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花梨への、二つの思い。




瞬は、決断しようと、していた。今まで、何度も、花梨とは、すれ違ってきた。自分の、勇気が、無いために、欲しいものは、手に入らず、すり抜けて行ってしまう。

・・・花梨・・・

逢えないと思うと、辛い。諒を、見つめる花梨の顔を、見るより、逢えないほうが、辛い。一度、逢って、確認する事が、必要なんでは、ないだろうか・・・。その結果次第で、結亜に、ついて行こう。兄として・・・。

「なあ・・・。結亜。少しだけ、時間くれないか・・・。」

瞬は、志望校を、決めかねてる結亜に、声をかけた。

「時間て?」

「確かめたい事が、あるんだ」

「あの人の事?」

「あの人って、どうして、わかるんだ?」

「・・・消したから」

「何を?」

瞬は、自分の、携帯をみた。

「結亜・・・。」

花梨のアドレスが、消えていた。あったであろう、履歴さえも・・・。

「お兄ちゃん・・。だめだよ・・。」

「なんでだよ」

「あの人では、幸せになれない」

「結亜には、わからないだろう?」

「わかるの。」

「どうして?」

「お兄ちゃん。あの人と、逢った後は、幸せそうな顔してないもの。」

「・・・」

瞬は、言葉を、失った。確かに、花梨との事で、悩みあぐねる事が、多く、塞ぎこむ事があった。結亜は、事細やかに、見ていたのだ。

「だから・・・。応援できない」

「・・・でも。結亜。一緒にいるだけで、俺。幸せなんだ」

「ダメ。ダメなの。行くんだったら、許さない。」

思春期の結亜は、必死だ。

「お兄ちゃん。居なくなるなら・・。あたし。。居なくなるから。絶対。許さないから」

「そんな事、言うなよ・・。」

瞬は、結亜を、落ち着かせるために、抱きしめた。

「ごめんな。結亜。可愛い妹なんだ。ずーっと。最初に、逢ったときから」

言い聞かせるように、話しかけた。

「妹でも、いい。そばに、居て欲しいの」

結亜は、呟いた。

「瞬だけが、あたしの、家族なの」

・・・・絶対。離さない・・・

結亜は、瞬の腕に、しがみつくのだった。



「こんな、小さな子を、残して、綾は、どんな気持ちだったんだろう・・・。」

何度か、颯太に、顔を出すうちに、花梨の、気持ちは、少しずつ、変わって行った。綾への、自分の、大切な人を、とられた怒りよりも、小さな子を、残して死んでしまった哀れみや、申し訳無さが、先だっていた。そして、何よりも、母親を、恋しがる颯太は、次第に、花梨に、なついていき、花梨も、颯太を、この上なく、可愛がった。

「お姉ちゃん、まだ?」

花梨の、来るのが、遅れた日は、何度も、部屋にくる看護士達に、聞いていた。母親に、逢いたい。だが、母親は、あいに来ない。何かあったのかも、しれない。颯太は、不安がったが、花梨が、優しくさとす事で、納得していた。

「パパより、お姉ちゃんがいいんだね」

周りは、花梨が、来ると、そういって、笑った。

「どうやら、そうらしいな」

花梨と、颯太が、仲良く話しているのを、見ると、諒は、嬉しそうに、目を、細めた。

・・・花梨と颯太が、仲良いのは、嬉しい。もしかしたら・・・

諒は、考えていた。もう、昔に、諦めてしまった事を。今なら、許されるのでは、ないか。颯太には、折を、みて、綾の事は、話そうと思っていた。そして、花梨の事も、話そう・・・。

・・・・結婚しよう・・・

何年か、前に、花梨に、用意していたプロポーズ。諒は、真剣にかんがえていた。

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