彼は、妹の元彼。
景色が、どんどん後に、飛んでゆく。瞬は、助手席で、快適そうに、ひっくりかえっていた。
「まずいよー!」
花梨は、言った。
「一応、未成年なんだから」
「いいじゃん。例えば、友達のお姉さんだったら、おかしくないでしょ!」
「そりゃあ!そうだけど」
瞬は、夜景が、見えるからと、言って、街中の中心にある山に、行くよう案内した。
「随分、詳しいのね」
「まぁ。結構、行くからね」
「へぇ・・・。」
花梨は、冷やかした。
「彼女、居るんだ」
「正確には、居た・・・かな」
車を、展望台に、停めると、瞬は、携帯を、取り出した。
「ずーっと、聞こうと、思っていたんだ」
「あぁ!聞いちゃうの?」
「だって、俺達、もう、恋人同士じゃん」
「違うと、思うけど」
「不満ですか」
「とっても・・・。」
「肝心の、苗字聞いて中単ですけど・・・。」
瞬が、聞いた。
「藤沢 花梨」
「藤沢?」
顔色が、変わった。
「まさか・・・。麻衣莉って?」
「妹」
「あちゃ!」
瞬は、あわてた。
「ごめん。俺。降りる」
車のドアを、開けようとしたのを、あわてて、花梨は、引きとめた。
「どおいう事?」
「麻衣莉は・・・。俺の。そお・・・。」
「かれしぃ?」
「言ったじゃん。あなたに、似た子と、付き合った事あるって!」
「はぁ!」
花梨は、車のドアを開けた。
「ちょっと!降りて!」
「いや・・・。まずいでしょ!」
「何、言ってんの?早く」
花梨は、瞬を、蹴落とそうとした。
「俺達、終わってるしぃ!」
「嫌よ!妹の元彼と、キスなんて!もう!最悪!」
「俺だって、まさかさー。」
「もう。もう。麻衣莉に、何言われるか・・・。」
「ちょっと、待って!何か言われるから、嫌なの?お姉さん?」
瞬は、怒ったようだ。
「俺の花梨に対する気持ちは、かわらないんだけど」
両腕を、つかまれた。
「探していたのは、花梨なんだけど」
また・・・。瞬に、キスされるのを、拒否できなかった。そのまま、瞬を、車外に、放り出す事も出来ず、ぼんやり、夜景を、見続けるのだった。




