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 鬼退治発言をした柊史郎は、それから週末までの数日、やたらと機嫌がよかった。

 鼻歌を歌いながら廊下を歩く柊史郎、庭のベンチでにっこり笑っている柊史郎、そのうえ和臣との名物バトルを休止した柊史郎の様子は、ある種の怪奇現象として研究員達の間で囁かれるようになったほどだ。

 桃井研究所始まって以来の問題児の一挙手一投足が、研究所の人間にとってその日を平穏に過ごせるかどうかを左右するのだから、人々の関心はもっともなことなのだが。

 柊史郎の機嫌がいいことで言い知れぬ不安を覚える人間がいるとすれば、この暴れん坊の世話係と化している頼政が、その最たる人物であったかもしれない。もっとも、その彼とてわざわざ寝た子を起こすような真似をするわけにもいかず、週末までの数日、ひたすらこの平穏が長く続くことを祈り続けることくらいしかできなかったというのが現実である。




「……だから、なんでお前等まで連れて行かなきゃならないんだよ」

 柊史郎の不機嫌は、土曜の午後になって復活した。場所は研究所裏手の駐車場。出かけようとした柊史郎の目の前に、待ち伏せしていた椿と和臣が現われたのだ。

「水臭いわ、柊ちゃん。あたしも行くって言ったでしょー」

「そうだ柊史郎! 勝手にいい格好しようたって、そうは問屋が卸さねえってな」

 二人して、まるでハイキングにでも行くようなノリである。頭に巻いたバンダナが色違いのお揃いだというところまでが、ふざけているとしか言いようがない。

「お前等を連れて行くなんて、俺はひと言も言ってない」

 行くぞ頼政、と背を向けた柊史郎に、二人の抗議の声が集中する。

「なんでよー。頼政クンは連れて行くくせにっ」

「俺が手伝ってやろうと言っている、この真心がわかんねーのかっ?」

 ひと睨みされて柊史郎を追う頼政に言わせれば、椿の主張は間違っている。頼政は強制連行されている身であり、何も好き好んで面倒を背負い込みたいわけではないのだ。ついでに言うと、和臣が真心などと呼ぶところの好奇心も、彼は持ち合わせていない。

「柊ちゃんったら、二人っきりで楽しいことしようって魂胆ねー。ヤケドしたって知らないんだから」

「……つ、椿さんっ。著しく誤解を招く発言はやめてください。僕はべつに……っ」

 うろたえる頼政を置いて、柊史郎はすたすたと一台の黒い乗用車に向かう。セダンタイプのこの車は、桃井庄蔵が所有する車のうちのひとつで、桃井家の自家用車でもある。

「そうか、わかったぞ!」

 当然の顔で助手席に乗り込んだ柊史郎を指差して、和臣が大きな声を出した。

「柊史郎は免許がない! そうか、それで大山さんが運転手代わりか。そうかそうか、運転免許持ってないんだよな、柊史郎は。博士号は持ってても、免許はない! 一人じゃお出かけできませんってやつだな」

「遠野くんやめてくださいっ。柊史郎くんを刺激するようなことは……っ」

「行くぞ、頼政!」

 ぶち切れ寸前と顔に書いて、柊史郎が怒鳴る。

「は、はいっ」

 慌てて運転席に乗り込む頼政。そして遅れてなるものかと後部座席に転がり込む椿と和臣。

「……てめえら」

「まあまあ、柊史郎くん。お二人とも柊史郎くんを心配してくださっているんですから」

 引きつった笑みを浮かべて、頼政はエンジンをかける。

「頼んでねえよっ」

 座席の上で器用に胡座をかいて、柊史郎は不機嫌に言い放つ。それでも乗り込んでしまった二人を追い出すことは諦めたらしく、顎をしゃくって発車を合図した。口は悪いがさすが柊史郎、このパターンに陥って椿と和臣を排除するのが難しいことを察しているらしい。いや、頼政ですら薄々察していたくらいだから、こうなる展開を、とっくに見越していたに違いない。

 車は、ほとんどがら空きの駐車場から、ゆっくりと裏門に向かう。

「途中で帰るって言っても無駄だからな」

 ぼそり、と柊史郎が言った。

「言わないもん。あ、柊ちゃんガム食べる? イチゴ味だけど」

「俺、万が一の怪我に備えて包帯と消毒液持参してるぞ」

「……遠足じぇねえっつーの」

 わかってんのかこいつらは、と呟く柊史郎のほうが、よっぽど二人を心配しているのではないだろうか。

 笑いをかみ殺した頼政は、アクセルを深く踏み込んだ。




 辺りが夕闇に包まれる頃、一台の車が鬼島研究所の裏手に停止した。舗装された道路から木々と藪の間に入り込んだそこは、車を隠すにはちょうどいい。

 バスも通わぬ陸の孤島に位置する鬼島研究所は、鬼島寅之助その人の異質さを露骨に表現しているかのような、古びた洋館風の造りをしている。夕闇を背景に、不気味さを呈している、というべきか。

「なんか、フランケンシュタインでも住んでいそうな建物だなあ」

「っていうか、雰囲気はエクソシスト?」

 和臣と椿の感想は、ずれているようで合致している。――つまり、絶対何か出て来そう、という部分だけは、外しようがないということらしい。

 ともあれ、緊張感の欠片も無いのは事実。

「計画は説明した通りだからな」

 柊史郎は、二人に冷ややかな視線を投げる。

「あたし達にまっかせて! 柊ちゃんが用意してくれたこのカードで、セキュリテイロックなんて突破しちゃうからっ」

「俺、見取り図もばっちり頭ン中だぜ」

 まるで何かのゲームのノリである。間違っても、警察のお世話になるなどとは思っていないらしい。――それは、柊史郎にしても同じことだが。

「柊史郎、お前こそヘマすんなよ!」

 和臣は柊史郎に向って人差し指をつき立てると、椿と二人仲良く立ち木の向こうに消えていった。

「誰に口きいてやがる、サルが」

 舌打ちしつつ毒づいた柊史郎の声など、聞こえてもいないだろう。

「柊史郎くん、いいんですか?」

「何がだ?」

「だって……お二人とも、知らないんですよ? 柊史郎くんが、鬼島さんと会う約束を取りつけているだなんて」

「教えてやったら、間違いなく計算が狂う」

 言い切ると、柊史郎は再び車に乗り込んだ。続いて、頼政も運転席におさまる。

 車は、何事もなかったかのようにバックして道路まで戻ると、鬼島研究所の正面に向って、滑るように走り始めた。

 数百メートルも進まないうちに、古びた鉄門の前に突き当たる。

 錆びた門には似合わないような監視カメラが、車の気配を察知して首をもたげた。ご丁寧に、自動的にライトまで照らされる。

 柱に取り付けられたインターホンで名乗ると、門は嫌な金属音を響かせながら開いた。

 柊史郎と頼政は、すんなりと受け入れられたということだ。苦労して裏口に回ったり、塀をよじ登ったり、監視カメラを気にしたりする必要はない。椿と和臣がこの事実を知ったら、散々文句を言いそうであるが。

「さて、行くか」

 にんまりと、柊史郎が笑う。

 Tシャツの上から薄手のジャケットを羽織り、蛇を模ったシルバーリングをポケットにしまう。たったそれだけで、桃井研究所で暴れん坊と怖れられる柊史郎の姿は、どこにでもいる少年――いやむしろ、繊細な顔立ちの所為でどちらかというと大人しそうな美少年のできあがりなのだった。




 二人を玄関で出迎えたのは、鬼島寅之助本人だった。

「そうこそ、我が研究所へ」

「わざわざ土曜日のこんな時間にお邪魔して、申し訳ありません」

 殊勝に頭なんぞ下げて見せたのは、柊史郎である。彼の平素の言動しか知らない者ならば目を剥きそうなところだが、実は柊史郎、やろうと思えば素直で礼儀正しい少年の「ふり」をすることくらい、造作もないのだ。自分に有利に立ち回るためには、善良な市民にも化ける悪党――いや、天使の仮面も被る悪魔なのである。

「いやいや。今日、この時間は研究員達もほとんどおらぬ。ゆっくりと話をするには都合がいいというものだ」

 赤ら顔の下膨れで頭の天辺は薄いのに、もみ上げだけは異様に長い。椿が表現するとそういうことになる鬼島だが、柊史郎が表現すると、いかにも馬鹿面な、という言葉が付け加えられる。

「君は、ここは始めてじゃったかな?」

「ええ、お噂だけはうかがっておりますが」

 太り過ぎの身体を揺らしながら歩く鬼島に半歩遅れて、柊史郎が歩く。頼政はあくまで柊史郎のお供という立場で、菓子折りの袋を提げて無言のままそれに続いている。

「外観は歴史ある洋館風なのに、中は随分と近代的でいらっしゃるのですね」

「改装には金をかけておるからな。とくに防犯設備は充実しておるぞ。わしの研究には、大変な機密事項も含まれておるから、当然といえば当然だが」

 厚い土色の唇が、鯉か鯰のようにパクパクと動く様子を見る柊史郎の目は、決して好意的な色を湛えているわけではないのだが、そんなことに気付く鬼島ではない。

 ほどなくして通された部屋は、どこぞの成り金社長の部屋もかくや、という有様だった。

 木目調の調度品と、一見何と書かれているかわからない額縁入りの書、骨董品らしい武者兜、金色の壷に大理石の応接テーブル。

 柊史郎の部屋の趣味も決して褒められたものではないが――こちらも、なかなかのものである。

「電子ロックや赤外線センサーをはじめとするセキュリティシステムの監視室は、わしの研究室と部屋続きの設計にしておってな。勿論、ネットワーク監視装置もある。何かあれば、すぐにわかるようになっているというわけだ」

 他の者だけには任せておれん、などどもったいつけて言うのは、この男が案外小心者であることを裏付けている。

「ああそうそう、あれが、君が電話で見たいと言っていた掃除ロボットだ」

 ぺらぺらとよく喋る鬼島は、客人にソファを勧めるより先に、部屋の隅に制止している円錐型のロボットを指差した。

「ああ、あれがそうですか」

 しらじらしく、柊史郎は感心してみせる。

 実は、鬼島はこのロボットの開発者が柊史郎だとは知らないのだ。仮にそれを知らないことが仕方のないことだったとしても、桃井庄蔵から盗んだ技術だという罪悪感も、それを柊史郎に感づかれているという可能性も思いつかないとは、まったくめでたい男である。

「イラッシャイマセ」

 掃除ロボットが、二つの車輪を動かして近寄ってきた。円錐型のボディからひょろっと伸びた両腕が、上下にコミカルな動きを見せる。

「このロボットは万能でね、極基本的な日常会話はインプットされている。掃除も完璧でな、フローリングと畳との違いを見極めて、拭き掃除をすることも可能だ。これを量産することができれば、家庭の主婦は万々歳というところだな」

「鬼島さんの天才的な技術には、いつも驚かされます。当研究所も、惜しい人を逃してしまいました」

 柊史郎は思ってもいないことを言うと、心の中でほくそ笑んだ。

 生みの親であれば――いや、柊史郎にかかれば、このロボットの微妙な動きを見ただけで、回路の一つ一つまで読めたようなものだ。つまりこれは、柊史郎が造ったものとまったく同じ性能のロボットであると、完全に見抜いてしまった。

 しかし、テレビを賑わす若手俳優も顔負けの、悩み深き少年の顔は崩さない。全員がソファに座ったところで、柊史郎は重々しく口を開いた。

「実は、鬼島さん……今日こちらへお邪魔した理由は、別にあるのです」

「別の理由?」

 すると鬼島は、露骨に不審そうな顔をした。

「この、万能なロボットが本題ではないとでも?」

 柊史郎は頷いたが、なかなか言い出せない素振りで俯く。代わりに、ようやく出番とばかり、頼政が身を乗り出した。

 これはつまらないものですが、と今更のように菓子折りを差し出して、慎重に告げる。

「……柊史郎博士の出生の秘密を、あなたならご存知でしょう? 鬼島博士、実は、それを詳しく教えていただきたいのですよ」

 瞬間、明らかに鬼島の顔つきが変わった。

「自分の体が、今後の科学の進歩に貢献できるのであれば、ぜひ研究材料として、世の中に発表するべきだと、柊史郎博士は考えているのです。もちろん鬼島博士、あなたの功績も認められることでしょう」

「う、うむ」

「祖父の庄蔵は……何度談判しても許してくれない。だから、あなたしにしか頼めません」

 畳み掛けるように、柊史郎が言った。

「わしにしか、頼めぬと?」

「ええ、そうです。この世界広しといえども、鬼島さん、あなたしか頼める人はいません」

「そ、そうか。わしだけか」

 込み上げる笑いをかみ殺そうとして、鬼島の顔が醜く歪む。

 これまでは桃井庄蔵に邪魔をされて不可能だったが、柊史郎を協力者に巻き込むことができれば、簡単に世間の注目を浴びることが可能だ。世界一の有名な科学者になって、屑共の這いつくばる様をみてやりたい。金も稼いで、豪邸に住んで、綺麗なお姉さんに囲まれて――などと、鬼島の目は口以上に物を言う。

「実はわしは、こんな日も来ようかと、地下の研究室で密かに実験を進めておるのだ」

「それは素晴らしい。よろしければ、見学だけでもお願いできませんか?」

「ぜひ、お願いします」

 鬼島相手に、柊史郎と頼政が二人掛かりで頭を下げる。自分がいつか見下してやろうと思っている研究所の人間にここまでされて、悪い気になるはずもない。

「まあ、そこまで言うなら……」

 勿体つけて、鬼島はのっそりと立ち上がった。

 ただし口外無用だと、これだけは正論であるようなことを言いながら、鬼島はズボンのポケットから鍵を取り出すと、執務机の引き出しの鍵穴に、それを差し込んだ。そこから更にもうひとつの鍵を取り出し、今度は書棚の中の手提げ金庫を取り出した――その、瞬間。

 突如、非常ベルのような音が室内に響き渡った。

「な、なんだ?」

 鬼島は手提げ金庫を放り出さんばかりに驚いて、それからあたふたとし始める。

 視線をすばやく交わした柊史郎と頼政は、それが合図とばかりに行動を開始した。まずは、一緒に驚いてやる「ふり」だ。

「何事ですかっ?」

「な、何者かがこの研究所に侵入したらしいっ。この音は裏口だ」

 早口に答えて、鬼島が部屋の奥のドアに駆け込んでいく。どうやら、そこが監視室というやつらしい。

「誰か、手の空いた者はおらんかっ!?」

 怒鳴っている声が、開けっ放しのドアから聞こえる。

「我々が見てきます!」

 頼政が監視室へ続くドアの前に駆け寄って、喚いている鬼島に叫んだ。

 その隙に、柊史郎は手提げ金庫を拾い上げると、鬼島が放り出した鍵でその蓋を開けた。出てきたカードキーをポケットにしまい、更に掃除ロボットの目の前に回り込んで、尊大に告げる。

「俺が大天才、柊史郎様だ!」

 ピピピ、とロボットから電子音が応える。

「――ゴシュジンサマ。キーワード、ショウニン、シマシタ。ゴメイレイヲ、ドウゾ」

「あの不細工な顔のおっさんを、部屋から出すな」

「リョウカイ。ブサイクナオッサン、ダサナイ」

 柊史郎はにやりと笑う。

 そっくりそのまま真似をしただけで作られたロボットなら、柊史郎を最上位の主人と仰ぐ隠されたキーワードも残っていると読んだのだ。

「先行くぞ、頼政っ」

 そう言うと、柊史郎は部屋を駆け出した。

 テーブルの上に置きっぱなしになっている菓子折りの箱を掴んで、頼政が後を追う。

 椿と和臣は、必ずセンサーにひっかかる。それを計画に入れていた柊史郎の計算は、数秒単位まで完璧なのだった。




「お二人は、大丈夫でしょうか?」

 地下に向って階段を駆け降りながら、頼政が問い掛ける。

「捕まらなきゃ、地下まで辿り着けるだろ」

 あっさりと言ってのけて、柊史郎は頼政の手から菓子折りの箱を取り上げた。

 びりびりと包装紙を破って――中から現われたのは、モデルガンだ。

 万が一鬼島が包みを開けようとしたらどうしよう、と心配していた頼政のことなど、柊史郎の関心事ではない。

「そうですよねえ、集合場所は地下の研究室だと決めているし、遠野くんは見取り図は覚えたと言っていたし……」

 柊史郎が投げ捨てた包装紙と箱を拾い集めながら、頼政は心配そうに呟く。こういう緊張感のある――というか、あってしかるべき場面でもモラルを欠かさないところが、頼政が頼政である所以であろう。

「早くしろ、頼政」

 常識などもとより通用しない柊史郎は、とっくに先に行っている。

 やがて二人は、地下に辿り着いた。

 無機質な鉄のドアが、階段を降りてすぐの廊下の突き当たりに、立ちはだかっている。柊史郎がドアの横の装置にカードを挿し込むと、ドアは自動的に左右に開いた。

 中は暗い。幾つかの計器ランプが点滅して、機械音が響いている。

 柊史郎は、暗いのも構わずに奥に入り込むと、メイン端末の前で立ち止まった。すぐに、キーを打つ単調な音が響き始める。

「あ……電気、電気つけますね」

 頼政は壁を手探で、スイッチを探す。

 ほどなくして、灯りがついた。

 明るくなって初めてわかるのは、意外に広い部屋の作りと、多すぎる計器やケーブルの束だった。水槽のようなものや、プリンタから吐き出された紙の山もある。

 ――しかし、そこに柊史郎の姿がない。

「柊史郎くん?」

 先程までいたはずの場所に姿が見えなくて、頼政は慌てて部屋の中に駆け込んだ。

「柊史郎くん、どこですかっ?」

「――頼政」

 声が、した。

 なんのことはない。ちょうど死角になっていて見えなかっただけなのだ。少し奥まった場所に据えられた水槽の前に、柊史郎は立っていた。

「急に見えなくなったから驚きましたよ」

 あはは、と苦笑しながら、頼政は柊史郎のほうへ歩み寄った――そこで、異変に気がついた。

 柊史郎の様子がおかしい。どこか、変だ。

「……柊史郎、くん?」

「和臣の奴……笑えない冗談だな。フランケンシュタインも真っ青だ」

「はい?」

 何を言っているのか、よくわからない。ただ、これはいけないと、頼政の頭で警鐘が鳴り響く。

「……頼政、俺は人間か?」

 その声は、わずかに震えていた。

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