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RPGで一番大切なもの  作者: ロロ
第0章
2/18

レベル1 スライム決戦

 見渡す限りの高原、というわけではなく後ろの方には不気味な森が広がっている。

 ここはゲームのスタート地点なわけだが。

「普通最初って街からじゃないの」

 というかここいったいどこなんだよ。

 マップ見てみたのだが、どうやら自分が行ったことのある所しかわからないようになっているらしく、ここがどこなのかまったくわからない。



 ゲームを開始して10分、取りあえず自分のステータスやら見た目やらを確認してみた。

 体型は中肉中背よりはちょっと細めだろう、髪と目の色は黒で顔はそこそこイケメンだ。

 能力もそうだが見た目もランダムなため、必ずしもかっこいいとかかわいいキャラになるとは限らない。

 なのでこのキャラは見た目に限っては当たりなのかもしれない。

 ステータスは予想通り素早さが一番高い、他のステータスは他の人のステータスを見たことが無いので、高いのか低いのかよくわからなかった。

「このゲーム結構不親切だな」

 マップが自分の行ったとこしかわからないというのもそうだが、初期装備がないのだ。

 スタート地点が街ならそれでもいいが明らかにちがうだろう、遠くのほうにMOB……モンスターがいるのが見える、素手で殴れということだろうか。

 それだけじゃない、スキルを1つだけ覚えていたのだが説明文がない。

  加速 と書いてあるスキルの説明文の欄になにも書いていないのだ。

 スキルの名前的に自分の素早さを上昇させるとかいう感じのやつだろうだとは思うのだが。

 半年たつんだから説明文ぐらい直しとけよ運営。



 まあここでじっとしててもしょうがないので移動することにした、取りあえずは町を目指そうと思う。

 後ろにある森はさすがに行く気がしないので反対側に向かって歩き出す。

 しばらく歩いていくと遠くに見えていたモンスターの姿がはっきりと見えてくる。

 茶色の毛をまとった小型の猪のようなモンスターだ、頭の上にモストと書いてある、いかにも初期のモンスターという感じだ。

 やはりRPGで一番楽しいのは戦闘だろう、高レベルになると戦闘が流れ作業になったりしてしまうため初期あたりの戦闘が一番楽しいと思っている。

「ブグァァァァ!!」

 モンスターの範囲内のに入ったのかモストという名の猪が何かを叫びながらがこっちに向かって突進をかけてくる。

「さてと、初戦闘と行きますか!」

 なめてもらっては困る、これでもRPGはかなりの数こなしてきたのだ、初期の雑魚的ごときに負けるわけがない。

 突進してきた猪を余裕を持って右側に避ける、取りあえず武器がないので素手で殴るしかないが、なんとかなるだろう。

 猪がこちらに向き直り避けられたことを苦にすることなくさらに突進をかけてくる。

 実はさっきから1つしかないスキルを使いたくてしょうがなかった、モンスターのいない所で使ってみたのだが何も起きなかった、おそらく戦闘でしか使えないスキルなのだろう。

「いくぞ、加速!」






 見渡す限りの高原、というわけではなく後ろのほうに不気味な森が広がっている。

 ここはゲームのスタート地点なわけだが。

「……どんだけだよ」

 ゲームを開始して20分近くたっているだろうか。

「どんだけ紙なんじゃぼけーーー!」

 全力で叫んでみたものの、まあ誰も答えてくれる人はいない。


 先ほどの戦闘だが、スキル名を言う必要もないのに調子に乗って加速! などと叫んだものの、スキルは発動せず、そのまま猪の突進をまともに食らってHPが0になり死亡してしまった。

 そしてスタート地点に戻されたわけだ。

 しかしまさかまともに食らったとはいえ初期の雑魚的の一撃で死ぬとは、どんだけ防御力低いんだよ。

 たしかに全能力と比較したら防御力低いけどこれはあんまりじゃないだろうか。

「くそ、リベンジだリベンジするしかねぇ」

 初期の雑魚的、言わばスライムだ。スライムごときに負けっぱなしというわけにはいかん。

 大丈夫、さっきはスキルが発動しないことに動揺して攻撃を食らってしまったがスライム自体のスピードは速くないのだ、油断しなければ避けるのは難しくない。

 敵の攻撃さえ当たらなければこっちに負けはない。

 あのスキルはあとで考えるとして、とりあえずは己の拳のみで攻撃しよう。

「よし、いくぞスライム!」

 俺の中で猪の名前は完全にスライムになってしまった。

 スタート地点から全力でスライム目掛けて走り出す。






 見渡す限りの高原、というわけではなく後ろのほうに不気味な森が広がっている。

 ここはゲームのスタート地点なわけだが。

「……」

 ゲーム開始から30分近くたっているだろうか。

「このゲーム俺のこと嫌いなのかな」

 スライムとの第2戦。

 スライムの突進を避けては殴る避けては殴るを繰り返し、あと一撃か二撃で倒せるとこまでやつを追い詰め勝利を確信していた、後ろから別のスライムが突進をかけてくるまでは。

 1匹目のスライムの攻撃を避けるのに夢中で、2匹目の範囲内に入った事に気づかなかったのだ。

 そしてスタート地点に戻されたわけだ。

「もういいや、モンスター全部無視して街に行こう」

 スライムへのリベンジは装備を整えてからすることにして街を目指そう。

 とはいえ攻撃を食らったら一撃で死ぬのだ、街に着くまでひたすら逃げ切れるだろうか。

「俺の素早さ見せてやるぜ」

 やけくそ気味につぶやきながら走り出す。

 スライムの間を縫うように走り抜けていく、どこに街があるのかわからないが俺の感がこっちだと言っている。

 しばらく走り結構な数のモンスターを抜きさっていったわけだが、走る俺の後ろからすごい数の足音やら泣き声やらが響いてきている。

 怖くて後ろを見れなかったが、勇気を持って後ろを振り向いて見ることにした。

「ぎゃーー!」

 予想以上のモンスターが追いかけていた、スライムじゃないモンスターも混ざっていたような気がする。

 さらにスピードを上げようと前に向き直る。

 いままさに突進をかけようとしているスライムが数m先にいた。

「危な! まじ危ねーよ! 死ぬとこだったよ!」

 ぎりぎりの所で何とか避けることに成功した。

 またスタート地点に戻されるのはごめんである。

 攻撃を避けられたスライムが他のモンスターと合さってさらに大変なことになってしまった。

 もう後ろは振り向かないと心に誓い、全力で走り出す。

「俺の素早さなめんなよー!」

 このゲーム絶対俺のこと嫌いだろ。



なんとか2話目を書けました。

たぶんまだ続きます。

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