【七匹目】①
【草樹との出会い……】side:采景・登場人物:草樹
その日は、本屋へ散歩に出かけた。まずは、料理の本。
おぉ!これは……と、手を伸ばした。手が重なる……。
「きゃっ……すみません。」
「……あぁ、すみません。」
……ちっ……内心、苛立ったが棒読みで謝る。
「あの、料理……されるんですか?」
……あぁ……ウザイ。
「……。」
無言。
「すみません~~」
勝手に傷ついて、去って行った。
「あぁ~~あ。」
気兼ねなく、料理の本に手を出した俺に……絡む男。
「……何?」
同年……?
「かわいそうぅ~~。」と、言いつつ態度はそうでもない。
「……綺麗な顔だね。けど、男か……残念。」と、ニヤリ。
ムカッ……男に、綺麗な顔と言われるのは好きじゃない。
「どっか行けよ。」
「何で~?」
……。
イライラする。
本の中身が気に入ったので、精算の為に俺が離れた。
……?
気配が、ついてくる??まさかな……店を出ても……寮の近くになっても……
【バッ……】
急に振り返ってみる。……が、いない。
……アイツだ……さっきの、男の方だ。間違いない……匂いが、微かにする。
男に、ストーキングされる覚えはない!!
【ダッ……】
全速力で走る。……寮を通り越し、少し離れた公園に入る。
……?追ってはこない??だよな……
気にしすぎたんだ……。同じ寮の奴かもしれないし、はは……いらない体力を使ったか。
天気もいいし、ベンチに座って本をめくる。
……お、この先生……いい感じ。関連の本出てないか、後で……イヤ、すぐにでも調べるか!
鼻歌交じりで、寮に向かう。ドアの前で、鍵を出そうとして気づく。
「……?この匂い……」
しかも、俺の部屋から?!
「開いてる!!」
鍵は、確かにかけた。……はず。鍵はここにある……。
そっと、ドアを開ける。中から、テレビの音と笑い声。
「……。」
呆然とする俺に、奴は言った。
「おかえり~~。で、君……名前何?」
「……お前こそ、誰だ?」
「あ。多分、仲間だよね?松木 草樹!雑種デス!!」
仲間……雑種……??大上家の遠縁……か??
「鍵は、どうしたんだ……?」
「開けたよ?いやぁ~~。人間、やって出来ないことはないんだね?くすくす……へへっ。」
無邪気に笑うが、意味不明……。
「何、くつろいでるんだ……?」
「え?アイス、食べる??大丈夫!冷凍庫に、いっっつぱい入れてるよ?」
「意味が分からん!!出て行け!!」
「えぇ~~??じゃ、晩御飯!!食べたら、出て行くよ?」
……飯……?
結局、その日から通う……野良狼?
紫貴一言。
……結局、采景側の観点で書くと……草樹が采景を気に入った訳は、解らないですね??
でもこの話で、草樹の恋愛相手は、決まりましたよ……。話、膨らむかな~~?番外編に、収まる?
一度、触りで書いてみるか……な?楽しそうだけど……。草樹って、どこか……読めないし。
麗季への気持ちも、さっぱりしてるのか……??未知数だ……
【毎日のように……】
「苺愛……」
ベッドに押し倒した苺愛が、俺を見つめる。
『ピンポーン』
この時間は、飯……あいつか!!
無視だ無視!返事のない時は、入るなと言ってある。
「……采景、草樹じゃないの?」
「いい、無視して……他の男の事なんか、考えるなよ。な……」
「ん……でも、……ぁ……」
俺は、片手を服に入れ……もう片方で、ボタンを外そうとした。
『ピンポンピンポンピンポン~~』
……。あいつ!!
苺愛の機嫌が悪くなり、触れようとした俺の手を払いのける。
「今日は嫌!!帰る。」
「ちょ、苺愛……待って……」
玄関で、苺愛が怒りながら出ていくのに、笑顔で入ってくる奴がいる!!
「……。」
俺は、怒っているんだ。
せっかくの楽しみが……楽しみが……畜生!!
「采景、腹へった。」
無視!!
「采ぁ~景ぅ~~~。腹、へった♪」
……無視だ!!
今日こそは、コイツにしっかり……
「采景、苺愛……」
「あぁ?」
何だよ!!苺愛が何だって言うんだ?
機嫌を損ねたら、戻ってこない!追いかけると、余計にこじれるんだぞ!!
「腹へった。」
……。
無視すると決めたのに……この、笑顔……ムカつく!!!!
結局、草樹のご飯を作った……何故だぁ?!
タイトル『自分に無頓着?』視点:采景
「おい!数日、学校を休んで……べっ、別に心配をしてじゃないぞ!どうしていたんだ?」
「……采景、腹へった……」
いつもの笑顔……しかし、異様に怖い?
「何日、食べてないんだ?」
そう、こいつ……放っておくと食わない。
「え?アイスは、6つ食べたよ?」
「黙れ、アイスを飯に含めるな!」
そうして、いつものようにエサを作る。
麗彩がご飯を作れるように訓練したのは、俺だ。全く……しょうがない奴だぜ。
『男話』視点:采景
「大上。ちょと、手!手を見せろ!!」
いきなりクラスメート3・4人に囲まれ、手を取られる。
「ほら見ろ!」
「おぉ~~!!女性に優しい手だ!」
……はぁ??
「何の話だ?」
「くふふ……H♪」
イラッ!!
訳の分からん会話に、ニヤニヤと笑う奴ら……そこへ「何、何??楽しそうじゃん♪」
草樹の登場。すると、標的を変えた奴ら……
「こいつも、怪しい!!」
「見てやれ!!」
俺と同じように、草樹の手を一人が掴んだ。4人が囲む……
「げげっ!!!爪に砂が!!?!?!!」
「あぁ、さっき麗彩と砂場で……」
「きっさま!!そんな手で、麗彩に触ったのか!!?来い!切ってやる!!!!」
「きゃぁ~~♪♪采景のHぃ~~~~」
しかし……学校をさぼって、麗彩と遊びながら医者になる草樹が怖いな。
【進路】side:苺愛
「采景、高校どこ行くの?」
「苺愛と、同じとこ!」
……よかった。采景って、お兄さん大好きだから……希東って言うかと思った。
ん?と、覗き込む采景の顔は……綺麗。
「私、太西に行きたいの。」
草樹くんがいるから、OKかな?と、思ったのに……嫌そうな顔。
どうして……?采景って、何を考えているか……いまいち、つかめないのよね。
「どうして?」
采景は、私の手を引っ張り……体を引き寄せ……抱きしめる。
しかも、ここは教室。みんなは馴れたのか、騒ぐ人もいない。
見ている人は、いる……。
「苺愛、色々……頭で考えるの……癖?俺にも、言って……苺愛を知りたいんだ。」
寂しそうな表情の、采景。
こんな表情初めて……また考えて、言葉にしていない。
「何かが、呼んでるの。」
魔女の血が告げる。
「ふうん。出逢いが待ってる?」
ちょっと、不機嫌な采景。
「どうして、不機嫌なの?」
考えてることを言ってと、言ったのは采景なのに……
「分からないの?」
考えろって事?……考える……が、答えは分からない。
首を傾げる私に、怒りをキスで返す。
「……っ!!」
私を求める……激しい……キス。
ここ、教室……なんだけど?冷静な私に、呆れたのか……
「……ごめん。」
私を置いて、教室を出て行った。
……こんなところに、残さないで……。一人に、しないで。
でも、今……追いかけたら?
怖い……どうしていいのか分からない!涙が零れる。
「委員長、大丈夫?」
クラスの男の子に、肩を触れられる。
「……触らないで……」と、言ったと同時。
「苺愛、来いよ!!」
ドアの入り口で、不機嫌に叫ぶ采景。
「うん!」
中庭に移動する廊下……外に行くのかな?
不機嫌なのは、直っていないみたい。いつもより、歩く速度が速い。
「苺愛、どうして……泣くの?どうして……」
急に止まって、振り返る采景にぶつかった。
「……痛……?采景が、置いていくから。悲しくて……ごめんなさい。もう、泣かない……ね。」
「はぁ……」
采景のため息に、顔を上げられない。
「苺愛……」
最近、采景の呼ぶ声が優しい気がする。
そっと、見上げる。綺麗な顔が近づいて……唇が重なる。
優しく……何度も……足りない。
「……もっと……」
求める私に、優しく微笑んで……。
キスを止めた。
……??
「苺愛、俺……もう少し大人になる。苺愛が大切なんだ……。今まで、俺だけが好きみたいな……苺愛を物みたいに扱ったりしない。」
今までと変わる……?
意味が分からない。けど、何故か……不安になった。
「嫌だ!今まで通りで良い……。寂しい、足りない……もっと、キスして……お願い……。」
「人がせっかく……我慢してるのに……」
いつものように強引な、キス……けど、どこか優しくて……
違うけど……嬉しい。胸が……苦しいけど……幸せだ。
「采景……采景、好き……大好き……よ……」
「苺愛……」
紫貴一言。
苺愛目線……意外に考える子ですね。
引きこもりだったからか、人の様子を常に観察して……慎重な性格。
しかも、采景が……大人に?!
高校生になった采景・苺愛は【悪魔が微笑んで・・】に、太西高校で登場♪
苺愛は、小鹿と友達になるかな……?
多分、みんな……成長しているんだね。うんうん……嬉しいよ。草樹は、成長……するのかな?
Ep.11【③勝手に設定を語る】に色付けしたもの
「強引に……俺様」に??采景は、高校生で落ち着いてしまうのですよ……
『優しくしようかな?』視点:采景
あれは、家族が留守の日のこと。
父さんは、仕事で出張。兄は、仕事を継ぐ勉強で……ついて行った。
姉は、結婚して家を出た。家に、母さんと俺の2人。
「采景、お腹すいた。」
「……うん。」
いつもの時間より早く、俺を急かす。
食事中、何度も視線を感じた。
「母さん、どうかした?」
「……ううん。何でもない……どうして……」
「何?」
「あなたの顔は、二人を足したような顔……」
女に間違われるのは、嫌いだけど……そんなことは言えない。
「俺、保兄みたいな顔がよかった。」
「くふふ……私と遠矢の子……ふふふ……遠矢には内緒ね?幸せよ……」
母親なのに、可愛いと思える笑顔。
「父さんにも、見せてやればいいのに……」
「采景、おやつ!!」
母さんは、急に機嫌が悪くなって叫んだ。
「……え、うん。」
どこか、苺愛に似てる気がする……俺、そこに惹かれたのか??
「采景、おふろ。」
「……入れてくる。」
「采景、ここに座って一緒にテレビ。」
「……う……ん。」
段々、何かが……おかしいような??
「采景、一緒に寝て。」
……は?今、何て??
「え、それは……ちょっと。」
一応、俺……お年頃。
母さんは、若く見える外見……相手以外に興味がないと言っても……どうなんだ??
「眠れない……よしよししながら、隣に寝て欲しいの。」
甘えるように、俺に寄ってくる。
「……母さん、いつも……なの?」
「違うもん!……うっ……息子が冷たい。反抗期だ……うっ……うっ……」
母さんに泣かれるとは……結局、よしよし……しながら寝た。
苺愛……少しは、わがまま言ってほしいな。優しくしないといけないか……。
この話を聞いた父さんは、次から出張に母さんを連れて行くようになった。
前回の『かぐやな夜』にも、出張に連れて行ったと……エピが……
気が付かないですよね♪あはは……




