6 龍
ボンカレーうまい
狐姉妹の姉が門番に男の事を説明し始める。
「えっとね、グレンのおじさん。そこの人はね盗賊に襲われた私たちの村を救ってくれたんだよ」
「なにぃ、姐さんと嬢ちゃんたちの村が襲われただって!!
そりゃ、どこの盗賊団だ?」
門番は俺が村を救ったことより、村が襲われたという事実の方に頭がいっぱいの様だ。
それもそうか。あの村の村長の事を『姐さん』とか言って慕ってるみたいだしな。
「え、あ・・・うん。襲ってきたのは【G盗賊団】だったんだけど――
門番のおっちゃんは最後まで話を聞かずに、門の近くにある門兵詰所に駆け込み。
仕事仲間にあわてて話しているようだ。
それからそれほど時間はかからず、門番のおっちゃんと休んでいた門番が詰所から出てくる。
「門番のおじちゃんたち、話をちゃんと最後まで聞いてよ」
狐少女が弾けたように叱り始めた。
(こういう叱りって叱られたいって時があるかも。
そっち系の趣味はないんだが、けどケモ耳少女だからアリか?)
俺がそんな邪な事を考えている内に、簡単な説明は終わったようだ。
――だから、この男の人が村を救ってくれたんだから、え?こんなひょろっちい人種があの盗賊団に勝てるはず無いって?もしそうだとしても、末端の雑魚たちだって?
そんな事ないもん、この人は捕まってた私をあっという間に救ってくれたんだもん」
少女が襲われた時の事を思い出してしまって、涙目になりながらも必死に説得している。
「嬢ちゃんたちが言うなら、わかったよ。信じるよ」
門番のおっさんが諦めたように言う
「え?ありがと」
「だけどよ、一応義務だからよ。お館様には報告さしてもらうために、お前たちには付いて来てもらうがな。だけど嬢ちゃん今日、良く喋るな~。なんかいいことで起きたのか?」
「あ・・・・う、うん」
少女は勢いで喋ってた事実に気づいて、恥ずかしくなったのか顔を赤らめている。
少女にとっては二つの意味で顔を赤らめたのだが、それは音無の知るところではない。
それから、門番のおっちゃんは仲間に門を任せ。俺たちを館に案内してくれるようだ。
ギギギと門が開き、中に見えたのは。洋風と和風が混ざり合ったというのが一目見ての感想だ。
俺は、こう言う場所も悪くないと思った。