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最凶レオノーラ

 二つの星雲が交差衝突する【銀牙系】…… 海賊大航海時代も終焉(しゅうえん)に近づいていた頃──『織羅・レオノーラ』幾度目のループ世界、レオノーラ『黒の巡目』


 銀牙系を航行する、衛星級宇宙船『極楽号』の船橋で、船長席にふんぞり返って座り。

 テーブルの上に足を乗せた、目つきが悪いガンファイター姿の織羅・レオノーラがいた。


 骨つきのナゾ肉を前歯で千切り食べている、バグ・ヴィランのレオノーラが呟く。

「固くて、クソまずいゴムみてぇな肉だな……ぺッ」

 食べていた肉を床に置いた壺に吐き出したレオノーラは、前の航行席で極楽号を操縦している、カプト・ドラコニスの後頭部をブーツで蹴った。

「おらっ、竜頭(りゅうあたま)もっと早く船をとばせ」

 片目に眼帯をしたカプト・ドラコニスが生気の無い声で答える。

「はい、すみません……レオノーラさま」

「あぁ、なんだそのちいせぇ声の返事は……竜頭、てめぇ残ったもう一つの目も、えぐり出してやろうか」

 

 極楽号の船橋には、レオノーラが居る時は、いつも戦々恐々の怯えた空気に満ちていた。

 ディアが恐る恐る、レオノーラに言った。

「レオノーラさま、惑星ビビリの代表から、苦情の通信が入電しています……惑星の植民地化をやめてもらいたいと」

 強化ビンに入った飲み物を飲み終わったレオノーラが、壁に向かって空のビンを投げつけ、ディアは身を縮ませる。


「オレに意見や進言するのか、いい度胸しているじゃねぇか! クズ惑星が竜頭、ビビリ惑星に向けて進路変更……ウサギ女、破壊砲の発射準備しとけ」

 気弱そうな表情をした、軟鉄ウサギの月華が怯えた様子でレオノーラに言った。

「あのぅ、レオノーラさま……いくらなんでも、惑星を丸ごと破壊砲で破壊するというのは……」

「ウサギ女、先におまえの方を丸焼きにしてやろうか……ご注文はウサギの丸焼きにですかぁ? おまえはオレの命令を聞いていりゃいいんだよ」


 誰も逆らえない、銀牙系の最凶最悪女……それが、織羅・レオノーラだった。

 数十分後──極楽号は、惑星ビビリの星域に跳躍到着した。

 宝石のように美しい惑星ビビリ。

 レオノーラが指示を出す。

「破壊砲発射用意、発射トリガーシステムをこっちの席に移せ……オレが直々に、撃ち抜いてブッ壊してやる……かかか」

 レオノーラの席に発射トリガーが、せり出してくる。

 極楽号の瞳が開き、破壊砲の発射口が現れる。

 モニターを見ていた月華が言った。

「惑星ビビリから、脱出する船団があります」

 薄笑いを浮かべて、月華に指示をするレオノーラ。


「逃げ出さねぇように……Σ/Σ(ダブルシグマ)シールドで、クズ惑星を包め」

「そんなコトをしたら……惑星から誰も脱出は」

「さっさとやれ、ウサギ女! ご注文はウサギの丸焼きにですかぁぁ」


 悲しみの表情で、惑星を二重のシールドで包む月華。

 照準が惑星にロックされ、笑いながらレオノーラは発射トリガーを引く。

「砕け散れ! クズ惑星! かかかかっ」

 悪魔の閃光が惑星を貫く、爆発する惑星ビビリ。

 惑星が誕生してから一番の輝きだった、全生命を一瞬で死滅させる……悪魔の輝き。


「かかかかっ、でけぇ花火が宇宙に咲いたぜ……スッキリしたぜ」

 椅子から立ち上がったレオノーラが、船橋のクルーたちに向かって言った。

「少し自分の部屋で仮眠する……邪魔したら、真空の宇宙に放り出すからな」

 船橋から通路を通って、自分の部屋に入ったレオノーラの周囲が濃霧に包まれる。

「なんだ? こりゃ」

 入ってきた部屋のドアは消えていた。

 霧の中から二人の人物が現れた。

 ウェルウィッチアと飛天 ナユタだった。

「はぁ~い、最凶のレオノーラちゃん」

 怪しむバグ・ヴィランのレオノーラ。

「なんだ、ウェルウィッチアの超ババアじゃねぇか……この霧はいったい何だ?」

 ウェルウィッチアの頬が、ヒクッヒクッと痙攣(けいれん)する。

 ウェルが言った。

「口が悪いわねぇ、さすがに今回のループ世界のバグ・ヴィラン織羅・レオノーラは非道すぎる……このままだと。銀牙系自体を崩壊させかねない……やり直しましょう、ナユタお願い」

 飛天ナユタが、レオノーラの目の辺りを手でつかみ覆う。

「てめぇ! 何しやがる! おまえいったい誰だ?」

「このループ世界では、出会わなかった者……次の世界で会おう、レオノーラ」

「なに、ワケわからねぇコトを! 手を離せ!」

 レオノーラの意識が、ナユタの手に吸い取られるように薄れていく。

「や、やめろぅ! オレを消すなぁ! オレは……オレは誰?」

 レオノーラの意識は濃霧の中に包まれた。


  ◇◆◇◆◇◆


 次にレオノーラが、我に返った時──織羅・レオノーラは一人、草原惑星の丘に立って夜空に浮かぶ青い三日月を眺めていた。

 優しい表情で呟くレオノーラ。

「綺麗な月」

 レオノーラは、太モモのレッグガンホルダーに収まっている、黄金銘銃『レオン・バントライン』を擦りながら言った。

「自分探しの冒険をはじめるには、最高の月夜だと思わない? レオン・バントライン……あたしに力を貸して」


最凶レオノーラ~おわり~


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