呪いの解放?
呪いが語る・・。
『早く解放しろ
・・望むものが・・多いから』
聴こえる・・
呪いに翻弄された人の声・・一生の相手を見つけることなく亡くなった者・・
亡くし、喪った悲しみ・・緑色の目・・
何故、苺愛にも・・?
『魔女も、大上家と出逢うため・・家系を失うわけにはいかなかった・・。
家系の存続・・悲恋を繰り返すな・・解放・・してくれ・・』
「え?・・雑種?」
草樹は、アイスを含みながら・・うなずいた。
「ん・・ひらない?」
「知らない。」
大上家に、本家がある。
そして、分家・・。大上家は、決して多くは無いが・・。
「大路家は、知ってる?歌毬夜さんの、元婚約者・・。
そこも、雑種・・。」
草樹は、遠い眼をして・・天井を見る。
「俺たちも、一生の相手がいる。が、血が薄いのか・・。」
草樹は、口を閉ざす。
俺はとけきったアイスを、カップの中でグルグル回し・・言葉を待つ。
「緑色の目の、能力が無い奴もいる・・。」
まさか・・?
「俺は、まだ・・わからない。相手に出逢っていないから・・。
連歌・・は、キスをした・・契約だ。けど、相手に・・好きな人がいる。」
・・連歌・・麗季の友達に・・?
「ははっ、一生・・独り・・だ。
解放・・してやってくれ。見ていられない。
・・魔女は、繰り返される歴史の中・・大上家の心を願った。
時には、一生の相手に成り済まし・・生れた雑種・・。
本当に、一生の相手だったことが・・なかった。
呪いは、何だ・・?
巡ってきた・・七番目。予見者が見つけた・・希望。
・・采景・・解放・・してくれ。頼む・・
連歌が、可哀相だ・・頼む・・」
呪い・・
本当に、一生の相手を知っているのか?
苺愛・・
君は、その・・七匹目として生れた。
信じられない・・?
ただ、魔女の血が・・俺を求める?俺は、呪いに誘われただけ・・?
誰かのために、呪いから・・解放するため?
大上家の伝承から、魔女を消した・・。
雑種は、大上家に留まれなかった。
本当の解放は、一生の相手を間違わないおおかみ・・
呪いが語った・・本当にくだらない、ほんの些細な出来事・・。
繰り返される出逢い・・呪い、叶わない想い・・
すべての解放が・・
俺の選択に掛かっている。
草樹・・本当は、どうでもいい。
お前には悪いが、俺は・・苺愛を間違いたくない。
ただ、それだけだ。
呪いに惑わされている?
だからどうした?
欲しい・・苺愛が、欲しいんだ!ただ、それだけ・・
その夜。
【携帯のコール音】
『あ、采景・・。記憶は・・あるか?』
保兄だった。
「あぁ。記憶が戻るまで、連絡が入らないようにしていたんだな?」
草樹は、試練の間・・まだ、続いているが・・
記憶や選択に影響が出ないように・・本家や魔女の家系が動いていると、言っていた。
『矢城家は、【かぐや姫】に手を出さないと約束してくれた。ただ、呪いは・・』
「知ってる・・。保兄、切るよ・・?」
『・・あぁ。
采景!男なら、絶対・・逃がすんじゃねぇぞ?』
「当たり前!俺は、容赦しねぇぜ?」
保兄・・。俺、本当は・・憧れていた。
他人なんか意識しない・・保兄の、クールな所。
俺は、必死で真似た・・。心の惹かれる女を、許せなかった。
でも、苺愛に・・惹かれる・・
呪い?
そうだ、狂いそうな・・呪い。
喪ったら、死んでもいい・・。殺されるなら、それでもいい・・。
苺愛・・呪いから解放されたら、この想いは消えるだろうか?
いいや、それはない・・。
記憶が無くても、呪いから解かれた状態で・・苺愛を見つけたんだから。
逃がさない。
君は言った
『私を本当に愛しているわけではない。』
『・・心を手に入れる。魔女は、必死に・・それも、無意識に・・』
『私は、七匹目。あなたの心を、手に入れた。』
・・俺が欲しいのは、苺愛の心・・
苺愛が望むのは、俺の心・・。
チャンスは、逃さない・・。
逃げられると思うなよ?手に入るんだ・・お前の心が。
呪いで、手に入るなら・・利用してやる!
必死に、無意識に・・俺を求めてきたんだ・・
苺愛、気付いていないのか?
チャンスは、必ず来る
・・容赦しない・・
朝、学校へ向かう。
草樹とは別行動だったが・・きっと、近くで・・解放を望み・・見守っているだろう。
廊下に仁王立ちで、美衣が待ち構えていた。
「話、あるでしょう?」
「あぁ。」
引き吊り出してやる・・苺愛・・
俺の覚悟は、決まっている。
二人で、空きの教室に入る。
「ね・・んん~~?」
左手で美衣の口を塞ぎ、壁に押し付ける。
くくっ楽しい。
魔女の声に、惑わされるわけにはいかない。
こいつは、美衣・・俺の相手ではない。ただの隠れ場所・・。
抵抗する美衣の両手を、右手で捕らえていく。
容赦しない。
「美衣、苺愛を出せ・・。
いや、簡単には出すなよ?くくっ・・苺愛・・愛している。
狂いそうだ・・。苺愛・・苺愛・・」
抵抗されれば、されるほど・・興奮する。
愛おしい・・
「苺愛・・」
「んんっんんん~~!!」
本気ではない抵抗。
顔が赤らみ、美衣・・いや、苺愛の体が熱を帯びる。
「愛している・・。
苺愛、お前だけだ。ね、キス・・したい・・」
耳元で、甘く囁く・・
こんな言葉・・お前だけなんだ・・
「苺愛・・」
抵抗が止まる。
そして、甘い匂い・・
目に涙が溢れ・・口を押さえる俺の手に伝う。
「・・き・・好き・・采景ぅ~・・」
微かな声が、俺に聞こえる。
左手は口元を離し、右手も・・彼女の両手を解放する。
「うっ・・っく・・」
俺の胸に寄り、涙を流す。
「苺愛・・」
俺は、そっと頬に手を触れ・・見つめる。
「采景・・」
そっと、目を閉じ・・
俺を待つ・・唇。
「んっ・・やぁ!」
俺は、両胸を両手で揉んだ。
「くっ・・美衣、下手すぎ・・。
でも、いつ触れるか分からないし?」
両胸を両手で隠し、顔を真っ赤に・・俺を睨む。
「あぁ、つまみ食いしちゃった。
ふふっ・・おいしそうだね~。当然、食べさせてくれるよね?
め・え・ちゃん?」
俺は、最高の笑顔で微笑んだ。
「なっ・・」
「さ、出て来たって事は・・試練は終わり?
俺の、ご馳走・・くくっ。もう、待てないよ?」
匂いが変わる。
見つけた!苺愛の俺を誘う匂い・・全然違う。
「ご馳走って・・。
食べ物と、一緒にしなっ・・んっ」
我慢できなくて、唇に喰いついた。
「ん・・」
俺を受け入れる・・。
優しく、何度も繰り返し・・激しく、強く求めるキス
「はぁ、苺愛・・食べたい。
無いと・・俺、餓死・・する・・」
「エッチ・・」
「ふっ。賛辞か?
くくっ・・男として本望だぜ・・。いただきまぁ~す。」
「んんっ。
ね、どうしてわかったの?」
「ん?
・・はぁ・・はっ・・
気づいてない?苺愛は・・
くすっ・・内緒。
ね、苺愛・・俺のこと、好き?」
「んっ・・あなたが・・好きっ・・一緒にいたい。
・・いれば、何も・・いらない。あなたが、欲しい・・」
「はぁ・・あげる。
俺の心は、お前だけだ・・責任取れよ?」
「うん。采景・・私の心も・・あげる・・」
・・求め合い・・
心が・・通じ・・・・
end




