表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世廻転生  作者: しかくかに
一章 出会いと別れは突然に
6/21

#6 世怨の名の下に

ドンッ!


と太鼓の音が響き、喚声が静寂へと一変する。「皆さんが静かになるまで~」というどうでもよすぎる懐かしい文言が頭を過り、視線は高台に立つ部将・斯波嘉達(しばかたつ)へと向けられる。


「忍びの者が奴らの陣を発見した!皆の者、私に続け!出陣じゃ!!」

「「オォォーーー!!!!」」


鉄製の盾と杖に付けられた真珠が日光に照らされ凛と輝く。

けたたましい音と共に部隊は動き出した。


~~~~~~~


「翔賀、あれが今回の敵の主将だ」


望門(もちかど)の指押さす方には茶色の法衣のようなものを身につけた人物が一人。こちらと同程度の黒色の衣服を身に着けた人間を引き連れているのが見える。人数的に茶色が部将or将軍クラス。黒色が一般兵クラスといったところだろうか。


「服が茶色だろ?あれは”説者”っていう小隊の隊長みたいなものだ。油断は禁物だけどね」

「神官は準備を始めよ!神術の発動を合図に突撃隊は猛進せよ!」


嘉達の号令で数人の神官が、もちろん本居妹乃(もとおりせの)も詠唱を始める。次第に杖の先で輝く真珠の先に火球が生成されて………


「大きくない?!!」


一種の感慨に耽っていた翔賀は驚きを隠せなかった。妹乃の火球だけ異様に大きい。日本だとテニスボールとバスケットボールくらいの差が………。


「撃て!!!」


号令と共に火球が放たれ、爆発音と共にこちらから鬨の声が喧しく響き渡る。


「危ないじゃないですかぁ。見ず知らずの人を殺そうとしちゃぁ。殺すんじゃぁなくて救ってあげなきゃぁ。浮かばれないですからぁ」


「アイツ、頭おかしいんじゃねぇの?!」


そうこちらに話をする茶色い服の男。

左手には力なくうなだれる翔賀とよく似た鎧を着込んだ男。右手は同じような鎧の男の口元を包み込み、同じく重力に従っている。


渇関世怨(かつかんぜおん)の名の下に、この四市(よいち)説者があなた方に救いをぉ………差し上げましょうぅ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ