8 竜神
少女は、口を開いてこちらに問いかけてくる。
「のう、こ奴らが例の勢力を広げてた【G盗賊】を倒してくれた者たちなのじゃな?ジーク」
「ええ、お館様。そうでございます。
ですが、一つ訂正するとこの者たちではなくこの男のみ
です」
執事は冷静にいつもの日常のように訂正していた。
まあ、この人たちからすれば日常なのかもしれないが。
そうなると、このお館様って呼ばれている幼女・・・少女は普段から話をよく聞いてないってことかな。
そう、思うと少し笑えてくる。
「へーこの娘がお館様か〜」
姉妹のの内上の方が意味有りげに聞こえるようにつぶやく。
さっきまで緊張でガッチガチだったくせに。
「何なのじゃ!その意味有りげな、物言いは、さっきまで緊張しておったのじゃのに」
外見の相応にはしゃぎながら批判している。
次は、姉妹の下のほうが ふぅ と安心していると
「なんじゃ、そこの小娘は!わしを見て
『安心した、こんな小さい子もいるんだ。緊張してたのが無駄になっちゃった』とか絶対心の中に思ってたのじゃ
小娘はそっちなのじゃ!
妾はせいちょうきとやらが来ないだけで、りっぱなおとなのおとめなのじゃ」
ハハ、それはツボるww
その見た目で言うのは卑怯だ。笑えてくる。
「なんじゃ、次はその男か、その笑い絶対妾を馬鹿にしてる!」
少女は顔を真っ赤にしてぷんぷんに怒っていると言うのが似合う姿になっている。
「妾はもう、怒ったのじゃ。そこの姉妹はおなごだからまだ大目に見ていたのに、男のお主はだめなのじゃ」
少女がそう言うと、蒼いオーラの様なモノ
俗に言う魔力みたいなものだ。
前に戦った呪術師にエネルギーの動きと性質が似ている。
だが、あの時の呪術師より量も質も段違いでこっちの少女の方が上だがな。
その蒼い魔力が少女を包み込み見えねくなる。
蒼い繭とでも言うべきものが、脈動し膨らみ妙齢の大人の女の姿が現れる。
「やはりか、内包するエネルギーで良い個体とはわかっていた。
さっきの『りっぱなおとなのおとめなのじゃ』と言うセリフもこの姿で言えば文句なしなのに」
俺が言うと、少女?は仕方無しげにつぶやく
『仕方ないのじゃ、この姿は疲れるのじゃ
じゃから、直ぐに殺ってあげるのじゃ』