し・ん・じ・つ!
祝福・・?
草樹は、月を見て答える。
「あぁ。俺の祝福がなくても、子孫は幸せになれた。
・・ね、美甘。」
「えぇ・・。」
草樹が、椋さん。
美衣さんは、美甘さん・・?
美衣さんは、私に・・柔らかい雰囲気で話し始める。
試練が終わったのだと・・理解した。
「麗季、私たちの息子の子孫。
羊二・・唯一呪いの影響を逃れた・・椋の双子の兄・・の子孫。」
羊二が・・?
「オレは、兄の存在を知らなかった。」
「そう、大上家が隠していたの。
双子は不吉だと・・どこかに引き取られ、呪いの影響がないまま・・家系を継いだ。
その家系が聖城 羊二・・。
あなたは、解放の最後の鍵・・になった。」
私と、羊二は言葉を失う。
どれ程の人が、呪いに苦しんだのか・・。
長い年月・・繰り返す・・呪い・・。
「・・あの日も、三日月だった。オレが、大切な美甘を喪ったのは・・。
その時生れた子供たち。オレの・・双子の、娘と息子。
双子は不吉・・だと?
娘は、知らない間に・・どこかへ連れて行かれた。」
「本当は、殺されるところだったのを・・稜氏家に救ってもらった。
そう・・それが、隠された家系の『生と死の垣根』・・
築嶋家が育てた・・私たちの娘。」
二人は語る・・
真実の過去。呪いの始まり・・采兄が知らなかった、緑色の目の始まり・・。
「オレは、大上家・・
美甘は『生と死の垣根』魔女の家系・・矢城家だった。
オレは美甘が亡くなる前、呪いを科した。
美甘が病気で苦しんでいるのに、矢城家は見合いの話を進めたから。
選ばれた魔女と・・。力を持った魔女に、長たちは逆らえず・・話を進めたんだ。
オレは・・美甘の心を、穏やかにしてあげたかった。
唯一愛した女だ。他の女なんか・・美甘の他に、愛せる奴なんかいない。
一生に一人・・喪ったら独り。
残りの時間・・美甘の心は、オレだけのモノだった。なのに・・
『忘れて、幸せになって。椋・・愛してる。だから、忘れて。』
美甘は、泣きながら・・何度も言った。」
「幸せになってほしかった。」
「嫌だ・・絶対に忘れるものか!必ず、この美甘の心を持ったまま死んでやる!渡さない!
・・そう誓ったんだ。」
「嬉しかった・・。
でも、間違ってる・・。あなたは生きていくのに・・幸せになって欲しい。
自分の命の短いことを・・何度、呪った・・だろう?」
「オレは言った・・。
『美甘・・愛している。呪って・・彼らの祝福と引き換えに・・。』」
「えぇ・・。『必ず、二人が・・幸せになるために。いつか、一緒に暮らせるように・・。
オレたちの、願いを・・叶えてほしい。』・・と。」
願い・・
「『美甘、共に死ぬなら・・それでもいい。
そうだ、息子には・・心を惹き付ける力を・・
娘には、愛することと愛されることを望む・・強さを。
美甘・・彼らの幸せを・・オレも願う』
力の残っていない美甘・・。」
「私の力が、強ければ・・。
この呪いから、子孫も・・あなたも護れたかもしれないのに・・。」
「他の女と結婚するぐらいなら、獣になったほうがマシだ・・。
美甘の心を渡さないことを願うオレの、想いの強さ・・。
そう、オレの呪い・・」
「そう。そして、祝福を歪めた・・力ある魔女の呪い。
祝福と呪い・・。
結果は、どうなった?椋、あなたは知っている・・」
「あぁ。すべてを見てきた・・呪いとして。
大上家の中に留まり、受け継がれた意識・・」
「幸せになる者は少なかったわね・・。
大上家が、呪いを受け・・ある年齢になると狼になり、一生の相手を探した。」
「美甘の子供と同じ血筋を求めて・・幸せを手に入れるために。
魔女の力が加わって、矢城家も呪いを受け継いだ・・。大上家の心を欲して。」
「菜乃も・・隠された『生と死の垣根』だった。
千弐との子供は、マキの弟・・矢城家が育てた。・・同じ『生と死の垣根』だと知らず・・
だから、私・・は、矢城家から隠されていた。
この、呪いから・・解放するために・・。」
「・・導いたのよね?
美衣さんは、椋さんの心を・・解放するためにいるの?」
「オレの求める答え・・子孫の強い・・想い・・」
「大上家・・保志は、隠された『生と死の垣根』・・歌毬夜を見つけた。
双子の息子と娘の子孫が、幸せになった・・。
いつか、一緒に暮らせる日が来ることを願った・・私たちの願いが叶った。
円華と諷汰・・同じ大上家で、『生と死の垣根』の菜乃の心を手に入れた。
そして魔女の家系、苺愛も・・大上家、采景の心を手に入れた。
呪いは、始まりに還る・・」
「子孫は、試練を乗り越え・・呪いを解放した。
オレは自由になった・・過去を忘れて・・。」
「双子から始まって、双子に還る・・。
呪いが絡まり、雑種が生れた。見守る家系の、双子の草樹・・。
過去の双子から・・呪いの影響を持たない子孫が答えを出す。
呪いや、祝福がなくても・・幸せになれるだろうか・・?
試練を乗り越えるだろうか・・?」
その後・・。
「ねぇ、草樹・・。
あなた、役目が終わったんだから・・外れてくれない?」
椋さんは、草樹の中から消えた。
美衣さんは、美甘さんの記憶を持ったまま・・消えた。
私は、美衣さんと草樹が仲良くなると思っていた。
「え・・?
うぅ~~ん。今は、まだ・・麗季のこと好きだよ?」
「・・って、どこを見て言ってるのかな?」と、胸を隠す。
「胸!」
この会話、誰かともしたわ・・。
「連歌、あなたも何か言いなさいよ!」
「・・え?胸、おいしそうですよね?」
・・っつつ!!
話を振ったのが、間違いだった!!
「綾に、言いつけるわよ?」
「いいですよ。綾と優貴には、嫌がらせですから。
俺、人のものを取るのが好きかもしれません。」と、ニヤリ。
【ゾゾッ】
「あぁ、分かる!楽しいよね~。」
この双子!!
「~~うるさい。いいか、これは俺のだ!」
黙っていた羊二が、隠している胸を下からつかむ。
「ぎゃぁあ!!」
任務中に、この3人と・・
「ボス~~。チーム変えて!!」
「却下っ!!」
ボスは、楽しそうに・・ニヤニヤ笑うだけだった。
「で、結局・・
二人はマダ・・なんですよね?」
「あぁ、麗季・・この間は『今日は駄目』って、いつならいいの?」
?!
・・あの時の話?!
狼になって・・裸だったときのことを思い出す。
「ばっ・・バカ!!
こんなところで、何を・・って、犯人が・・」
「あぁ、罠にかかって・・もう終わったよ?」
草樹と組んで、怖さを知る。
・・罠って・・ちょっ・・血が・・?!
誠志さんを思い出す。
・・雑種・・血の気が多いのかしら??
「で、いつ?」
「そうだよ、いつ?」
「交ぜて・・」
「うるさい、うるさい!うるさぁ~~い!!」
狼にオオカミ・・
こいつら、ほんとに・・オスって!!
「ばかぁ!!」
本当は、心の準備・・出来ているのに。
羊二と、二人きりになれるチャンスがない。
何故か、連歌まで邪魔するし・・?!
「何で、お前らにいつか教えなきゃならない?」
「俺は、交ざってもいいですよ?」
「邪魔・・交ざる・・?
交ざる!!」
頭が痛い。
「お前ら、楽しそうでいいな・・。」
優貴と綾。
「綾、助けて!!」
綾は、優しく微笑んで・・「嫌だ。」と。
今、何て・・?
「だって、邪魔者が減るのよ?ただでさえ、進展がないのに!」
つ、冷たい!!
座り込んだ私の頭を撫でながら「連歌は、好きな人が出来たのよ?」と。
「え?ホント?・・良かった!
で、誰・・?何故、私に・・」
まさかぁ?!
「ふふっ・・。ファイト!!」
・・気のせいよね?
だって、好かれるような・・
「連歌、呪いから解放された後・・麗季が大きくなって・・
その胸に惚れたって!」
首を横に振り・・
「聴こえない!何も、聴こえない!!」
綾・・あなた、いつからSに?
酷い・・年齢が上になったのに、勝てない!!
「「「麗季、可愛いなぁ~~。」」」
試練は、終わったのよね?!




