【創作ほのぼのホラー】問わず約束
「本日は都市伝説ユーチューバーとして活躍しているゼロイチさんにお越しいただきました。本日はどうもありがとうございます。」
2024年9月大阪市内某所。
100万人を超える人気怪談ユーチューブチャンネル「島ヒロトの怪談びたり」のスタジオでの収録が始まった。
番組主催者の島ヒロトは36歳。
鳴かず飛ばずなピンのお笑い芸人だったが、3年前に始めた怪談ユーチューブチャンネルがブレイクして今ではお笑い芸人としても人気が出て活躍している。
ゲストで呼ばれたゼロイチは27歳の若者。
大学在学中から都市伝説ユーチューブチャンネルを運営していて、卒業後も就職することなく番組で稼いでいる生粋のユーチューバー。
30万人程の登録者があり、番組の広告収入だけでも生活に不足ない収入がある。
大学を卒業したのは昨年だが、それは大学に8年間在籍していたためで、社会に出ることなく長らくモラトリアムな暮らしをしていたわけだ。
「呼んで頂いて光栄です。」のゼロイチの挨拶に
「ゼロイチさんの番組は私も大好きで、是非出て欲しかったのでとても楽しみにしていたんです。
ゼロイチさんは都市伝説テラーですが、今日はどんな話をして頂けるのでしょう?」と返す司会の島ヒロト。
「今日は私の体験談を話させて頂きます。これまで誰にも話してこなかったのですが、私が都市伝説テラーとなる原点にもなった体験で、この機会に解禁することにしました。
私の田舎の怨霊騒ぎで、怨霊の一方的な約束が結末の鍵だったので、自分では『問わず約束』って呼んでるんです。」のゼロイチの言葉に
「何だか意味深なタイトルですね。そんな大事な話を私の番組で初出ししてもらっていいんですか!?」と驚き喜ぶ島ヒロト。
「この体験は私の家族が絡んでいることもあって話してこなかったんですが、番組へのお誘いを受けてネタを検討していたら話してもいいなの思いになりましたので、是非、こちらで初出しさせて下さい。」
「そうだったんですか!ありがとうございます。では心してお聴きさせて頂きますので始めて頂けますでしょうか。」の島ヒロトの促しでゼロイチの体験談が始まった。
私の家族の田舎は四国の山奥の、今では10数世帯しか住んでいない限界集落になっている村ですが、両親は毎年の盆休みに里帰りをしていました。
私が生まれてからも里帰りは続けていて、私も優しい祖父母に会って、豊かな自然の中で虫や魚や動物達と遊ぶのが楽しみでした。
その村は戦国時代の落ち武者達が作った村で、最盛期には200世帯以上あったんですが、戦後、若者たちが村を出るようになって徐々に人口が減ってしまいました。
私の祖父は村長の家系で、部屋がたくさんあって剥き出しの高い天井の屋根裏部屋のある大きな古民家。
立派な大黒柱と太い梁が張られた家で、今でも土間の炊事場に五右衛門風呂と暖炉があるんですね。
釜炊きごはんと畑の野菜や山で採れた山菜に自家製の味噌で作る味噌汁に漬物、放し飼いにしている鶏の卵と肉や近所の漁師さんが持ってきてくれる猪の肉はとっても美味しくて、それも里帰りの大きな楽しみでした。
村には寺もありましたが、住職が一人いるだけで、跡取りの息子さんは村から出ていて寺を継ぐつもりはないとのことで廃寺寸前になっていました。
私はその寺にもよく行っていて、住職さんから色んな話をしてもらったものです。
そんな毎年の里帰りにちょっとした異変が起こりました。
私をとてもかわいがってくれていた祖父母は私達の里帰りを楽しみにしていましたが、私が小学校4年生の夏は父の電話に「帰って来るな」と言ったんです。
父が理由を尋ねると「たまには家族で旅行でもすればいい。こっちに気を使わなくてもいいから。」と言ったそうなんですが、父は祖父の声がしんどそうだったなと気掛かりで、両親の様子を見るためにもと、家族で盆休みに里帰りしたんですよ。
「帰って来るな」と言われていたので、父は両親を驚かせてやろうと黙って里帰りしたら、祖父母は布団に臥せっていて、私達を見ると「何で来たんだ・・・」と悲しそうな顔で言ったんです。
これは只事ではないと察した父は祖父の布団の側に駆けつけて「お父さん、何があったんですか?」と尋ねました。
祖父は暫く押し黙っていましたが、やがてボソリと「怨霊じゃよ・・・」と言ったんです。
「怨霊って、何でこの村に怨霊の祟りなんかあるっていうんです?」と言い返す父に
「お前には話してなかったが、この村には封じ込められた怨霊がいるんじゃ。その封印が解けてしまってワシらだけでなく村の皆が寝込んでおる。だからお前たちにも及ばんように帰って来るなと言ったんじゃ・・・」
祖父によると、この村の初期ともいえる江戸時代の初め頃、村の子供同志がケンカして死人が出てしまった。
死んだのは私の祖先である村長の息子の友達仲間の1人で、この事件をきっかけにゴンという名の相手の子供の家族4人、両親と喧嘩した当人と妹は村八分になってしまいました。
やがてその家族は村から出て山の中で暮らすようになったんだけど、ゴンが川へ釣りに出ている間に両親と妹は熊に襲われて死んでしまった。
ゴンは村へやってきて熊に殺された家族の死体を取り戻してくれと頼んだけれど、村八分で相手にされなかったゴンは泣きながら山へ戻って行ったそうだ。
村長の息子は私の先祖ですが、名前はシュンだったそうで、その後、仲間3人と山に入ってゴンと出くわした時に、鎌を持ったゴンに襲われて1人が瀕死の重傷を負った。
シュン達は村人達にゴンが自分達を皆殺しにするつもりだと言い、村人達は危険なゴンを放置しておけないと山狩りをしてゴンを殺すことにした。
こうしてゴンは哀れな最期を遂げたんですが、それから間もなくシュンの仲間の1人の様子が変になり自殺してしまったのです。
逃げるように家から飛び出して走ってゆき、崖から飛び降りたそうです。
続いてもう一人の仲間の気がふれたようになってしまい、困った家族は彼を座敷牢に閉じ込めました。
シュンは勿論、村人たちもゴンの怨霊だということで恐怖に慄いて寺の住職へ対策を求めた。
その時の住職は強い霊能力のある人物だったそうで、自ら先頭に立って村人達と山からゴンの遺体を掘り返して寺に持ち帰って遺体を焼くと、残った灰を仏像の中に入れて封印の儀式を行った。
更に、ゴンの家族が祟らないようにと、熊の穴を見つけて猟師たちが熊を射殺して肉片の付いた遺骨を集め、それらも焼いて灰を骨壺に入れて他の仏像の中に入れて封印した。
すると座敷牢の少年は正気を取り戻し、それ以後、村は平穏になったのです。
ところが、今の寺の住職はゴンを封印した仏像に大きな割れ目が出来ているのを発見し、それと合わせるかのように村人達が寝込むようになってきたといいます。
これはゴンの怨霊の仕業に違いありませんが、住職にはご先祖様のような霊能力はなく、仏像の割れ目をふさいでも状況が変わらないどころか、自らも寝込んでしまったのでした。
他所から力のある霊能者を呼んだものの、その霊能者も無理だと逃げ帰ってしまい、村人達は徐々に容体が重くなって死を待つばかりの状態なところへ私達は帰省したのでした。
大変な事情が分かり、「お父さん、何か対策はないんですか!?」と必死な形相で聞く父に「もうお手上げじゃ・・・」と祖父は力なく答えました。
「お父さんとお母さんは寝込んでいらっしゃるけど、食事はしているの?」の母の割り込みに「何とか起きて食事は作っているわ・・・」と苦し気な祖母。
それを聞いた祖父は「ああ、食事も作れなくなっている村人がいるかもしれんな・・・そうじゃ、済まんが村人を全員この家に集めてお前たちで食事の世話をしてくれんか?」と頼んだ。
村人たちを全員集めたら私達を含めて30人程の世話をすることになるが、父は母に頼むのを気後れして「えっ!・・・」と一声発すると次の言葉が続かない。
私が父から母へ視線を移すと、母は躊躇うことなく「分かりましたわお父様。」と答え、父に「さあ、皆を集めに行きましょう。」と父の手を取って立ち上がったのでした。
そんなやり取りがあって父と母が車で村人達を運びに行ったのは、帰省した当日の午後3時頃。
夕食まで何もすることがなく手持無沙汰になった私は、家から直ぐ近くの川へ行くことにしました。
川へ行ったのは友達に会うためです。
友達というのは人ではなく、川に住んでいるモズクガニのチョン吉。
チョキしか出せないからチョン吉って付けたんだ。
昨年の帰省時にそこで初めて出会ったチョン吉は甲羅の横幅が8センチ位、足を広げると20センチは超える大きさで、川底の石の下に潜んでいるのを見つけた私は大喜びで捕まえたんです。
捕まえた時は爪と足をバタつかせていたけど、暫くして私が危害を加えないと分ったのか、チョンキ吉は大人しくなりました。
帰り際に私はジローに「僕たちは友達だよ!」と指切りげんまんして川に戻してやったんですね。
そして次の日に川へゆくと、チョン吉が僕の方に近寄ってきたんです。本当ですよ。
帰省の間、私は毎日チョン吉と遊んで、最後の日には「来年の盆休みに又来るからね。」と指切りげんまんして別れたのです。
ですから、その年、祖父が電話で帰って来るなと言ったのに、父が帰ると決めたのはとても嬉しかった。
私は走って川へ行ってひざ下程の浅瀬に立って「チョン吉、帰ってきたよ~!」と呼びかけました。
すると程なく、足元の石の上にチョン吉が登ってきて爪を振ってくれた。
チョン吉は甲羅の幅が10センチ程で去年よりも一回り大きくなっていました。
それも嬉しくて、私はチョン吉の爪に拳をコツンと当ててあいさつすると、チョン吉を掴んで顔の前に持ちあげて「只今、チョン吉。久しぶりに会えて嬉しいよ。大きくなったね。」と声を掛け、
川中の大きな石に腰かけて、チョン吉を横に置いてとりとめもなく話していたんです。
すると、人の気配を感じて前を見ると、見たことのない少年が私達のすぐ近くに立っていました。
「お前、カニと友達になったのか。」とチョン吉を指さして言った少年に、「うん、そうだよ。」と私は彼にも触らしてあげようとチョン吉を手に取って持ち上げたら
少年は嬉しそうにチョン吉をなで、「お前は外してやるよ」と言うと、スッと消えてしまったんです。
私は一瞬、思考が停止してその場に立ち尽くしましたが、「ゴンだ!!」と確信が湧いて、チョン吉に「又、明日ね!」と声を掛けて祖父母の家に走って帰りました。
家に戻ると、父と母は村人集めが終わって、立ち上れる数人の村人と夕食作りを始めていました。
他の村人たちは大広間とその他の部屋の布団で寝込んでいました。
祖父母の家は村長の家柄ということで、昔から村人達を集めて宴会をすることが多かったので、大きな鍋釜や食器が揃っていたんですね。
父は子供の頃からその実家で食事作りを手伝っていたので段取りは分かっていて、皆んなに色々と指図をしていました。
私が土間に駆け込んで、「ゴンが出た!!」と大声を上げると、皆んなが駆け寄ってきて「大丈夫か?何があったんだ?」と心配してくれて
「大丈夫だよ。ゴンに僕は外してやるよって言われたんだ。どういうことだろう?」と話すと、「お前は呪わないってことなんじゃろう。」って村人のおばあさんに言われた。
私は自分が呪われないのはラッキーだなと思ったけれど、咄嗟に「僕が外れるって、父と母は呪われるということじゃないの?」と不吉な予感に襲われたんですね。
その予感は的中してしまいました。
翌朝になると父と母の体調が悪くなっていたんです。私だけが元気でした。
街から医者を呼んで解熱剤を貰っても皆んなの熱は一向に下がらない。
私はゴンにこんなことはやめるように頼もうと川へ行って、昨日と同じようにチョン吉と川中の岩に座ってゴンが現れるのを待ちました。
その時は怨霊のゴンに会うのが怖いというより、何とか皆んなを助けなければと必死だったんですね。
チョン吉は岩の上にいて水分が渇くと辛いのか、何度か川に入っては戻ってきてくれました。
3時間が過ぎて日が傾いてきた頃、「俺に辞めろと頼んでも無駄だよ。」の言葉と共に目の前にゴンがスッとが現れた。
「どうして関係のない村人に八つ当たりの様なことをするの?元と言えば君が悪いんだろう!!」と叫ぶと、ゴンは恐ろしい形相になって
「あいつらは俺が悪いと言っているんだろう!だが、それはお前の祖先のシュンが俺に罪をなすり付けたんだ。シュンの仲間が死んだのは襲われた俺がそいつを投げ飛ばしたら石に頭をぶつけてしまったからだし、もう一人が死にかけたのも山で出くわしたシュンたちが俺を殺そうとしてきたから持っていた鎌で反撃したんだ。」と言った。
真相を知った私は自分が悪いような思いが湧いてきて
「全てを俺のせいにされて家族は村八分になった。村に入れなくなって山に入ったら家族は熊に喰われた挙句に俺も山狩りで追い詰められて殺されたんだ。そんな村人たちを恨むのは当たり前じゃないか!!」のゴンの叫びに「ああ、これは無理だ・・・」と打ちのめされた。
それでも私は泣きくじゃりながら「今の村人たちは関係ないじゃないか!こんな風に恨みを晴らすのは良くないよ、お願いだから止めておくれよ!!」と頼んだが、ゴンは「お前を外す約束は守るよ。」と言って消えてしまった。
家に戻ると皆んなの容体が悪くなっていて重苦しい風囲気に包まれていました。
父と母も寝込んでしまい、以前から寝込んでいた村人達からはもう2・3日もすれば死人が出るのではと思われる状況になってきた。
私は大丈夫でしたが父と母に祖父母迄が死にそうだということで気が気でありませんでした。
この状況で皆んなの命が自分にかかっていると思えて、悲しみだけでなく恐ろしい重圧も感じたのです。
「ああ、どうすればいいんだろう?」といくら考えても良いアイデアが浮かばず、時間だけがどんどん過ぎて皆んなの死が近づいてくる焦りと恐怖・・・・
私は父と母、祖父母や村人達にも「どうすればいい?」と尋ねて回ったけれど無駄でした。
その夜は眠ることもできず夜が明けたのでした。
何の手を打つことも出来ず、皆んなが死んで自分だけが生き残ることがとてつもない苦痛になっていた私はゴンに会って、自分も一緒に殺してくれと頼む気持ちになっていました。
朝になると私は食事も食べず、真っ先に川へと向かいました。
こんな時間でもチョン吉は来てくれて一緒に川中の岩に座ってゴンを待ちました。
「ゴン、僕を外す約束はいいから、僕も一緒に呪ってくれ!僕は父さん母さんと一緒にあの世へ行きたい。僕の両親なら君のように関係ない人達を呪うなんてことは許さないだろうけど、君がそうしたいなら仕方ないね。」
と語り掛けを繰り返し、ゴンが現れるのを待った。
岩の上に座っているとお尻が痛くなって、何度も川中に立って身体をほぐすことを繰り返しながら、チョン吉は川に入っては戻ることを繰り返しながらゴンを待ち続け、
「チョン吉、ありがとうな。来年は会えなくなったら御免だよ。でも両親と祖父母が生きていたら必ず会いに来るからね。」とチョン吉と指切りもした。
随分と待って昼が過ぎた頃にゴンが現れた。
「俺も家族と一緒に居たいから、皆んなと会わせてくれるか?」と言うので「君の家族に会わせることができたら皆んなを助けてくれるんだね!」と喜び勇んで言うと
「いや、そうじゃない。俺の両親も村人には恨みを持っているだろうけど、両親が俺に止めろと言うなら止めてうやるよ。」の答えに私はすかざす「約束だよ!」と指切りげんまんを求めた。
ゴンは私を怖い顔で睨んでいたけれど、私と指切りげんまんをすると消えたのでした。
私はチョン吉にさよならを言うと急いで家に走って帰って、住職が寝込んでいる部屋に駆け込みました。
住職の容体は重く、寝込んでいても苦しそうにゼエゼエと息をしていましたが、私は構わず住職の枕元に座ると耳元で
「ゴンの家族の灰を入れた仏像はどこにあるんですか?」と大声で聞いた。
住職は驚いた顔を私に向けて「ゴンの両親の仏像は寺の物入にしまっておるが、何か?」と教えてくれました。
「ゴンの両親の霊を仏像から出すにはどうしたらいいんですか?」と聞くと、住職は「飛んでもない!そんなことはしてはならん!!」とその後は何も言ってくれなくなってしまいました。
私は両親の部屋に行ってこれまでの経緯を話して相談したら、両親は布団から起きて祖父母の部屋へ行って話を伝えたのです。
「ゴンの祟りはゴンの灰を入れた仏像に割れ目ができて中の灰が漏れ出したことが始まりじゃ。同じようにゴンの両親達の灰を入れた仏像を割れば霊が解放されるはずじゃ。」
という祖父の答えを聞くと、私は納屋へ行って斧を取り出して寺へと向かいました。
寺にはよく行ってたので場所は分かっています。
私は斧を肩に担いで山道を走りました。
「まだ日は明るい。今日でけりを付けるんだ!」
と苦しかったけれど足を止めずに走り続けました。
寺の物置は建物の裏側にありました。
鍵がかかっていましたが斧で鍵を叩き切って中に入ると、中には農具などの様々な道具や古い家具や祖先伝来の物が入っているだろう行李などがたくさんありました。
物置は10畳ほどの広さで「仏像はどこだ?」と見渡すと、奥の隅に隠れるように置かれていました。
木造の仏像のはずですが、仏像の表面はグルグル巻きに布で巻かれていて不気味な感じです。
仏像の高さは1m程で、私一人で何とか運ぶことができたので物置から外に出し、巻かれていた布を外し、
「さあ、ゴンの両親と妹を出すぞ!」
と斧を振り落としたのでした。
一度では割れず、何度も振り落とすと、遂に仏像が真っ二つに割れて中の灰が零れだしました。
ハアハアと肩で息をする私の頬を生暖かい風が撫でていったように感じました。
「今のはゴンの家族の霊だったのかな?兎に角、川に戻ってゴンと話をしなくちゃ!!」
と私は実家には戻らず、川に向かったのでした。
川に付いたのは18時頃で、未だ周囲は明るかった。
川中の石に座るとチョン吉が来てくれて二人で一緒にゴンを待った。
「ゴン、家族とは会えたかい?両親は君の呪いに賛成してくれたの?反対だったら約束だよ!!」
19時が過ぎ、周りが薄暗くなってきた頃、「約束」というゴンの声が聞こえ、周りの木々の枝がバサバサと揺れて風が吹き抜けていった。
「約束ってどっちなんだよ!?」
と不安に包まれながら、私はチョン吉にさよならを言って実家へと走りました。
家に着くと皆んながフトンから起き上がって宴会の準備をしているところだった。
「お父さんお母さん!!」と私が両親に抱き着くと、皆んなが拍手で迎えてくれたのでした。
「これが私の体験談です。」
「いやァ、凄いですね。そんな事が本当にあったんですか?と言いたくなるような信じがたい話じゃないですか。」と司会の島ヒロトは興奮した口調でコメントし、
「ところで、カニのチョン吉とはその後も会ったんですか?」の質問に、
「チョン吉はあの後3年後には亡くなってしまったようなんですが、彼の子供達か仲間に引き継がれたらしくて、たくさん来てくれるようになりました。」とゼロワン。
この回のユーチューブビデオは好評で100万回を超える再生階数で、ゼロワンのチャンネル登録者も10万人近く増えて、お互いにウインーウインな結果に終わったようだ。




