#5 平和な戦闘前
この世界は戦国~江戸時代あたりの日本をイメージした架空世界です。
この世界は『日本風』の架空世界です!
目の色ありえないだろ、とか
外国の血が…
なんてこともありません
ここは!『日本風』の架空世界です!!!
軽い挨拶を済ませ、本居望門は翔賀に話す。
「いいか?戦場では味方の”神官”を守ることだけ考えろ。絶対に相手を倒そうなんて考えるな。無駄死にするだけだ。何なら邪魔になる」
「ただの壁ってこと?」
「う~ん………まぁ、そう」
(そうなのかよ)
活躍したいとまでは思わないが、「壁になれ」と言われて素直に頷くのも癪なものである。「何かしたい」そう思うのは成長途中の生意気なガキだからだろうか。
「正確に言うと”今は”が正しいけどさ。接近戦なんて慣れてないと無理だよ。まず、相手の隙が分からないと飛び出した途端に死ぬだけだ」
「そっか。ありがとう」
辺りに人が多くなってきた。
「ってことで!僕たちが守るのはコイツ。”神官”の本居妹乃!」
黒のセミロングで頭の後ろに可愛らしくお団子を結っている。身長は時代を考えてもとかなり高い165㎝ほどだろうか。翡翠の目を真っ直ぐにこちらに向け少女は話す。
「初めまして!本居妹乃といいます!よろしくお願いします!」
「僕たちは今はとにかく妹乃を守ることだけを考えればいい。分かったか?」
「分かった。あと、どうでもいいけど、本居ってことは二人は………」
「僕の妹だ!」「他人です!」
「………」
「どっちだよ………」
無言で二人は見つめ合う。そして、
「小さい頃から一緒に暮らしてきたじゃんかぁ!妹でも間違っていないと思うんだけどなぁ」
「それはそうですけど、お兄ちゃんと血は繋がってないじゃないですか!」
妹乃は杖を握りしめて望門に言い返す。これから戦いに行くなどと考えられない程に平和でふわふわの空気である。
「えぇっと………幼馴染みたいなことであってる?」
「そうですねぇ………同じ家で育った幼馴染ですかね?これならいい?お兄ちゃん」
「苦渋で認める」