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傍にいるから。

ずーっと、花梨の顔を見ていた。あれから、何があったのだろう。自分が、一緒にいれば、こんな思いをさせなかったのだろうか・・・。でも、花梨は、愛されるより、愛する事を、選び、そして、僕は、まだ、若く、非力だった。今なら、力になれるんだろうか。

 瞬は、花梨の、顔を、飽きずに、ずーっと、みていた。何の、力にも、なれないかもしれない。けど、傍にいる事で、目覚めた、彼女が、寂しがらずにすんだらと、思っていた。

「花梨・・。」

うっすらと、瞼が、開き、花梨は、ぼんやりと、天井を、見つめているようだった。

「起きた?」

瞬の、問いに答えたのは、花梨の、目尻から、流れた涙だった。

「あたしさ・・。」

止まらなかった。手の甲で、涙を、拭っていた。

「酷い事してたんだよね。」

「花梨さ・・・。」

瞬は、花梨を、覗き込んだ。

「本気だったんだろう?」

優しい声だった。

「俺さ・・・。わかんないんだけど、本気で、好きになったんだよね。嘘で、なかったたんだろう?」

「諒の事。好きだった。」

涙声だった。少し、聞き取れない声だったが、瞬は、その答えに、心が、ずきっとした。

「本気で、好きになったんだから、傷つく事だってあるよ。遊びじゃないんだから・・・。」

花梨は、声をあげずに、泣いていた。

「傷つかない、恋なんてないよ。花梨。答えはさ・・・。自分の中に、あるんだと思う。傷ついた時に、どうするか・・・。相手を、憎む気持ちだって、ある。だけどさー。一番は、自分の、好きになった人。大切だと、思った人だよね。幸せに、なってもらうのが、自分の、した事への、報いってか、お礼だと、思わない?」

花梨は、黙ってた。

「相手が、どんな相手でもさ。元の、相手が幸せだって、思ってもらえば、いいじゃん」

「綾は、どうして、死んだの?」

「それは・・・。」

瞬は、言うべきか、迷った。

「思えない自分が、いたんだな。きっと。自分に、負けたんだよ・・・。」

「キカッケは、あたし?」

「違うよ。自分で、選んだんだ。君から、彼を、奪った時から、始まっていたんだ。」

その時に、自分がいたら・・・。瞬は、心が、不安定に、なった。

「今はさ・・・。花梨。少し、休んだほうがいいよ。俺。傍にいるし。君のせいじゃ、ない。心が、病気だったんだ。」

少し、花梨は、落ち着いた表情を、見せた。

「そんな風に、考えたら、綾さんが、君の影みたいで、逆に、かわいそうになるよ。」

瞬は、花梨の、両腕を、布団の、中に入れた。

「俺が、いるから」

「瞬」

「俺は、大丈夫だから」

瞬の、手が、布団の、中に、滑り込んできた。

「そんな思い。絶対させないから。忘れるんだ。辛かった事、全て。」

花梨は、ゆっくり、微笑んだ。そして、まだ、薬が、効いているのか、夢の、中へと、落ちていった。

「絶対。傍に居るから・・・。」

瞬は、花梨の、寝顔に、そう誓っていた。

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