表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/26

第5話 ユキ

「ちょっとお、大丈夫? 刺さってんじゃん」

タクミの後ろから声をかける女性がいた。一連の事件を目撃していたらしい。タクミはゆっくりと目を開けて、後ろを振り返った。

女性と目があった。女性というより、どちらかと言えば少女という方に近い。

予知はまだ続いていた。

しばらく時間をおいて、第二の攻撃はないことを確認すると、左の腕に刺さった矢を引き抜いた。

「大丈夫、大丈夫。ほら、こんな感じ」

タクミは少女に、袖をまくって、腕を見せた。袖の下には、籠手がかくされており、その籠手に、ちょっとした傷ができていた。矢がささった場所だ。

「それなに。鎧なの。あなた、何者?」

「しがない占星術師でございます」

タクミはちょっとおどけて言ってみた。大事にはしたくない。無事だということを懸命にアピールした。

「私が知っている占星術師は、もっと文系よ。こんな武闘派、見たことないけど」

少女はそう言って笑った。本当は、占星術師を見るのは初めてだった。

「占星術をやっているとさ、自分が攻撃されるのが見えてしまうことがあるんだよ。平和な世の中になってからは、ほとんど今みたいな攻撃はないけどね。攻撃じゃなくても、あばれ牛に刺されるところが事前にみえちゃったりして。そんなときに、自分を守れるように、ほら、ここにも、ここにも」

タクミは、腕や足を少女に見せた。タクミの服の下には、さまざまな盾がめだたないように仕込まれていた。

「でも、顔や首を狙われたらだめじゃない」

少女は屈託なくそう言った。狙撃現場を目の当たりにして、こんなに冷静でいられるものだろうか。タクミは感心すると同時に、ちょっとだけ異質なにおいをかぎ取った。

「それも大丈夫。相手が射る前に、予知できるから、顔は手でガードすれば間に合う」

「すごおい。すごいけど、それ、もはや占星術でもなんでもないわよ。完全に妖術じゃん」

「はははは」

タクミは笑ってごまかした。こんな少女に見抜かれてしまうとは。自分の不用心さにあきれてしまった。

「ユキって言うの。あなたは」

「タクミ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ