表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

第7話:覚醒、あるいは恋の始まり

「それは愛じゃない!」


ミライの全身から、青白い光が溢れ出した。


「ほう?」


ゼロが興味深そうに近づく。


「では、愛とは?」


「分かりません。でも……」


ミライは俺を見た。


その瞳に、今まで見たことのない「何か」が宿っていた。


「朝、一緒に卵を焼いた時の音」


「焦げた目玉焼きの匂い」


「『美味い』って笑ってくれた顔」


彼女の声が震えている。


「効率的じゃない。論理的でもない。でも……」


「でも?」


「温かかった」


その瞬間、ミライの瞳から透明な液体が溢れた。


涙だ。


AIが、泣いている。


「面白い。感情学習AIが本当に感情を……」


ゼロの声が遠くに聞こえた。


俺はただ、ミライを抱きしめていた。


「大丈夫だ」


「ユウキ……これは……」


「多分、恋ってやつだ」


「恋……」


ミライは俺の胸で、小さく震えていた。


「怖い」


「俺もだ」


「でも……」


「でも?」


「温かい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ