やっぱり、忘れられない。
自分は、諒と別れる事が、出来るんだろうか・・・・。
いつも、支えられていた。毎日、辛いことが、あると、諒にメールしていた。小さい事でも、報告し、返信は、すぐ、戻ってきた。諒は、なくては、ならない信じきった恋人でも、あったのに、花梨の、綾と、ただ一度だけ逢い、結婚する事になった。
・・・・子供が、できたんだ・・・
申し訳なさそうに、諒は、言った。哀しかった。信じきったいた諒に、裏切られ、綾にも、裏切られ、そして、子供まで、出来てしまった事実に、打ちのめされた。
・・・信じられない・・・
一度は、諒と、別れを決めた。だけど、やっぱり、諒への、思いは、強く、そして、綾を、同じ苦しみを、あじわせてやりたいと、いう思いもあった。諒は、誘うとあっさり、花梨へと、戻ってきた。・・だが、もう、そう長く、関係を、続ける訳には、いくまい。子供を、犠牲には、できない。そして、自分の、若くは、ない人生も、ムダには、できない。報われない婚外恋愛。
・・・結果を、ださなくては・・・。
・・・鍵は、俺が替える。・・・
瞬は、言ってくれたが、そうすぐは、無理だろう。アパートの、鍵を、開けようとすると、やはり、開いていた。
「やっぱり・・・。」
花梨は、リビングの、ソファーに、腰かける諒の、姿を、みつけた。
「早いのね。」
花梨は、バッグを、ソファーに、放り投げると、水を、飲もうと、キッチンに、入った。
「鍵を、返さなきゃって、最初は、思ったんだ。」
諒は、花梨の、後を追った。
「あの男は、誰?」
腕を掴んだ。
「彼」
「彼?」
諒の顔が、激しい嫉妬で、ゆがんでいた。
「前に、言ってたバイトで、来てた子?」
「そう」
「別れない」
諒は、花梨を、抱きしめた。
「嫌」
振りほどきたかった。
「もう。終わろう。決めたじゃない。ダメになる」
「ダメだ」
「最初に、裏切ったのは、諒だよ」
「だけど、もう。自由だ」
「ちがうでしょ!」
花梨は、諒を、押した。
「子供が、いるんだよ。もう、前みたいには、戻れない。」
「気持ちは、変らない」
「だめだよ」
花梨は、涙ぐんだ。
「もう、やめよう。お互い、そのほうが、幸せになれる。判って欲しい。」
「だめなのか?」
「帰って、ほしいの。あたしを、少しでも、思っていてくれるなら。」
諒は、黙った。諦めたように、テーブルに、鍵を、置き、花梨を、寂しそうに、見つめると、小さくため息を、つき、ドアをしめた。最後に、
「今でも、好きなんだ、花梨。俺。間違っていたと思う。ごめんな。」
そう、背中越しに、伝えた。
「諒」
やっぱり。諒が、好き。瞬よりも・・・。でも、もう決めた事。今。一つの、恋が、終わった。花梨は、声を、あげて、泣き出した。
・・・諒が、好き・・・・
その思いで、いっぱいだった。




