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第6話雷光の剣と闇の刺客

第6話:雷光の剣と闇の刺客


「来い!」


 雷光を帯びた剣を構え、俺は黒いローブの男と対峙する。


 敵の中でも、一際異質な気配を放つこの男——ただの盗賊やならず者ではない。


「フッ……なかなかの力だな。だが、その力が我らの主にとって脅威となるなら——」


 男はローブを脱ぎ捨てる。


 そこに現れたのは、漆黒の鎧に身を包んだ異形の戦士だった。


「貴様をここで葬る」


 その瞬間——


「……ッ!」


 俺の背筋に戦慄が走る。


(やばい……こいつ、強い!)


 ただの刺客じゃない。明らかに魔族……いや、それ以上の何かだ。


「悠斗、気をつけて!」


 エリスが警戒し、魔法を詠唱する。


「"炎よ、敵を焼き尽くせ——フレイム・ランス!"」


 エリスの炎の槍が男へと飛ぶ。しかし——


「……ふん」


 男は手をかざし、黒い霧を発生させた。


 その霧が炎を包み込み、あっさりとかき消してしまう。


「なっ……!?」


「そんな低級魔法で、我を傷つけられると思ったか?」


「くそっ……!」


 エリスが後退する。


(俺がやるしかない……!)


 剣を強く握り、俺は"神威の創造"を発動する。


「創造——雷撃の鎖!」


 俺の手から放たれた雷光の鎖が男を拘束する。


「……ほう」


 男は微かに驚いたような表情を見せるが、すぐに口元を歪めた。


「面白い……だが、そんな鎖では——」


「今だっ!」


 俺は"雷光の剣"を振り下ろす。


 雷撃の力が迸り、男の鎧を焼く——


 ——はずだった。


「……?」


 次の瞬間、雷光が弾かれた。


(何!?)


 男の体を覆う黒い霧が、俺の攻撃を無効化したのだ。


「貴様の力……解析させてもらったぞ」


 男が手をかざすと、黒い魔力が渦巻き始める。


「"闇の波動"——」


 ドォン!!


 強烈な衝撃波が俺を襲い、体が吹き飛ばされる。


「ぐっ……!」


 背中を地面に打ち付け、息が詰まる。


「悠斗!!」


 エリスが駆け寄ろうとするが——


「邪魔だ」


 男が指を鳴らすと、影から新たな刺客たちが現れ、エリスを取り囲んだ。


(まずい……!)


 状況は一気に不利になった。


「さあ、終わりだ」


 男が俺に向かって剣を振り上げる。


 ——だが、その時。


「悠斗!!」


 エリスの叫びと同時に、俺の体が熱くなる。


(これは……?)


 黒い宝玉が、光を放ち始めていた。


ゴゴゴゴ……!


 地面が震え、空気が歪む。


「何……!? これは……!?」


 敵が怯んだその瞬間、俺の中に何かが流れ込んできた。


(この力は……!)


 視界が真っ白に染まり、俺の意識は深淵へと沈んでいく——。



---


次回予告


黒い宝玉が光を放ち、悠斗の体に何かが宿る——その正体とは? 闇の刺客との戦いの行方は……!?


次回、「覚醒する遺産」


お楽しみに!

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