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初任務ーリューキフラグ破壊ー

ここはファンタジー系乙女ゲーの世界。

まぁ、こんな事急に言われても何?って感じだろうがとりあえず聞いて欲しい。

舞台は剣と魔法の世界、メランダ。メランダは王がおさめる王国。

主人公はその国に生まれた平民の娘。

ただ、主人公は他の人と違い魔力がものすごく高く、魔法の才能を認められ、

平民としてはじめて、王立の魔法学園に入ることになる。

そこで、王子やら、生徒会長やらをどんどんおとしていくわけだ。

ぶっちゃけ、王道の乙女ゲーって感じの話だ。


その、乙女ゲーの攻略対象者の中に昔、主人公に助けられた男の子がいる。

小さい頃、その男の子は盗賊にさらわれそうになっていた。そこに、小さい頃の主人公があらわれ、その魔法の才能で盗賊達を蹴散らし、見事!男の子を助け、主人公はその場を去る。

そして時は過ぎ。主人公は魔法学園に入り、実は貴族だったその男の子と再会する。

と言う設定の男の子が今、目の前にいる。

周りには私が倒した盗賊達。

・・・これで信じていただけただろうか?ここは正真正銘、乙女ゲーの世界だ。


あっ!だが、勘違いしないで欲しい。私は確かに攻略対象者の男の子を助けたが、

主人公なんていいものじゃない。むしろ悪いもの。


私の名前はバク。この世界おとめげーを壊す、破壊神(的なもの)です!!

(破壊神ってなんかかっこいいよねー。この二つ名、けっこう気に入ってるんだー♪)

もちろん、男の子を助けたのも主人公とのフラグをぶち壊すためですとも。


「お姉さん、助けてくれてありがとう。名前、何?」わぁ、かわいい!!

声が聞こえたので振り返ると天使おとこのこが上目遣いでこちらを見ているではありませんか!!

クッ!!鼻からケチャップが出そうだ!さすが、乙女ゲーの攻略対象者、子供の頃からこんなに可愛いとはっ!!直視できず思わず後ろを向いて俯いてしまった。

そんな私を見て男の子は私の前に回り込み怪訝そうに見上げてきた。

「お姉さん?」どうかしましたか?と言うように男の子は首をかしげる。

はっ!!今、お姉さん名前聞かれてるんだった。ちょっと違う世界にとばされてたよ。


さて、正気に戻ったはいいが名前、名前を聞かれている・・・。

ふつうに「この世界の破壊神、バクです☆キャハ」なんて言ったら「何こいつ・・・。」と

イタイ人を見る目を向けられるだろう。

そうだ、偽名を使おう。(「そうだ、京都にいこう。」みたいなノリだなー。)

偽名、偽名・・・んー・・「えーと、・・・ハク。」・・・いい偽名思いうかばなかった・・・。

なんだよハクって・・・バクから点点とっただけじゃねーか・・・。


私が落ち込んでいると男の子はどこから持ってきたのか私の前でバケツをかまえていた。

「・・・何やってるの?」

「えっ、気分が悪いんでしょう?だから・・・。」

もってきました。と言って男の子は私の背中をさすった。

可愛い男の子からの介抱、おいしいですね、ありがとうございます。でも、

「はくってそう言うことじゃない!私の名前。ハク、しろって書いてハク。」

「ハクさん?。僕はリューキ。さっきは助けてくれてありがとう。」

男の子、もといリューキくんはあらためてペコリッと頭をさげた。


「ううん。気にしないで。それより、もう暗くなってきたし、家まで送るよ。」

「えっ、い、いいですよ!!一人で帰れます!!」

私が家まで送ると言うと、リューキ君は目に見えてテンパりだした。

なるほど、家に帰りたくないのですね。

これは乙女ゲーのリューキ君ルートでわかることだが、子供のころのリューキ君はかなりの勉強嫌いだ。

だから、いつも屋敷を見つからないように抜け出していた。

いつもはバレないように早く帰るのだが、今日は盗賊にさらわれそうなったため早く帰ることができず、屋敷を抜け出していたのがバレて怒られるのが嫌なんだろう。

でもやっぱり一人で帰らせるのは危ない。

「おくるよ。」「一人で帰れますって!!」

私がリューキ君の腕をつかんでもう一度言うがリューキ君もひかない。

このあと数分ほどこのやり取りがつづいたが結局リューキ君はおれてくれなかった。

「いくら怒られたくないからって必死すぎだよ・・・。」

「なっ!そう言うわけじゃっ!!」リューキ君がワタワタする。そんな反応したら図星だって言ってるようなもんだよリューキ君。そんな事やってるあいだにも外はすっかり暗くなってしまった。

しょうがない、この技あんまり使いたくなかったんだけど、このまま言い争っててもリューキ君は送らせてくれなさそうだ。

「リューキ君、目、閉じて。」

「へ?なんで?」

「目、閉じてくれたら、怒られなくてすむかもしれないよ?」

私がそう言うとリューキ君は迷わず目を閉じた。

私は片方の手でリューキ君の手をにぎりながらもう片方の手で指パッチンをした。




そして今、私達はリューキ君の部屋に突如現れた。

さっき私が使った技は「テレポート」だ。ちなみにここは魔法の世界だが、「テレポート」と言う魔法はなく、私がこれを使えるのはバクだからだ。

なので、「は?なんで?ここ、僕の部屋・・。」リューキ君はいきなり部屋に戻ってきたことをしきりに不思議がっている。でも私はそれどころではない。元々「テレポート」はこの世界の技術ではない、

そのせいか使った時、副作用がでるようになっているのだ。

だから・・「これってハクがやったのか?!・・・ってなにやってるんだ?」今、私は口をおさえてうずくまっている。その様子をリューキ君は不思議そうに見ていたが、「うっ!!」と突如、口をおさえて私と同じようにうずくまった。

おわかりだろうか?そう、これこそが「テレポート」の副作用、『使ったあとすぐに物凄い吐き気が襲ってくる』である!!

だから私はこの部屋にきた瞬間に口をおさえ、それどころではなかったのだ。

リューキ君は「テレポート」に驚いて、最初は吐き気に気づかなかったから少し時間差がでたのだろう。

数分後、やっと二人とも吐き気がおさまった。

「こんな事なら怒られた方がまだマシだった・・・。」

「あー、うん。ごめん。久々にこの技使ったからここまで気持ち悪くなるとは思わなくって・・・。」

あははーと笑って言い訳をするとリューキ君がジト目で見てきた。

うー、なんだよー、そんな目で見なくてもいいじゃないかー、リューキ君のためにやってあげたのにー、ムスー。私は少し拗ねて頬を膨らませる。

すると、リューキ君は少し慌てた。

「あー、えっと、こっちこそごめん・・・。これ(テレポート)、僕のためにやってくれたんだよね?ありがとう。」

「・・・べつに、感謝なんかしなくていいよ。リューキ君は怒られる方が良かったみたいだしー、私がいらん事しちゃっただけだもん。・・・もう、帰る。」

私はリューキ君の部屋の窓を開ける。

「まってまって、どこから帰る気!!」

「どこって、窓。帰りもテレポートはきついからね。」

「僕が玄関までおくるよ!!」

「けっこうです。一人で帰れますー。」

リューキ君が私をとめるがそんな事知りません。

私は窓から飛び降りた。リューキ君の部屋は2階だったがノープロブレム、心配ありません。

私はバクなので、何階から飛び降りようが死なないどころか無傷です!!


とりあえず、これで主人公とリューキ君のフラグを破壊できました。

破壊神バクの初任務、大成功です!!お疲れ様でしたー!

次からはもっと短くなると思います。

ここまで見てくれて本当にありがとうございます。

分からない所や、おかしい所があったら教えていただけるとありがたいです。

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