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あひゃひゃひゃ

―――side前島 瑠璃―――


「あーーい。るりだよーー!」


私はこの春に高校1年生になった前島(まえじま) 瑠璃(るり)。高校に入ってからダンジョン配信を始めた。


初めのころは何もわからないし、登録者も10人もいなかったぐらいだ。なんの配信をしていいのか答えが出ずにひたすらモンスターを倒す配信をしていた。


転機が起きたのはダンジョン配信を始めてから1か月ぐらい経ったときだ。


その日もいつもと変わらずに配信をしていた。


「今日もダンジョン配信やっていくよー!」


その時、


『グッガーーーーーーーーーーーー!!』


近くからモンスターの叫び声らしきものが聞こえてきた。


「な、なに?もんすたー?」



・うるさ

・なんだ

・うお

・鳥肌立った

・やばすぎ

・逃げろ

・これは、やばいやつだ

・うおおお、るりちゃん逃げてー



「逃げるの?えっと来た方に?」


『ガーーー!!!』


「ひゃあ。に、逃げます!」



・逃げろ逃げろ

・ユニークだろ

・↑違う。イレギュラー

・ばかここで言ってても仕方ねーだろ

・はよ逃げろ

・ダッシュダッシュ!



「ひゃーーーたすけーてー」


私は涙めでここまで来た道を走り出した。その瞬間、後ろからものすごくでかいトカゲが出てきて、私目掛けて翼を広げ飛んでくる。


「やばい、やばい、やばい」


ひたすら同じ言葉を叫びながら走る。


だが、現実は無情なものでドラゴンの口は真後ろまで来ていた。恐怖のあまり転んでしまった。



・おーーー

・るりちゃーん

・あ、終わったなこれは

・グロ映像注意

・(´;ω;`)

・ばいばい

・/)`;ω;´)



コメント欄は薄情なことに瑠璃の生存を1%も信じていなかった。


コメント欄が大荒れ中瑠璃は奥から走ってくる人影が見えていた。


その人影は瑠璃の前まで来て、ドラゴンの攻撃を楽にいなした。


「大丈夫かい?」


「は、はい。助かりました……」


「ははは、それは良かったよ。俺が逃がしたモンスターで人が亡くなったなんてなったら、俺の箔が落ちてしまうからね」


「箔?」


「なに、君はこの俺のことを知らないのかい?」


「す、すいません。助けてもらったのに・・・」


「まったく、はぁー仕方ないから教えるけど。俺は庄崎(しょうざき) (はやと)。最強と呼ばれている男だ!」


はぁー?何言ってるのかこの人は。私はため息を引き出しそうになったが、何とか抑えて笑みを作りお礼を言おうとしたら…


「ふ、そこで見ていな。俺の強さを!」


かっこうをつけながら走り出した庄崎を私は冷めた目で見ていた。


ため息をつきたかったけどあの人の言っていたことが本当なのかコメントを確認する。



・きたーーー

・庄崎じゃん

・最強だ

・どけどけ庄崎さんが通るぞ

・俺こいつ嫌い

・↑同じく

・↑同じ

・こいつうざいな

・こいつ苦手



反応は半々に分かれてるかな。私はコメントを気にしながらも走っていった庄崎を見ていた。最強はコメントを見る限り本当ぽいけど……


(なんかいびつだなー)


庄崎は力に任せての戦いだった。確かに力は強いのだが最強と言われると??となってしまう。私も人のことは言えるほど強くはないのだが……


「はっ!これでおしまいだ。オメガスラッシュ!!」


確かにスキルは破格の性能をしているのだが最強と言われるとやっぱり?が出てきてしまう。


私は修行をやろうかなと思いそれからの配信をモンスター相手に修行をするといった配信になった。


その配信を切り抜かれてたちまち登録者は一気に増えた。一応あの後庄崎さんにはお礼おいった。なんかごはん行こうとかしつこく誘われたが、断った。



はぁーあの人のことを思い出すと疲れるな。そんなことを考えながらダンジョンを歩いていると、地面にキラリと光るものを発見した。


「えーーと、魔石だ。だれか拾い忘れちゃったのかな~~?」



・魔石

・あっ(察し)

・ドンマイ

・まあ。たかが1個だからな

・置いといたほうがいいでめんどくさいことが起きるかもしれないから

・↑それな

・無視一択



「そうだね。私も大変なことが起きるのいやだしね」


魔石をもとの場所に戻し再び歩き出す。


歩き出して暫くもたたないうちに再度魔石を見つけた。


「また魔石が落ちてるよ」


魔石を拾わずにそのまま通り過ぎる。また1個、そのまた1個・・・・・・


歩く道に魔石がずらりと落ちていた。その光景は魔石の道とも言えるほど魔石が落ちている。


「いやいや、さすがにこれはおかしいでしょ!」



・落ちすぎw

・www

・これはw

・やばすぎる

・拾い忘れじゃないなこれは

・大丈夫なのか?この先



確かにこの量はおかしすぎる。何かあるのかな?どうしよう、この先に行くのか、ここで戻るのか。そんなことを考えていた時――


「まだまだ!!」


そんな声が聞こえた。


「ちょっと気になるので行ってみます。怖いけど」


私はその声がなぜか気になり声が聞こえて方へ走り出す。


そこで目にした光景は私の1番になった。なってしまった。


「ははは、楽しい。もっともっと斬らせろ!」


1人の少女がゴブリンたちに向かって刀を振り回す。ゴブリンたちの攻撃は1つも当たらず逆に少女の攻撃はどこからでも当たる。


「すごい。まるで踊っているみたい!」



・すっげ

・動きがなめらかすぎる

・目が飛び出るかと思った

・最強よりすごくね?

・最強のほうがすごいわ

・いやいやあの子のほうがすごい

・太刀筋がすげぇ

・こんな子いたんだ・・・



やっぱりコメント欄も大混乱か。まぁ私自身も混乱中なんだけどさ。


でも本当にすごい!庄崎さんなんかと違い技量もあり多分だけど力もあると思う。


武器は太刀か……結構珍しい武器だけどそれをあんなに様になっているなんてね。


そして最後の1匹を倒し終わった。


「はっはっはっはっは!私が最強だ!私はこの世のすべての生き物の頂点だ!私は刀だ!!」


高笑いとともに変なことが聞こえた最強?頂点?違う!!そんなことより凄まじいものが聞こえた。私は刀?は?何それ……


その時の視聴者数がすごいことになっていたことは、瑠璃には知り得ないことだった。

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