表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/45

第2話追放された先での出会い

第2話: 追放された先での出会い




ギルドでの登録を拒否された俺は、呆然としたままギルドを後にした。街の中を歩きながら、色々と考えた。どうして俺が選ばれてこのスキルを授かれたのか、それにどうして冒険者ギルドですら使い道がないと言われたのか。




「まったく、どういうことだよ。」




つい口に出してしまうほどの怒りが込み上げてきた。こんなにも強力なスキルを手に入れて、世界を変えるつもりでいたのに、ただの町の外れに追いやられるのか。




その時、ふと視界の隅に一人の女性の姿が見えた。彼女は汚れたローブを着て、少し肩を落としながら歩いている。何かに悩んでいる様子で、目は虚ろだった。




「うーん、どうしよう……」




俺は何気なく彼女の横を通り過ぎようとしたが、彼女が突然、つぶやいた言葉に耳を澄ました。




「……私も、追放されちゃった。」




思わず足を止めて振り返る。彼女が俺の視線に気づき、少し驚いた様子で目を合わせてきた。




「え? 追放?」




「はい……ギルドに登録したんだけど、スキルが使いこなせなかったの。」




「……そうか。」




俺も、まさに今、その立場だった。ギルドに登録を断られた理由は、自分のスキルがあまりに強すぎて、使い方が分からなかったからだ。彼女も似たような理由で追放されたのだろう。




「僕も、似たようなもんだ。」




彼女は少し目を丸くして俺を見つめる。




「本当に?」




「うん。俺も【神威の創造】ってスキルを授かれて、最強だって言われたけど、使い方が全然分からなくて。だからギルドでも登録を断られた。」




「それなら、似てるわね。」




彼女の表情が少し和らいだ。彼女は俺と同じような境遇で、少しだけ安心したのかもしれない。




「私は、【魔法使い】として登録しようとしたけど、使える魔法が多すぎて、どれを使えばいいのか分からなかった。結局、誰にも教えてもらえずに追放されちゃった。」




「なるほど……それじゃあ、僕たち、同じように使えないスキルを持ってるってわけか。」




彼女はうなずき、少し笑った。




「そうね。でも、もしかしたら一緒に旅をすれば、何か解決策が見つかるかもしれないわよ。」




その言葉に、俺は少し驚いた。彼女の目は真剣そのもので、どこか前向きな雰囲気を漂わせていた。




「一緒に旅……?」




「うん。あなたみたいにスキルが強すぎて困ってる人と一緒なら、私も学びながら進めるかもしれないし、何より一人より二人の方が心強いわ。」




その提案は意外にも魅力的だった。確かに、こんな強力なスキルを持っているのに、使い方が分からない俺一人では何もできないかもしれない。でも、彼女と一緒なら、きっと何か新しい道が開ける気がした。




「よし、一緒に行こう。」




俺は決心して答えた。彼女は嬉しそうに笑顔を見せ、頷いた。




「名前は?」




「エリス。あなたは?」




「天城悠斗だ。」




「じゃあ、悠斗。これからよろしくね。」




「うん、こちらこそ。」




俺たちは、新たな冒険の始まりを感じながら、一歩を踏み出した。






---




その後、エリスと共に旅を始めた俺は、次第に自分のスキルの使い方が分かってきた。最初は不安だったが、エリスのサポートと共に様々な出来事を乗り越えるうちに、少しずつ自信がついてきた。




しかし、この世界には俺たちの想像を超える危機が潜んでいた。俺が持つ【神威の創造】というスキルは、ただの強力な能力ではなく、世界の運命を変える力を秘めていたのだ。




その事実に気づいたのは、ある日、俺たちが訪れた小さな村でのことだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ