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春の女王はとびもりをしていた
「もしもし。春の女王さんですか。ぼくは村人Aという者です」
(こんにちは、村人Aさん)
「こんにちは。あのですね、この国には今、春が来なくて困っているんです。春の女王様は、今、いったい、なにをなさっているんですか?」
(私は最近、とびもりにはまっておりまして、今は、オンラインの島でカブトムシを捕っていますよ)
「か、かぶとむし!? ていうか、とびもりってなんですか?」
(ゲームです)
「げーむとは?」
(楽しいおもちゃです)
「そうなんですか……。よくわかりませんが、早く来て下さい。国民の皆さんが待っていますよ。わかりましたね?」
(ちょっと難しいです)
「なんでですか?」
(やらなくちゃいけないことが、たくさんあるんです。それじゃあ。ブチッ。ツー、ツー、ツー)
「もしもし。おーい。もしもーし」
あれ、話せなくなってしまった。くそう! もう一回だ!
春の女王様の名前が出たところで、決定。ぷるるる、ぷるるる。
(……)
「春の女王様、いいですね。来て下さいね。わかりましたね? 言いましたからね」
ぴっ。
今度はこっちから切ってやった。先手必勝だ。
ようし。後は春の女王様が来るのを待って、冬の女王様にどいてもらえば、一攫千金はぼくのものだ。
村人Aは夢がふくらんだ。




