ここから、始まる。愛。
突然の恋敵出現。とは・・・。ライバルは、妹。でも、花梨は、本気で、瞬が好きなのかは、疑問だった。とにかく、妹と、出逢ったばかりの瞬とでは、妹のほうが、大事。花梨は、教えてもらったばかりの瞬の携帯にメールする事にした。
・・・やぱり、無理。ってか、妹と、別れて無いじゃん!・・・
返事は、すぐ、来た。
・・・それは、ない。麻衣莉とは、終わってる。・・・
麻衣莉が、納得してない、別れなのか?
・・・だけど、あなたとは、続ける事は、できない・・・
花梨は、送信すると、携帯を閉じた。何度か、着信を、知らせる音が、したが、無視し続けるうちに、もう、音が、しなくなっていた。
「終わったの」
特に、メルアドを替えようとは、思わなかった。が、会社では、なるべく、綾に、バイト生の、管理を任せ、瞬とは、顔を合わせないように、過ごしていった。何度も、メールや着信が、あったが、花梨は、無視を続けた。自分の恋よりも、妹の気持ちをとった。今、なら、まだ間に合う。まだ、そんなに、瞬の事が、好きでは、なかった。
バイト生の、仕事も減り、今日で、最終日という日に、駐車場で、待つ影があった。
「避けられているのは、判っていたけどさ・・・。」
寂しそうに、瞬は、言った。
「メールで、終わりなんて、お姉さんも、ひどい事するよね。」
「ごめん。やっぱり・・・。麻衣莉の事を、考えると・・・。」
「俺の気持ちは、どうでも、言い訳?」
麻衣莉は、答えなかった。
「まぁ・・。いいけどさ。そんなものだったんだな。」
花梨の隣に並んだ。
「まださ・・・。瞬君は、子供なんだよ。」
「子供?」
ちらっと、瞬の、瞳に、苛立ちが、はしった。
「いろいろ、判らないんだよ。現実って、ものが・・・。あたし達、非現実すぎると、思う」
「ふっ・・・。」
瞬は、笑った。
「お姉さんが、そう、思うんなら。」
「あたしさ・・・。」
話そうか、どうか、花梨は、ためらった。
「瞬君は、可愛いって、思ってた。だけど。好きな人は、他に居るの。ごめん。瞬君と、一緒の未来。想像できない」
きつい事を、言ってると、思う。だけど、実際、瞬との付き合いは、考えられないし、麻衣莉との関係は、傷つけたくない。
「ごめん」
「わかった。」
「麻衣莉を。お願い」
「それは、約束できないけど」
瞬は、花梨の手をとった。
「もう、一度だけ、キスさせて」
「だめだよ・・・。ここじゃ」
「じゃ。何処なら、いいの?」
「仕方ないな・・・。」
「家まで、送ってよ」
「最初で、最後ね」
花梨は、瞬を、車に、乗せた。最初で、最後の瞬の家までの、送り道。途中、瞬は、花梨に、軽くキスをした。
「また・・・。ね」
優しいキスだった。
「大人だったら・・・。断らなかった?」
「ダメだよ。麻衣莉に、怒られる」
「また。それか・・・。」
瞬は、笑った。花梨も、笑った。瞬17歳。花梨22歳の初夏だった。
時は、流れる。いつの間にか、花梨は、瞬の事も、忘れ、仕事い、追われる日々に埋没していた。6年の月日は、花梨を、大人にし、妹の麻衣莉も、あでやかな女性へと、成長していた。
「全く、妹のほうが、先にいくとはね・・。」
母の、ボヤキが、また、始まった。今日は、麻衣莉の、結婚式で、あった。あれから、結局、麻衣莉は、瞬と、付き合う訳でも、なく、全く別の男性と、結婚する事になっていた。23歳の、今時にしては、早い花嫁であった。
「どうも、すみませんね」
花梨は、ふてくされて、みせた。
「結局、お姉ちゃん負けたわね。」
麻衣莉の友人達に、からかわれた。
「これからよ!」
花梨は、意地悪っぽく、笑った。
「そう、そう。お姉ちゃん。」
白無垢の麻衣莉が、向こう側を、指差した。
「以外な人。招待したんだけど。」
麻衣莉の指差す方には、黒い礼服に、身を包んだ男性が、立っていた。あの時より、身長は、伸びただろうか・・・。顔に、残っていた幼さは、消え、立派な青年が、こちらに、向かって歩いていた。
「瞬君・・・?」
「お詫びって、訳じゃないのよ・・。」
麻衣莉は、隣の、旦那になる人物と、笑いあった。
「彼の、お蔭で、私達は、知り合ったの。」
瞬が、キッカケで、麻衣莉は、今の旦那と、知り合ったらしい。祝詞を、読むべく、招待されたらしい。
「まぁ・・・。いろいろ、あったからね」
麻衣莉は、花梨の背を、押した。
「もう、お姉ちゃんに、あげるから。彼。」
「そ。そんな勝手な。あたしにだって」
彼氏くらいいる。っと、言いたかったが、瞬が、目の前に、せまっていたので、言うのを、やめた。
「久しぶりです」
目の前に現れた瞬は、本当に、大人の男に、なっていた。瞬と花梨の、恋。まだ、二人は、始まったばかりである。




