【子狼】②
『呪いの弊害だろうか??』視点:諷汰
結婚して、麗彩を抱いた円華を見るだけで安心する。
今日は、草樹くんが任務で来ないみたいだし……家族団らん。
しかし……正しい家族構成なのに、違和感がするのは何故かな??
円華は 郵便物を仕分けながら、一通の手紙に微笑みを浮かべた。
……?
「誰から?」
俺の声に、一瞬……動きが止まった。そして、微妙な笑顔。
「……気にしないで。」
俺の中の何かに、火が付いた。
「ね、中身じゃなく誰からか訊いたんだよ?答えられないような人なのかな……ね?俺の嫉妬……味わう?」
麗彩を抱いたままの円華を抱きしめる。
手紙を持つ手に、甘噛み……
「……んっ……ダメ、麗彩がいるのよ?」
「……関係ない。それごと、喰ってやる……」
「わわゎぁああ~??待って、これは……おじいちゃんたちよ!父の方の……」
「……連絡、取れたの?」
「うん。諷汰のおかげ……」
俺たち大上家は16で旅に出ると、親とは一生……連絡を取らない過去を背負ってきた。
本家の俺でさえ……呪いが解けた後も、会うことは少ない。
さっきは、俺に遠慮したんだね……。
遠矢さんの願いだった……両親に、子供や孫を会わせたいと……
「ありがとう。愛しているわ……」
「円華……幸せを、俺の心をくれて……ありがとう。愛してる……」
紫貴のお礼!!
まさか、諷汰を選んでくれるとは思いませんでした。
コメントがなかったので、すみません……私の独断と偏見で『嫉妬』です♪
こんなのでも良いと、思われましたら受け付けておりますゆえ、どんどんご希望ください!!
頑張って、応えます。
タイトル『タヌキ寝入り』Side:円華・登場人物:諷汰
朝の光に目を覚まし、隣に寝ている諷汰を見つめる。
整った顔……母さんは、諷汰が生まれてすぐくらいの時に、第一印象でそう思ったと言っていた。
それを聞いた父さんの機嫌が、少し悪くなったのを覚えている。
「くすっ」
私が選んだ……好きな人……彼が先に私を選んでくれた。
手を伸ばし、頬や髪に触れる。足りない。
身を寄せ、額や頬に口づけする。
ん?諷汰の口元が緩んで、不自然な呼吸。
ふふっ……起きたんだ。幸せそうに、私のする事を受け入れる。
無防備が、何とも言えない。
いつまで寝た振りするのかしら??
試してみたくて、ウズウズする♪諷汰の唇に指で触れた。
【ピクッ】反応はあるけど……ぷくくっ。
目を閉じているから、キスなのか分からないのかな?
眉間にシワが出来ている。どうしよう……可愛くて、仕方がないんだけど!!
我慢が出来ない……試したくなる衝動に勝てず、唇を撫でるように左右へ動かしてみる。
「はぁ……」
諷汰の唇が開いて、熱い息が私の指に触れた。
【ゾクッ】
誘われてるのかな。ドキドキが治まらず、顔を近づける。
指を退け、唇を軽く何度も重ねた。
愛しい……諷汰の愛情が欲しい……もっと……
キスをしたまま、目を開ける。
熱い視線を向けた諷汰と目が合った。
身体が反転し、上に被さる諷汰からの熱いキス。
「ね、分かっていて煽ったの?」
悔しそうな顔で、私を見下ろしている。
「タヌキが悪いと思わない?」
手を伸ばして、また指で唇に触れてみる。
「思わない!」
私の指をパクッと口に入れ、甘噛みし……拗ねた表情を見せた。
愛おしさに、狂いそうになる。
呪いで選んだんじゃない。私の心が、この人を求めている。
「ずっと、寝ていても良いわよ?」
嘘よ、あなたの愛情を味わうことが出来ないもの。
表情豊かになって、感情の増し加わっていくのが明らかになる諷汰……
それは、私が与えた愛情……
「起きたよ。すっかり目が覚めた……だから、覚悟してくれるかな?俺が味わった愛情を、存分に……君も、味わえばいいと思うよ?」
お互いに見つめ、笑顔を向けて……与え合う愛情を味わい……
二人で、また眠る……
タイトル『かぞく』Side:諷汰
登場人物:円華・麗彩・景彩・草樹
今日は家族旅行。
なのに、普通に交じっている草樹くん。
「円華……旅行予約は4人だったよね?」
視線を海辺で子供と戯れる草樹くんに向け、円華に訊いた。
円華も海を見ているのか、声が遠いように聞こえる。
「今度こそ成功したと思っていたんだけど……麗彩と離れる事が嫌なのか、手段を選ばずに来たらしいわ。」
草樹くんは満面の笑顔で麗彩を抱き、足元で見上げる景彩の頭を撫でた。
……そこは本来、俺の位置だよね?
当然の感情も、それが正しいのか不安になる。
それだけ呪いの影響で欠如していた感情が、今も拭えない弊害だ。
「円華、俺は父親かな?」
「諷汰。今の感情は十分、父親よ。ただ……ね?」
円華は言葉を探して、見つからず苦笑を見せる。
砂浜にはレジャーシートに四脚テント、リクライニングリラックスチェア2つ……
草樹くんが手配した物だ。
俺が草樹くんに不安があるとすれば、……手段を選ばない程……麗彩に占められた彼の思考。
「俺、海外の学校だから分からないんだけど……医大生って、大変なはずだよね?」
麗彩の身辺を護る為(だと思いたい)、彼が選んだ職業……
「彼、役員の仕事もしているみたいなのよね……いつ寝ているのかしら?」
2人で、互いに顔を合わせてため息を吐いた。
不安……麗彩が、草樹くんを選ばなければ……?彼の望みは……
視線を彼に向け、このままで本当にいいのかと考えるが答えは出ない。
ここは景色が違うだけで、いつもと同じ光景。
呪いの影響と弊害……俺が得た物は、大切な妻と子どもたち。
呪いの解放がなければ、子どもたちは16才に旅が強要された。
身近で幸せを見守り、困難に手助けができるなら、それは幸せな事。
見守るしかないのか?
視線を円華に向けると、リラックスチェアに横になり寝ている姿が目に入る。
学園の力で手に入れたプライベートビーチ……国をも揺るがす力。
遠矢さんは、学園に利用された分だけ利用してやるのだと言っていた。
草樹くんの計らいで、快適な環境に円華は心地よく眠っている。
……俺には、配慮の足りなかった事……嫉妬心。
円華の寝ているチェアに腰掛け、口もとに掛かった髪をすいて流す。
久々の時間……もっと、触れたいと願う。
体の向きを変え、ひざをチェアに乗せて円華の身体を覆う。
顔を近づけて、キスを落とした。
寝ている円華は、俺のキスを受け入れるように優しい寝顔を見せる。
「……草樹?前が見えない。」
「見えない!」
【ビクッ】
子供たちの声に心臓が跳ね、恐る恐る振り返る。
そこには、感情の見えない笑顔の草樹くんが、子供たちの目を塞いで立っていた。
「諷汰さん、俺……夜は麗彩と景彩を預かりましょうか?」
……俺は、疑問が大きすぎて体勢を保ったまま尋ねる。
「草樹くん、どこで泊まるの?」
宿泊予約は4人。
「え?今、建設中だよ♪」
end




