2 狐
残酷描写かもしれません(かもしれないだけ)
―ギャアァァァァ―
隊長の叫びが広場に木霊する。
すると奥に佇んでいた男が
「誰だ!!出てこい!!」
大柄の男がが怒鳴り叫ぶ。
「何てすか?こんなに大勢で騒いで
私の相手になりたい来てもいいですよ。
だから、いいよこいよ。
別に他意はないですよ。
あ、もしかして君らそっち系の人でした?すみません私はそういうのは受け付けておりませんからw。」
一人の男がどこからか現れて、冷淡に言いつつバカにした受け答えをしている。
「うるせぇ!!お前ら!叩きのめせぇ!!」
大柄の男が叫ぶ
「「「「「「うぉおおおぉぉぉ」」」」」」
盗賊達がいっせいに叫びながら、一人の男に向かって襲い掛かる。
男の左腕を中心に体の廻りに、黒い靄のような物がかかり始めた
そして、左手を地面に添えると小さく何かを呟いた。
「***」
呟いたその言葉は聞こえなかった。
いや、聞けなかった。
その言葉の時だけノイズが入り聞こえなくなっているように思える。
男が呟いた直後に、襲いに来てる盗賊達の足元が盛り上がり、
盛大に転けた。
そして、男は地面から自然な動作のように、さも慣れきった動きのように刀を抜いた
その刀は黒く、刀身は鈍く光っていた。
未だに動けない盗賊達に
動けないのではない、捕まっているのだ。
地面から生えた、黒い手のようなもが、盗賊達の手足を掴み離さない。
その盗賊達に近づき刀を構えて斬っていく。
「クソ、どうなってやがる、お前らぁ!」
大柄の男が怒鳴り散らす。
「だ、団長!!た、助けぇひゃぁぁぎゃぁぁぁーーーー」
そうやっている内に盗賊達が斬られる。
とうとう、盗賊は団長だけになってしまった。
「お、おい!!お前!!こいつがどうなってもいいのか!?」
団長は慌てた様子でビビりながらも近くに居た少女に剣を押し付けて叫ぶ。
「****」
男はまた何かを呟いく。
次の時には、少女は男の方に立っていて、団長の腕の中から消えていた。
そして男が持っていた刀が、団長の口を通して存在感溢れんばかりに主張してるように、貫いていた。
ツウーーーー
団長の口から赤い一筋の線が出来た。
刺されたままの刀が下方に移動し始める。
ーーズズズズズズーーーー
肉を裂き斬る。
無惨な死体が新たに一つ出来たのである。
ただそれだけの事。