【子狼】①
『結婚式……』side円華
「円華、綺麗だ……。」
「おじいちゃん、来てくれたのね。嬉しい……」
母方のおじいちゃん。涙を流しながら……
「大上家め……可愛い美彩だけでなく、円華まで……くっ……」
……幸せの、涙じゃ……ない?!!
「お……おじい……ちゃん?」
「美彩……高校卒業と同時に、あんな……獣と……くっ……ばあさんが、金に釣られなければ……」
え……続くの……?
どうしよう……おかあさぁ~~ん?!!
「畜生……今度は、子供だと……?反対できんじゃないか……いや、わしが育てて……」
眼が、怖い……。
「おじい……ちゃん?あの……」
「お前は、幸せなのか……?」
「え……うん。し、幸せ……だよ。」
……多分。流されてるのは、本当……。
まさか、自分が誘った……あの日……まさか……
諷汰を疑うことが山程……けど、今……そんなこと、言える状況では……
【ガチャッ】
「お母さん!!」
助かった……。
「あら、お父さん……。また、なの?」
……また……?!!
「子供達の前では、絶対に言わないでって言ったでしょ?特に、円華には……」
……え……?特に、私……?!!
「お前は、幸せなのか?」
「えぇ。可愛い……子どもに、孫……ね?幸せよ……予想外だったけど……」
それは、お父さんとの過去?
「円華、子どもは……絶対男!男以外は、赦さないわよ?」
……いつもと違う、怖い……雰囲気。
お母さん……??!!
「そうね……。女が生れたら、絶対に大上家に関わらせないわ……。ふふふっ……くすくす……」
「そうだ!もう、大上家には……やらんぞ!!」
……父さん……?一体、過去に……何したの??!!
「おや、楽しそう……」
「……お父さん……」
過去に、何したの~~?
おじいちゃんは、お父さんの首を絞め……泣き叫ぶ。
「……いやぁ~~ははは……。」
「美彩、今からでも遅くない。別れなさい!!」
「……ふふっ。そうね~~。」
「美彩、愛してる……お前を失ったら……お前を奪う奴は……呪い殺してやる……。」
眼が本気だ……。
結婚式なのに……酷い……。泥沼~~??
【コンコン……】
「入るよ~?」
麗季~~??この状況に、来て……
「おぉ、麗季……。」
おじいちゃんは、麗季のことを知っても受け止める。
「お前は、大上家の人間に近づくな!」
「本家にいるけどね~~?」
「あぁ……。オオカミより狼な奴と、付き合ってるよ?ま、元は大上家だしねぇ~~。」
「保志!!」
火に油……
「赦さん!!」
……私の……結婚式……
紫貴の一言。
大上家は、楽しいですね。呪いと、常に隣り合わせ♪……みたいな?
采景は、口を出さず……見守っていたことにしましょう。
『出産……』side円華
【コンコン……】
「はい。どうぞ~~」
「円華姉、おめでとう。」
照れながら、采景が入ってくる。
本人は、クールな振りをしているつもり……
「ふぅ~~ん。可愛いじゃん……」と、顔がニヤケている。
可愛いのは、お前だ……。
「お邪魔しま~~す。」
草樹くん。
に、「おめでとうございます。」苺愛。
可愛い花束に、可愛い……貴重な笑顔。
「可愛いですね。」
子供の前では、この子もこんな笑顔……采景が、そんな苺愛に抱きついた。
「はいはい、イチャつかないのよ!」
諷汰は、出産には立ち会ったが……すぐに出張へ出た。
確か、今日……帰ってくるはず。
「ね、抱いてもいい?」と、草樹くんの笑顔に「いいわよ。」と、言ったのが間違いだった。
【チュ……】
「「「……。」」」
キス……した……キス??!!
「なっ……何を、今……俺の……娘に!!」
タイミングよく入った諷汰の、目の前で……
「……娘が、ファーストキス……」
家の娘……生れて数日。父の抱擁もないうちの出来事。
「草樹くん?あの、どうして……チュウ……しちゃったのかな?……ふふっ……呪いは、解放されたからって……ふふふ……」
信じられないぃ~~
「え?俺、この子と結婚する。」
へ……?
「名前は?決まってないなら付けてもいい?」
何て、可愛い笑顔。
騙されちゃ、ダメ!!
「ダメよ、お母さんに……殺される!!」
娘だと知って、大上家に近づけるなと……釘まで刺されたのに!!
しかも、何故……今??!!
雑種のおおかみに目を付けられるなんて!!
「そうだな~。麗季と、采景……いや、美彩さんに似てるかな?ふふっ。麗彩」
名前、付けやがった!!
「絶対、綺麗になるね。」と、麗彩を放さない。
「草樹。一応、麗彩にも選ぶ権利があるんだぞ?」と、采景まで……名前を呼ぶ。
「まだ、麗彩……だと……」
決めたわけでは……
なのに、諷汰まで「そうだ!麗彩は、お前にはやらん!!返せ!」
……麗彩……あなた、15も年上と結婚??
胃が、胃が痛い!!ダメよ、私が殺されるぅ~~
「あらあら……ふふっ。楽しそうね……草樹くん……あなた、まさか……選んでないわよねぇ??」
母の怖い笑顔に「選んだよ?俺、麻生学園の先生になる。」と、ニッコリ。
「え……?何故、限定……?」
「え?誰にも、手を出させない。くすくす……くくっ。俺のだ……。な、麗彩……俺だけを見てくれよ?」
この時、本当なのか……麗彩は笑った……らしい。
紫貴一言。
はい、麗彩……15も年上の草樹に、目を付けられました。
楽しそうですね……ふふっ……。16歳の麗彩と31の草樹……。
麗彩は、采景と同じような綺麗な顔になる予定。
麗季と同じで、胸が大きいかは??円華が、普通なので……。
『団らん』side諷汰
円華と結婚し、可愛い子どもも生れた。
幸せな家庭……団らん……
「ね、何故……毎日いるのかな?草樹くん。」
ん?と、振り返り。
可愛い笑顔で答える。
「ヤダな、お父さん。俺も、いずれは家族。仲良くしましょう?」
この態度さえ無かったら……
しかし、呪いで一番被害にあった。しかし……。
草樹は、麗彩を抱っこしながら「愛してるよ……」と、囁く。
「情操教育上、問題が……あるような……」
「……愛されるのは、良い事……よね?」
俺と円華は遠い目をする。
【チュ……】
?!!!
「こら、親の前で……って、違う!!草樹、今後……麗彩の同意がないと触ってはいけません!」
クラクラする。今から、何故……こんな……??
草樹は、何かを考えた後……
「麗彩。胸、触っても良い?」
「はい!」
え?!!
草樹は、うっとりした顔で……小さな体を撫でる。
やばい、こいつ……!!
「こらこらこら!!」と、麗彩を取り上げる。
「ぎゃぴぃ~~~~~~」
何故だぁ??!!
俺の腕の中、麗彩が泣き暴れる。
「円華!ちょっと、頼む!!」
円華は、目を逸らし。
「無理……。私も、何度か……努力は……したのよ?」
だんだん声が小さくなる。
「返して?」と、草樹。
手を差し伸べる草樹に、「そうじゅ……」と、麗彩が悲しそうに呼ぶ。
【ズキッ……】
悪いのは、俺……?
娘を、3歳で……取られた。落ち込む……
「麗彩、チュウして?」
「……ヤ!」
……あれ?今度は、草樹が落ち込む。
それを見た麗彩が、ニヤリ……と、一瞬。
一変し、天使の笑顔で草樹の頭を撫でる。
……。
娘よ、お前……3歳だよな?
「パパ、好き!」
俺の方に走ってくる。
麗彩を受け止め、抱っこする。不思議そうな俺の頬に、キスをした。
「へへっ……」
天使の微笑み。あの一瞬で……この変わりよう……。
草樹、ごめん……お前の恋を応援する。頑張れ?
恨めしそうに、俺を見る草樹が……可哀相で……そう思った。
この、娘の……将来が怖くて……。俺の手には負えない……娘3歳……ある日の事。
柴貴一言。
麗彩は、大きくなってもこんな感じかな?
分かりませんが、草樹の暴走を止めるのは……彼女かも??
諷汰目線……大分、感情が人らしくなった。親近感を持てるような……
娘が生れたから?何だか分かりませんが……イチャイチャのイメージが 、二人にない。
おかしいな??諷汰は難しい……草樹が、絡んでくるから??




