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B 【 大上家シリーズ】おおかみはかぐや姫を食べた  作者: 邑 紫貴
感謝短編

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83/90

【子狼】②

『呪いの弊害だろうか??』視点:諷汰


結婚して、麗彩を抱いた円華を見るだけで安心する。

今日は、草樹くんが任務で来ないみたいだし……家族団らん。

しかし……正しい家族構成なのに、違和感がするのは何故かな??

円華は 郵便物を仕分けながら、一通の手紙に微笑みを浮かべた。

……?

「誰から?」

俺の声に、一瞬……動きが止まった。そして、微妙な笑顔。

「……気にしないで。」

俺の中の何かに、火が付いた。

「ね、中身じゃなく誰からか訊いたんだよ?答えられないような人なのかな……ね?俺の嫉妬……味わう?」

麗彩を抱いたままの円華を抱きしめる。

手紙を持つ手に、甘噛み……

「……んっ……ダメ、麗彩がいるのよ?」

「……関係ない。それごと、喰ってやる……」

「わわゎぁああ~??待って、これは……おじいちゃんたちよ!父の方の……」

「……連絡、取れたの?」

「うん。諷汰のおかげ……」

俺たち大上家は16で旅に出ると、親とは一生……連絡を取らない過去を背負ってきた。

本家の俺でさえ……呪いが解けた後も、会うことは少ない。

さっきは、俺に遠慮したんだね……。

遠矢さんの願いだった……両親に、子供や孫を会わせたいと……

「ありがとう。愛しているわ……」

「円華……幸せを、俺の心をくれて……ありがとう。愛してる……」


紫貴のお礼!!

まさか、諷汰を選んでくれるとは思いませんでした。

コメントがなかったので、すみません……私の独断と偏見で『嫉妬』です♪

こんなのでも良いと、思われましたら受け付けておりますゆえ、どんどんご希望ください!!

頑張って、応えます。




タイトル『タヌキ寝入り』Side:円華まどか・登場人物:諷汰ふうた


朝の光に目を覚まし、隣に寝ている諷汰を見つめる。

整った顔……母さんは、諷汰が生まれてすぐくらいの時に、第一印象でそう思ったと言っていた。

それを聞いた父さんの機嫌が、少し悪くなったのを覚えている。

「くすっ」

私が選んだ……好きな人……彼が先に私を選んでくれた。

手を伸ばし、頬や髪に触れる。足りない。

身を寄せ、額や頬に口づけする。

ん?諷汰の口元が緩んで、不自然な呼吸。

ふふっ……起きたんだ。幸せそうに、私のする事を受け入れる。

無防備が、何とも言えない。

いつまで寝た振りするのかしら??

試してみたくて、ウズウズする♪諷汰の唇に指で触れた。

【ピクッ】反応はあるけど……ぷくくっ。

目を閉じているから、キスなのか分からないのかな?

眉間にシワが出来ている。どうしよう……可愛くて、仕方がないんだけど!!

我慢が出来ない……試したくなる衝動に勝てず、唇を撫でるように左右へ動かしてみる。

「はぁ……」

諷汰の唇が開いて、熱い息が私の指に触れた。

【ゾクッ】

誘われてるのかな。ドキドキが治まらず、顔を近づける。

指を退け、唇を軽く何度も重ねた。

愛しい……諷汰の愛情が欲しい……もっと……

キスをしたまま、目を開ける。

熱い視線を向けた諷汰と目が合った。

身体が反転し、上に被さる諷汰からの熱いキス。

「ね、分かっていて煽ったの?」

悔しそうな顔で、私を見下ろしている。

「タヌキが悪いと思わない?」

手を伸ばして、また指で唇に触れてみる。

「思わない!」

私の指をパクッと口に入れ、甘噛みし……拗ねた表情を見せた。

愛おしさに、狂いそうになる。

呪いで選んだんじゃない。私の心が、この人を求めている。

「ずっと、寝ていても良いわよ?」

嘘よ、あなたの愛情を味わうことが出来ないもの。

表情豊かになって、感情の増し加わっていくのが明らかになる諷汰……

それは、私が与えた愛情……

「起きたよ。すっかり目が覚めた……だから、覚悟してくれるかな?俺が味わった愛情を、存分に……君も、味わえばいいと思うよ?」

お互いに見つめ、笑顔を向けて……与え合う愛情を味わい……

二人で、また眠る……




タイトル『かぞく』Side:諷汰ふうた

登場人物:円華まどか麗彩れいや景彩けいや草樹そうじゅ


今日は家族旅行。

なのに、普通に交じっている草樹くん。

「円華……旅行予約は4人だったよね?」

視線を海辺で子供と戯れる草樹くんに向け、円華に訊いた。

円華も海を見ているのか、声が遠いように聞こえる。

「今度こそ成功したと思っていたんだけど……麗彩と離れる事が嫌なのか、手段を選ばずに来たらしいわ。」

草樹くんは満面の笑顔で麗彩を抱き、足元で見上げる景彩の頭を撫でた。

……そこは本来、俺の位置だよね?

当然の感情も、それが正しいのか不安になる。

それだけ呪いの影響で欠如していた感情が、今も拭えない弊害だ。

「円華、俺は父親かな?」

「諷汰。今の感情は十分、父親よ。ただ……ね?」

円華は言葉を探して、見つからず苦笑を見せる。

砂浜にはレジャーシートに四脚テント、リクライニングリラックスチェア2つ……

草樹くんが手配した物だ。

俺が草樹くんに不安があるとすれば、……手段を選ばない程……麗彩に占められた彼の思考。

「俺、海外の学校だから分からないんだけど……医大生って、大変なはずだよね?」

麗彩の身辺を護る為(だと思いたい)、彼が選んだ職業……

「彼、役員の仕事もしているみたいなのよね……いつ寝ているのかしら?」

2人で、互いに顔を合わせてため息を吐いた。

不安……麗彩が、草樹くんを選ばなければ……?彼の望みは……

視線を彼に向け、このままで本当にいいのかと考えるが答えは出ない。

ここは景色が違うだけで、いつもと同じ光景。

呪いの影響と弊害……俺が得た物は、大切な妻と子どもたち。

呪いの解放がなければ、子どもたちは16才に旅が強要された。

身近で幸せを見守り、困難に手助けができるなら、それは幸せな事。

見守るしかないのか?

視線を円華に向けると、リラックスチェアに横になり寝ている姿が目に入る。

学園の力で手に入れたプライベートビーチ……国をも揺るがす力。

遠矢さんは、学園に利用された分だけ利用してやるのだと言っていた。

草樹くんの計らいで、快適な環境に円華は心地よく眠っている。

……俺には、配慮の足りなかった事……嫉妬心。

円華の寝ているチェアに腰掛け、口もとに掛かった髪をすいて流す。

久々の時間……もっと、触れたいと願う。

体の向きを変え、ひざをチェアに乗せて円華の身体を覆う。

顔を近づけて、キスを落とした。

寝ている円華は、俺のキスを受け入れるように優しい寝顔を見せる。

「……草樹?前が見えない。」

「見えない!」

【ビクッ】

子供たちの声に心臓が跳ね、恐る恐る振り返る。

そこには、感情の見えない笑顔の草樹くんが、子供たちの目を塞いで立っていた。

「諷汰さん、俺……夜は麗彩と景彩を預かりましょうか?」

……俺は、疑問が大きすぎて体勢を保ったまま尋ねる。

「草樹くん、どこで泊まるの?」

宿泊予約は4人。

「え?今、建設中だよ♪」





end

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