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村人A、春の女王に電話する


「死ねっていう言葉は、どうなの」

「だれよあんた」


女王様は村人Aの言葉に気付き、箱形のピコピコから目を離すと、そう聞いてきた。


「ぼくは、村人Aです」

「へーそう。じゃあねバイバイ」


バイバイと言って、村人Aにはこれっぽっちも興味なさそうに、冬の女王様はピコピコに戻った。


「ちょっと! ちょっとちょっと! 冗談でしょう」

「バイバイ」

「……」

「いつまでいる気。私は忙しいの。とっとと出てってくれる」

「話だけでも聞いて下さい。女王様」

「村人Aが女王様に何の用?」女王様がピコピコしながら聞いてくる。

「あのですね、国民の方が困っているらしくてですね、さっさと……いえ、お願いします。塔から出てくれませんか?」

「うっさいわねぇ。ここは電波がいいから、離れたくないの」

「で、でんぱ!? なんですか、それは」

「おこちゃまは知らなくていいの。早く出て行って」

「……」


わけのわからないことを言う女王様に、村人Aは

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、と言って逃げ出したくなった。


でも、そうしたら一攫千金の夢が叶わなくなってしまう。

村人Aはなんとか堪える。


ふと横を見ると、冬の女王様がやっているのと同じような機械が、棚の上に置かれていた。


「これはなんですか」

「あーそれは電話よ」

「でんわとは?」

「春の女王とか、夏の女王とそれで話せるの」

「え」


村人Aはびっくりした。これがあれば、春の女王様を呼び出すことが出来るかもしれない。

村人Aはさっそく、ぴぽぱぽとボタンを押してみた。

すると、春の女王という文字が出てきた。決定のボタンを押すと、ぷるるるる、と音が鳴り始めた。


「ようし。これで春の女王様を呼び出せるぞ!」


しめた! 村人Aはそう思った。


「はい、もしもし。春の女王です」


少しすると、箱の中から、春の女王様の声が聞こえてきた。


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