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第8話新たなる影

第8話:新たなる影


 黒鎧の男を倒し、村の静寂が戻った。


 俺はまだ手の感触が残る雷霆の剣を見つめながら、深く息をついた。


(……さっきの力、一体なんだったんだ?)


 神威の創造——いや、それだけじゃない。あの雷霆の剣は、まるで俺に"与えられた"もののようだった。


「悠斗、大丈夫……?」


 エリスが不安そうに俺を覗き込む。


「ああ、問題ない。でも——」


 俺は足元に転がる、黒鎧の男が残した紋章の刻まれた指輪を拾い上げた。


「これ……」


「それ、どこかで見たことがあるわ」


 エリスが指輪を覗き込む。


「確か……王都の資料で読んだことがある。"闇の教団"って組織の紋章に似てるわ」


「闇の教団……?」


 ロイドが言っていた、"闇の王の遺産"。それと関係があるのか?


「とにかく、この情報をギルドに報告しよう」


「そうね……でも、その前に休みましょう。悠斗、すごく疲れてるでしょ?」


「ああ……正直、少し休みたいな」


 俺たちは宿屋へ戻ることにした。


静寂の裏で


 夜——


 俺は深い眠りの中で、またあの"声"を聞いた。


——力を得たか。だが、それは始まりに過ぎぬ。


(誰だ……?)


——お前は、"選ばれし者"。この世界を導く者。だが、それは同時に……お前を滅びへと導く運命でもある。


(滅び……? どういう意味だ!?)


 声はそれ以上何も言わず、静寂が訪れる。


「……っ!」


 俺は息を切らして飛び起きた。


(今のは……夢? それとも……?)


 額に汗が滲んでいる。


 ただの夢とは思えなかった。


新たなる脅威


 翌朝、ギルドへ向かった俺たちは、昨夜の出来事をロイドとレナに報告した。


「闇の教団……なるほどな」


 ロイドは険しい顔をして指輪を眺める。


「彼らは、"闇の王の遺産"を探し求める狂信者の集団だ。千年前に滅んだはずだが……」


「つまり、まだ生き残っている?」


「可能性は高いな。悠斗、お前が持つ黒い宝玉……それを狙ってくる可能性もある」


「……だろうな」


 俺は拳を握りしめる。


(あの時の声……"滅びへ導く"って、どういうことなんだ?)


「悠斗……」


 エリスが不安そうに俺を見つめる。


「大丈夫だ。俺は俺のやるべきことをやるだけだ」


 そう言い聞かせるように、俺は黒い宝玉を握りしめた——。



---


次回予告


闇の教団という新たな敵の存在が明らかに。悠斗は自らの運命を知ることができるのか?


次回、「王都への旅立ち」


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