戦闘狂
「ダンジョンをかなり進んだがモンスター1匹出てこない」
理由は分かっているんだけど。ちょっと言ってみたかった。だって今は4階層にいるのだから…。
私はまだ1回も戦ってない。戦いたくて戦いたくてたまらない。少しでも経験値を稼ぎたい。
そんなことを歩いている最中にずっと考えている。昨日はゴブリンごときに遅れをとってしまった。
まだまだ足りない。これから戦うだろう相手は昨日のゴブリンなんて足元にも及びないだろう。だから戦うのだ。今はクラスメイトや同学年の生徒たちがいるからリソースの取り合いで負けてしまっているが、私以外では奥までは行けないだろう。
焦ってはいないが、戦いたい欲求が収まらない。
「ふっ、認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを」
「てーちょいちょい。やばいです。そのセリフは!」
「はーやっと出てきたか。このモンスターが!」
「ちょーと待てです。あたしは戦う気ないです!」
「私は最強になるためにすべてを捨てる!覚悟!」
「やべーです。このちんまいの想像以上にやべーです。話が通じねーです」
「今日日流行らないぞ、その語尾」
「うるせーです。これは生まれつきです。ていうかその刀を早く仕舞うです。あぶねーです」
「おい!お前なんだその身長は!」
「気が付くのおせーです。あと声が大きいです。小さくしろです」
空の目の前にいたのは15㎝ぐらいしかない羽を生やした人型生物。その姿は妖精そのものだった。
緑色の髪の毛でその瞳はパッチリとしており、さながら美少女だ。その羽は虹色に輝いる……。て、眩しいわ!こいつ。あと、語尾変だし。
「おい!眩しいわ。何とかせんか!」
「あーこれは気にしたら負けです」
こいつと話していると疲れてくるから話を変えるか・・・
「はぁー お前なんて名前なの?」
「私は名前も何もないです」
「そうなのか・・・」
こいつも苦労しているのかな。ちょっとこいつに優しく接すればよかった。
「まぁ、嘘です」
「殺す」
「止めてです。ちょっとした冗談です!」
同情しなければよかったと思った空だった。
「それで?なんでお前は後をつけてきたんだ?」
「強そうだったからです」
「? それが後をつけた理由なんか?」
「そうですー私たち妖精族は強くなることが生きる理由なんです」
「おっふ」
妖精族とこいつの口から聞いたがそんなことが吹き飛ぶくらい戦闘民族発言に驚いた。
見た目はこんなに小さくて物理は無理です~みたいな体系しているくせにバリバリの戦闘狂。ちょっと戦ってみたくなってきた。私も戦闘狂なのかな?
「妖精。私と戦ってみないか?」
「まだ契約してないので強くないです。なのでまだ戦えないです」
「どゆこと?」
「妖精族は契約しないと真の力が発揮されないです。契約しないと力が封印されている状態なのです!」
この目の前にいる妖精は目を輝かせながら、力強く語ってきた。
「はぁー 契約は誰でもいいの?」
「はいです。ダンジョンの主と契約していた子もいたです」
「まじかよ・・・」
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