私は最強だ
あれからモンスターと1回も遭遇していない。何故かわからないが避けられたいる気がする。
気持ちを切り替え目の前にある扉に意識を戻す。
この扉の中にはボスモンスターがいる。ボスモンスターは通常のモンスターと違い、見た目も強さも桁違いなのだ。
私はこの扉を前にして笑みがこぼれてしまった。なぜなら、この先にあのゴブリンたちより強いモンスターがいるからである。
「そろそろ中に入ろうかな。何が出てくるかなー」
意気揚々と扉を開けた先は真っ暗の部屋。
その部屋の中に入ると、途端に部屋の端に順番に置かれていた松明が灯り始めた。
「おー。入ったら光るなんてすごいなーー」
能天気に言葉を走っていると。部屋の中心に2m近くのゴブリンが座っている。
私はそのゴブリンの近くまで行く。
そのゴブリンは急に目を開き近くに刺さっていた大剣を持って私目掛け……てっ!危な!!いきなり大剣振り抜いてきて何様だよ。
「おい!危ないだろ。私じゃなかったら死んでいたぞ!」
『ぐぎぎぎ。かかかかかか』
そのゴブリンは私を見下したような顔で笑ってくる。
「このやろう。私が下手に出てやっていれば調子に乗りやがって・・・」
額に青筋を浮かばせ戦闘の始まりのコングを鳴らした。
「上等だ!!ぶっ殺してやんよ!」
『ギガーーーー!』
1人と1匹は同時に走り出す。互いに武器は違えどその武器を相手を絶命させるために―――。
「私はこんなところで負けるわけにはいかない!」
そんな宣言も束の間。お互いの武器、剣と太刀のつばぜり合いが・・・
「ぐはっ……」
始まらなかった。
空の身体能力はレベルアップとともに上がっているのだが、それでもゴブリンの王そう。ゴブリンキングには勝てなかったのだ。
「くっそ。私がこんなゴブリンに力負けするなんて……」
空は知らなかったのだ。なぜならモンスターの種類など最強を目指す自分には必要がなかったからである。否!空はモンスターの弱点を知ってしまったら“つまらない”と思ってしまったからである。こんなことで死ぬなら自分は最強にはなれないと考えた・・・
空はその整った顔を歪ませた。
「だが面白い!そうでなくては私のためにはならない。お前という今は私より強い敵を倒し私自身を次のレベルへと進化させる!」
ゴブリンキングは空の言葉は分からなかったが、その立ち姿。その迫力に気圧されてしまった。1歩後ずさってしまったゴブリンキングは自身の後ろに1歩踏み出している右足を見て激高し、空に襲い掛かる。
空はそのゴブリンキングの行動の一部始終を見て口橋を吊り上げ、太刀を鞘にしまい中腰になった。
そのれは抜刀術の構え。
「本当この技は使いたくなかった。だが仕方ない、今は私より強いお前に見せてやろう最強が使う抜刀術を!!」
瞬間、空からドラゴンさえ殺せそうな殺気が放たれた。
ゴブリンキングはそれに反応して、避けようとしたが時すでに遅しゴブリンキングは空の間合いに入ってしまっている。
澄んだような。はたまた雄々しいような。何とも言えない声が響いた―――。
「抜刀術1段春風」
“チン”綺麗に響き渡る金属音。ゴブリンキングは立ち止まったが、何も感じなく再び空に向かって走り出そうと―――。
「お前は気が付かなかったのか?自分が斬られたことに」
ゴブリンキングは言葉が通じないため空が話しているのを隙だと思ったのか走り出す。剣を振り上げ空に向かい振り下ろそうとして視線が下に落ちた。
何事だとゴブリンキングは辺りを見渡す。その眼前にありえない、見えていてはおかしいものが映っていた。自身の足。ゴブリンキングの眼前に自身の下半身があったのだ。
『ぐぎぎゅぎゃーーー!!』
その不可解なことにゴブリンキングは発狂しだす。
「うるさい。元から分かっていたことだろ。私と出会ったらそいつは死しかないことなんてな」
空は冷めた目で敗北者を見て口を開く。
「戦いに2度目はない。お前はここで終わりだ」
ただ一言言うと空はゴブリンキングにとどめを刺した。
結果を見れば呆気ない。だがこの戦いが全国に、全世界に配信されているとは思いもしない空であった。
「やった。やりましたよみなさん!あの少女がゴブリンキングを倒しました」
・かっけーー
・すっげ
・鳥肌立ったわ
・最強最強
・早すぎて何やったのか見えなかった
・チンの音良すぎ
・ファンになりました
「なんだこいつは。ふざけるなよ最強は俺だ」
「見つけたわ!私のパーティーにふさわしい人を」
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