終わってないから!
その話をする時は、突然やってきた。どうしても、元彼とはいえ、妹には、言い出せない。なんとなく、気まずく、している空気を、麻衣莉が、やぶった。
「あのさ・・・。お姉ちゃん。話があるんだけど」
飲み物を冷蔵庫から、出そうとした時、麻衣莉が、立ちはだかった。
「なに?」
検討が、ついたけど、一応、気付かない振りをした。
「お姉ちゃんの会社に、今でも、バイト君いるの?」
「あぁ・・・。いるけど。どうして?」
「その中に、うちの生徒。いるでしょ?」
「うぅん。いるかな・・。」
「那加居 瞬って、いる?」
「いた・・・かな」
花梨は、少し、あっせっていた。麻衣莉に気付かれまいとすると、あきらかに、挙動不審になるのだ。
「彼。軽いでしょ?」
「そ・・・。そう?判らないけど。」
平然を装い、ペットボトルを、口にしながら、椅子に腰かけた。
「結構。もてるのよね・・・。あの子」
「そうみたいね。」
「会社のおばさん達。狙ってるでしょ?お姉ちゃんも、気をつけたほうがいいよ」
「・・・う・・・ん・・」
気もそぞろになった。
「・・・って。まさか」
麻衣莉が、覗き込んだ。
「まさか・・・。」
花梨は、後にひっくり返りそうになった。
「お姉ちゃん。嘘つけないでしょ。」
「ちょ・・・。ちょっと、待って。」
「お姉ちゃん。」
麻衣莉は、キツイ顔になった。
「瞬は、ダメ。あたし達。まだ、終わってないんだから。」
「なっ・・。何も無いし・・・。あたし達。」
「そう。よね。まだ、終わってないの。本当。お姉ちゃん。瞬だけは、譲れないから。」
麻衣莉は、そのはっきりとした顔をきつくし、花梨を、睨み付けて言い放つのだった。




