表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/38

瞬を一番愛する者。

運命とか、そんな言葉は、信じてはいない。とは、言っても、それらを、感じられずにいられない事がある。例えば、どうしても、結ばれない相手と、出掛ける時に限って、雨が降るとか、体調を崩してしまうとか・・・。そんな時は、この人とは、居ちゃいけないと、思ってしまう事が、ある筈だ。瞬も、そう、思わずに居られなかった。自分の、花梨へ捧げる気持ちに、変わりは、ないが、花梨の、気持ちが、見えてこなかった。花梨にとって、瞬は、一番では、ないのだ。

「お兄ちゃん?」

瞬は、真っ直ぐ、花梨の、病院から、戻ると、マンションの、入り口に、立っていたのは、結亜だった。

「どうしたの?こんな早くから。」

瞬は、兄らしく義妹を、叱った。

「だって。ずーっと、メールしても、返事ないから・・・。心配で。」

部屋の、鍵は、持っているので、瞬の、帰りを、部屋で待っていたが、返信がないので、兄の身を、案じ、部屋と、エントランスを、行ったり来たりしていたようだ。

「どこ?いってたの?」

責める目で、結亜は、兄に聞いた。

「病院。」

イラ立つのを、抑えながら、瞬は、エレベーターホールに、向かった。

「どうして?あの人と一緒だったの?」

まるで、妻だ。

「そうだよ」

瞬は、否定しなかった。結亜は、妹だ。血は、繫がっていなくとも、自分は、そう思っている。それ以上でも、以下でもない。

「私・・・。嫌だな。」

「何が?」

瞬は、振り返った。

「あの人。」

「どうして?お前には、関係ないじゃん」

「お兄ちゃん。不幸になる」

瞬の顔色が変わった。振り返り、震える声で聞いた。

「何、言ってるの?」

結亜は、思いつめていた。

「嫌なの。あたし。お兄ちゃんが、女の人といるの。見ていたくないの。だって」

結亜は、瞬に飛びついた。

「お兄ちゃん。好きなの。小さい時から、初めて、逢った時から」

勢いあまって、瞬の体は、後ろへ、のけぞりそうになった。結亜は、瞬の首に、腕を、からめ、その勢いのまま、瞬の、唇に、重ねてきた。

「!」

瞬は、かわそうとしたが、結亜の、真剣さと、涙を堪えてる様子に、築き、力を、緩めた。

「結亜」

結亜に、されるまま、だった。結亜の長い睫から、かすかに、涙が、滲んでいた。

「ずーっと。好きだったの」

ようやく、離れた唇から、でた言葉だった。

「お兄ちゃん。気づいてくれないんだもん」

瞬は、優しく、結亜の背を撫でた。

「結亜。俺達・・・。兄妹だから・・・。」

そう聞くと、結亜は、興奮した。

「血は、繫がっていないもん」

「結亜!」

「ずーっと。お兄ちゃんを見てきた。あたしは、一番、お兄ちゃんの事を、知っている。一番理解できる。お兄ちゃんを、幸せに出来る」

「だけど・・・。」

瞬は、言葉を捜した。

「まだ・・・。早いよ。結亜。」

今、自分は、傷ついてる。きっと、誰かが、自分への、熱い思いを、口に出したら、揺らいでしまうほど、傷ついていた。だが・・・。結亜だけは、だめだ。

「まだ・・・。」

そういう事で、結亜への、答えを、伸ばす瞬だった。

・・・花梨・・・・

こんなに、長く深く思っているのは、花梨だけなのに、やはり、彼女とは、一緒に居られないのか。

「お兄ちゃん。」

再度、しがみついて来る結亜を、瞬は、拒まなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ