戦闘終了!!
遅くなりました。
―side加藤 雪音ー
やっとみんなダンジョンに入ってくれた。最後の1人の小鳥遊 空さんだけは、ちょっと怖かった。だって、いきなり地面にクレーターを作ったんですもの。あの行動は予想してなく教師の中でブラック入りしました。
ちょっと可哀そうかもと思ったのですが、何も言えませんでした。
なんやかんやと考えているうちに20分経っていました。
私たち教師は校庭の日陰のところにあるベンチに座りながら生徒たちの帰還を待ちます。暇なので話しながらですが・・・
その時――
ドォオオオン!!
地面が揺れだした。座っていたが地面が揺れたと同時に立ったが揺れがひどく、地面に手をついてしまった。
「なんだ、この揺れは・・・」
「普通の地震ではないですね」
「おい、ダンジョンが揺れていないか?」
「嘘だろ」
「ダンジョンが揺れている・・・」
教師たちが話し合っている最中も揺れは収まらない。むしろどんどん揺れが大きくなってきている。
「ダンジョンの中でいったい何が起きてるの・・・」
雪音のつぶやきはその場にいる教師たち、誰一人気が付くことはなかった。
ーside小鳥遊 空ー
やばい。想像していたよりも10倍強かった。ダンジョンでレベルが上がったからって少し調子に乗っていた。
「剣線」
「クソッ!」
今も状況は変化なく、私が妖精の攻撃をひたすらかわし続けている。ときおり、刀で受け止めるが受け止めている最中に攻撃が飛んでくるので、おいそれと受け止められる状況ではなくなってしまった。いや、そういう状況にされてしまったと言った方が正し、、、
「剣線」
「おわ! あっぶねー」
ニヤニヤといやらしい笑みで妖精は空を見る。
「ちくしょう、絶対にあのいやらしい笑みに一発入れてやる!」
と言い放った空は、妖精に向かい走り出す。
刀を鞘に納め、居合の準備をする。だが一般的な居合ではなかった。
なんと空は走り出したのだ。
「いくぞ! そう簡単にやられてくれるなよ」
結構なスピードで近づいて来る空に妖精は焦りだしたのか、今まで浮かべていた相手を小馬鹿にしたような笑みを消して、魔力を限界まで上げた。
妖精のその小さな体ではありえないほどの魔力が体から溢れ出した。
魔力の影響からか妖精の体の周りにバチバチと電気が迸る。
「くっ。近寄らないで! 剣線!」
魔力を右腕に貯め、腕を振り抜く。
すると空の進行方向に妖精が振り抜いたのと全く同じように亀裂が入ったと思ったら何重にも広がる。
「その技はもう、見切った!!」
空は、進行方向の亀裂群をスレスレで躱す。だが、今までギリギリで躱してきたのとは違いスレスレにも関わらず空に余裕が見られた。
「行くぞ妖精!」
瞬間。空が目を見開く。その目は金色に輝いていた。
「っ、その瞳は」
妖精が息を呑む。
だが、空には何も聞こえていなかった。否、聞こうとしていなかった。
身体が軽い。まるで自分の体じゃないみたいだ。それに、何故か分からないが相手の攻撃が止まっているように感じる。
まだまだ行ける。もっと早く。もっと力強く。もっと先へ・・・
刀を握りしめる。鞘から刀を引き抜いた。居合でもなんでもないただの抜刀。だが鞘から抜くときに光が溢れ出した。
走りながらその光を払うかのように刀を右へと振る。
振り抜いたら光が刀へと吸収されその光が燃料になったのか、いきなり刀が燃え始めた。
その炎の色は今の空とおなじ金色の輝きだった。
金色に燃える刀を両手で握る。
瞬間で移動したかのような速度で妖精の目の前に現れた。
空は妖精の前に来た時刀を振るった・・・
刀と一緒に金色の炎が一瞬にして煌めいた。
妖精に当たらないようにとその背後の壁目掛け何十回も刀を振るう。
だがその速さは常人を越し、達人すらも越える速さだった。
カチン!
金属と金属がぶつかり合うような音がダンジョンに静かに響いた。
空は妖精に背を向けながら両手で刀を鞘に納めた。
「はへ?」
妖精からなんとも言えない声が上がった。
ザンッ!!
奇しくも妖精が声を出したのと同時に空が切ったであろう妖精の背後の壁が崩れ落ちた。
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