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B 【 大上家シリーズ】おおかみはかぐや姫を食べた  作者: 邑 紫貴
【大上家シリーズ4】おおかみ女と嘘つきな青年

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う・た・が・い!

羊二Side



 理性が追いつかない。あんなに大事にしていたのに・・。

大切で、誰にも取られたくない。


麗季からのキスは、二回・・。俺からは、キスをしなかった。

理性が飛んだら、麗季を泣かせる・・あぁ、泣かせた。

キスもせず、背中に・・いっぱいのキスマーク。

俺の痕・・俺のもの・・。


はぁ・・

泣くよな・・怖いって、そうだろう。

後ろ向きでベッドに・・小学生相手に・・


高校生になっても、俺からのキスが・・いきなり激しくて、舌が入るなんて。

ない・・よな?


「ないな。」


【ビクッ】


「や・・保志さ・・ん?!」


麗季と別れ、中庭で座り込んだ俺に・・

肩に手を置いて保志さんは空を見る。


「て、こ・・心、読んだ・・み・・視た、んですか?!」


俺は、青ざめ・・手を退ける。


「あぁ、ばっちり・・くくっ」


「・・・・。」


口をパクパク・・

言葉が出ず、うなだれた。


「面白くていいなぁ。

お前、バカだろ?」


楽しそうに、保志さんは笑う。


「バカです。・・面白くないですけど!」


「美衣、現れたのか・・。」


「・・矢城さん?」


今は、麗季の話・・?

何故・・アラワレタ・・?


「美衣の声に、耳を傾けるな!あいつは、『生と死の垣根』・・

味方だが、一歩間違えば・・敵。」


「試練か・・。」


真面目な顔で、俺を見る。

試練・・乗り越えて、麗季の心を手に入れる。


「羊二、お前・・」


これから、どんなことが・・


「俺でも、そんな鬼畜じゃないぞ?」


・・へ・・?

俺の目が点になり、何を言っているのか理解する。


「や・・保志さん!!」


顔が、熱い・・居た堪らない。

一生、これを言われるんだろうか。


「・・今度、やってみるか。」


え?!

クスクス笑う保志さんの目が、本気で・・。


「こほっ・・それは、今夜のこととして。」


・・相手、確か・・

歌毬夜さんだったかな?


「多分、保志さんのが鬼畜ですよ。」

と、つい・・本音が。


「ほぉ~~。男として、嬉しいけど?」

と、同い年なのに・・大人の余裕。


「まだ、子供だ・・。手加減してやれば、後は流れるだけ。

頑張れ!」と、肩を叩かれた。


「あぁ、羊二!俺のこと、保志でいいぞ。

・・兄にはなれないけどなぁ。」と、かっこよく走っていく。


今夜・・歌毬夜さん、大丈夫かな?

・・て、俺が麗季にしたこと・・。


「鬼畜・・だよな?」


「何が?」


【ビクッ】


・・今度は、優貴さん?!

タイミングが、良すぎる・・?


「よかった。ボスから言われて、捜してたんだ。

さっきの、誰?」


「麗季の元、お兄さん・・」


「あぁ。呪いから解放されて、本家に帰ったんだっけ?

なぁ、時期的に・・遅くないか?何か、続いてるのか?」


さすが、勘がいい。

ボスが役員に欲しがって、無理やり入れた人だ。


「あぁ・・試練、らしい・・」


「そうか。

お前はいいよ、もう待たなくてもいいんだから。」


「・・簡単じゃない。

待っていたほうが、良かったのかな?」


手加減・・か。


「何した?」


「・・っ。・・」


しまった?

ニヤニヤと、俺を突く。


「いえ・・何も。」


もう、これ以上恥はかきたくない。


「教えろ!」


「何も!!ないです!!」


「怪しい!吐け、楽になるぞ?」


嘘だ・・みんな、嘘つきだ!!

また、鬼畜だと言われたら・・落ち込む。


あぁ、自覚がある。

麗季の抵抗は、俺の焦りだ・・。


嵐のキス・・体に触れる草樹・・

どいつも、赦せない!!


「鬼畜って何だ?」


やっぱり、聴かれていたのか・・


「俺が、鬼畜って話!・・あぁもう!

いい!鬼畜だって、なんだってなってやる。麗季は、俺のものだ!!」


何かが吹っ切れた。


「・・駄目だろ、それ・・」


優貴さんの呟きに、赤面しながら・・

熱くなりすぎた自分に気づく。


「ははっ・・。確かに、今のお前がいい!

ただし、手加減しろよ?」


はは・・


「で、任務の話って・・?」


「あぁ。その、試練に関係あるんじゃないのか?

草樹と、麗季が組んだ。お前も、俺たちから外れて・・美衣と組む。」


美衣・・

『声に、耳を傾けるな!【生と死の垣根】一歩間違えば・・敵。』


美衣・・今、敵・・なのか?

草樹と・・一緒・・


「麗季ちゃん、話を聞かなかったみたいなんだ・・。

でも、・・草樹が・・」


さっきの・・?


大人になった君は、純粋なまま・・隙だらけ。

言われたことも、納得すれば聞き入れてしまう。


「ありがとう!俺、麗季と話してくる。」


「手加減しろよ!」


・・ははっ・・

麗季は今日、任務がないって言ってた。

本家に、居るんだろうか?


「羊二さん、麗季なら高校の教室に居るわよ!」


走り出した俺に、綾ちゃんが叫ぶ。優貴さんを捜しに来たんだな・・。

お礼を言うために振り返った・・が、綾ちゃんを抱きしめる優貴さんに睨まれた。

しっしっ・・と、払うように。早くいけと・・。


会って、とりあえず・・謝らないと。

はぁ・・暴走しては、謝るのを繰り返しているように感じる。

最初から、年の差なんて関係なかった・・。俺の気持ち次第。

すれ違い、傷つけ・・大切にしたつもり・・

麗季が大事なのに・・



 教室への廊下。


「嘘よ!ウソ・・止めてぇ!!」


麗季の叫び声・・一体、誰と・・

草樹?それとも・・


「美衣・・?」


「羊二・・今、この人の名・・呼んだ・・?」


「麗季!」


「嫌!・・いやぁあ!!」


泣き崩れ、俺の言葉が届かない・・。

何があった・・?


麗季の座り込んだ床に膝をつけ、抱きしめる。


「落ち着け、何があった・・?麗季・・。」


普通じゃない・・


「『生と死の垣根』・・お前の目的は何だ?麗季に、何をした!」


【・・トン】


軽い麗季の身体が、俺にもたれる。

気を失った・・?


『耳を傾けるな!』


・・くそっ!!状

況が分からないけど、麗季をこのままに出来ない。

俺も、耳を傾ける相手ではない!


「麗季・・」


麗季を抱き、保健室に運んだ。

・・とりあえず、寝かせて・・保志に連絡する。


・・畜生!!

護れなかった・・。



保健室に、本家の人が迎えに来る。


「兄の諷汰です。

君が・・そうか・・。羊二君、先に言う・・。

目が覚めて・・麗季の記憶がないことも考えられる。」


記憶・・戻った記憶・・が?


「君に関するすべて・・が・・ないかもしれない。」


・・俺の・・記憶が・・?ない・・

消え・・る?


「分からない。今までの『生と死の垣根』は、そうした・・」


「・・戻る・・ん・・ですよね?」


「・・分からない。きっかけが、あるのかさえ・・。

君と麗季が・・特別だから。」


選ばれたおおかみ・・呪いと関係のない俺・・


「ん・・」


麗季が、目を覚ます・・。

記憶は・・


「麗季、俺だ・・分かるか?」


【バシッ】


「・・触らないで!!」


・・記憶が・・ない?


「麗季、お前・・忘れたのか?」


諷汰さんが尋ねる。


「分かるわ・・」


・・分かるのに、拒絶・・?


「羊二・・

どうして、どうして・・今なの?」


・・?

言っている意味が分からない。


「麗季、何が今・・?

教えて、あいつに何を言われた?」


麗季は、涙を零し「あの人・・を・・選んだ・・の?」と。


「何にも選んではいない。

・・何を言われた?俺を信じられないのか・・」


痛い・・何に傷ついてる?

今、大事なのは麗季の心!


「分からない・・何を・・

羊二、私のこと・・好き?」


「・・あぁ。好きだ・・」


まただ・・

前に見た、悲しそうな笑顔。


「・・嘘つき・・」


言葉が出ない・・。

これは、卑怯な俺が・・まいたもの?

小学生だった君が、必死で想いを伝えるのを・・分かっていてくれると・・

傷つけた俺。


君は、俺を信用しない・・。

ずっと、傷つけた・・大切なのに・・


「羊二君、・・時間をあけよう。

気にするな・・『生と死の垣根』が絡んでいる。

まだ、記憶があるだけいい。

存在が消えるのは、拒絶より辛い・・。認識されないのだから。」


「・・はい。」


呪い・・

『生と死の垣根』に、記憶を消され・・傷ついたと聴いた。


麗季・・簡単に、仲直り出来ると・・。

嫉妬に、君の感情を無視した・・大事な女の子なのに・・・・




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