1/3
ネノ・アン・メル
呼吸はしない したくない
意識を 白息が持っていってしまうから
止まった時が動く 夜が明ける
閃光のように 眩しく
狂おしいほどに 慟哭する魂
五臓が軋み血が燃える 四肢が一気に弾かれる
何も誰も思わない いまはただ
閃光のように 強く
この手の刃で 火が散るたびに
鎬にのぞく 朱の過去
もう戻らない 遠いあの
閃光のように 暖かな
生きていたいと そう思う
この一瞬を 全力で
これが最後に なろうとも
閃光らしく 鮮烈に
―――――――――――――――――――――――――――――――――
『殻の外』