二人、寄りそおう。
「だからと、言って、俺の所に来たの?」
ずーっと、アパートの前で、待ってた花梨をみつけた時は、嬉しそうな顔をした瞬だったが、理由を聞いて、少し不機嫌になった。
「ごめん。」
「メルアドを、聞く訳でもなくさ・・・。」
「ごめん」
「さっきから、謝ってばかり。コーヒーでも、飲む?」
瞬は、立ち上がり電気ポットの、コードを入れた。
「普段、そんなに、お茶なんか、飲まないからさ。」
カップを、二つ用意した。お揃いの柄の入ったカップだ。
「それって、彼女の?」
「ああ・・。」
花梨は、やっぱりって、顔をしてしまった。
「元ね。」
顔色を、読んだのか。瞬は、笑った。
「別れたよ。随分、前にね。誰かさんの、痕跡が、強くてさ・・・。お砂糖は?」
「いらない。ブラックで」
「でさ。あんな事のあった後、男一人の、部屋にきて、どうするつもり?」
「って。どうしたいの?」
花梨は、とぼけた。
「まあ。いいんだけど。罪な人だなって、思ってさ。」
瞬は、お湯をいれ、コーヒーを差し出した。
「俺って、都合のいい男ですか?」
意地悪く、聞いた。
「そんなつもりないけど」
花梨は、下品に、コーヒーをすすった。
「一人に、なりたくないな・・・って、思って。」
瞬は、花梨の、座るソファーの、隣にそっと、腰掛けた。
「なんかさ。諒に、連絡しそうで、怖い。」
「もう、終わったんでしょ?」
「簡単に、終われるなら、とっくに、終わってるよ。ダメなんだ。二人共。終われない。」
「だからってさ。」
切ない目を、瞬は、した。
「俺を、巻き込むの?」
「駄目?瞬。あたしの傍にいて、ほしい。」
「俺さ。諦め、悪いよ。何かあったら、あなたの事、許せないかもよ。」
「いいよ。許さなくて。瞬の、鼻先が、花梨の頭に、触れた。
・・・どうしよう・・・・
今、自分は、深く考えず、瞬を求めている。それは、瞬を、傷つける事にならないか・・・。自分は、まだ、諒に、未練がある。でも、諒には、戻れない。
・・・このまま、瞬と、落ちてしまおうか。・・・・
迷った花梨を、察したのか、瞬が、ぐっと、背中の手を廻した。
「もう、待てないから」
瞬の、柔らかい唇だった。




