラサワーを頂くとするよ……