愛おしい妹よ。
「真剣なんだ」
瞬は、結亜に告げた。どうしても、話したくないという結亜を、無理に、座らせ、いつになく、真剣な面持ちで、結亜に、向かいあった。
「認めないって、言ったでしょう?」
結亜は、強気だ。それは、長い間、一緒に居たという長い時間を、共有したという者が、持つ自身だった。
「だとしても、結亜。君とは、一緒にいても、伴侶には、なれないんだ」
「それでも、いい。一緒に、居られれば」
「俺は、ダメだ。君は、妹なんだ。妹として、幸せになってほしい。」
「あたしは、瞬に、幸せにしてほしいの」
「無理だ」
「じゃあ!」
結亜は。キッチンに走った。
「あたし、死ぬから!」
取り出したのは、ナイフだった。
「瞬が、全てなの。誰にも、渡したくないの。瞬が、居なくなるなら、あたしは、生きていられない」
「結亜。やめろ!」
瞬は、結亜に、近づいた。
「今は、俺しか、見えないかもしれないが、きっと、好きになる人が、出来る。まだ、お前には、わからないんだ。」
「だから・・・。それまで、一緒にいてほしいの」
結亜は、ナイフを、逆立て、額下に、突き立てるマネをした。
「一人にしないで」
「結亜・・・。」
瞬は、切ない顔をした。
「大切だよ。結亜。君だって、大切なんだ」
少しずつ、距離を縮めた。
「結亜。抱きしめたいよ」
瞬が、腕を伸ばし、ナイフを、取ろうとした時、結亜は、抵抗した。自分の、喉下を、めがけていた、歯先が、瞬の妨害を、うけ、的を外した。歯先が、大きく、ズレ、結亜は、自分の、左頬を、深く切り裂いて島田。
「ぎゃっ!」
「結亜!」
結亜は。恐ろしい悲鳴をあげた。物凄い血量が、吹き上げていく。結亜の手から、ナイフを、取り損ね、逆に、深く傷を、負わせてしまった。
「痛い!顔が・・・。痛い!瞬!」
両手で、顔を、押さえ、苦悶する結亜。
「結亜!」
来ていたシャツを、脱ぐと、結亜の顔に当てて、止血しようとした。顔からの、出血は、物凄く、止まらない。
「待ってろ!今、救急車を、呼ぶから」
瞬は、血だらけの、手で。携帯を、かけていた。
「結亜。なんて事に」
血だらけの、手が、震えていた。




