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第4話 門番

次の日。

サトシに言われた通りに宮殿に向かったタクミは、それが太古の昔から決められていた事実であると言わんばかりに、門番に阻まれた。門番は、サトシとは違う色の鎧をまとっていた。この国では階級によって細かく、鎧の色が分かれている。この男は、サトシよりもやや階級が高いということがわかる。

「汝の力を示せ」

門番の、威厳のこもった声は、タクミを委縮させた。

「力ですか?」

「そうだ。占星術師というからには、何かを予言できるだろう」

「明日の天気は晴れです。朝は、やや雲も見られますが、十時過ぎころから快晴となります。もちろん、王宮の周辺には、日が暮れるまで、一滴の雨もふりません」

「よかろう。それでは明日、また来るがよい。汝の力が証明されたならば、喜んでここを通そう。」


それ以後は、何を言ってもむだだった。明日は確実に晴れる。タクミにはそれはわかっていたが、今、それを証明することはできない。今は、明日を待つしかなかった。

ここまで片道、一時間はかかった。このままただ帰るのはつまらない。そう思ったタクミはブラブラと宮殿の周りを歩き回った。王宮の周りには堀が巡っており、数羽のカモが泳いでいた。これ以上ないというほどの平和な空気に、タクミの心は和んだ。


数年前までは、ここは戦場だった。隣国の兵が、この王宮まで攻め込んだこともあったのだ。

その時、王はどうしたのだろうか。懸命に戦ったのか。それとも、逃げたのか。未来のことは予知できるタクミにも、過ぎ去った日々の出来事を知るすべはなかった。


その時だった。

タクミの頭の中に予知の予兆が走った。それは、タクミに言わせれば、頭の中で演奏される音楽のようなものだったが、この音楽が頭の中で流れると、タクミの全神経は、予知モードとなるのだった。その後で、タクミの頭の中に現れる映像は、必ず現実のものになった。タクミは、安全な場所に移動し、片膝を折って腰をおとし、目を閉じた。この体制ならば、次の瞬間訪れるどんな映像にも耐えることができる。長年の経験から編み出した、一種の技と言えた。


「来る」

タクミが最初に感じたのは、そんな感覚だった。何かが来る。そして次の瞬間、目を閉じたタクミの頭の中に浮かんだのは、自分の心臓をめがけて飛んでくる矢の映像だった。無意識のうちに、両腕を胸の前に立て、防御姿勢を取った。次の瞬間、左腕に矢が突き立つのを感じた。


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